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タダでこれ、あげます?!「広報物」を現職議員がバラまける、妙な仕組み

都議会の話

今年は前回の東京オリンピック(1964年)からちょうど50周年らしく、
また東京都が「広報活動」と称してウチワを大量に作成したようです。

写真 2

こちらが現物。

そもそも、こういうものを税金で東京都が作る必要があるのけ?
という疑問はさておくとして、不思議なのはこうした制作物ができる度に、
いちいち大量に都議会議員に一定数が配布されることです、

写真 1

これまでも写真のような、オリンピック誘致のための「ウチワ」、
また誘致決定後は「ピンバッチ」などが数百個単位で配られました。
これは会派毎に配られるので、人数が多い会派ほど多くもらっているようです。

こんなもの、議員に大量に渡してどうするんだよ…。
(そんな数量があったら、都民にあげればいいのに)

と、当初から常々疑問に思っていたのですが、
1年間の議員生活を経て、この一般的な「使用用途」がわかってきました。

・支援者の方々に、まとまった数を配って御礼代わりに使う
・夏祭りや盆踊り会場に段ボール単位で持参し、大量に寄付(贈与)

ああ、そういうことね…(脱力)。
なんと皆さん、こういう「賢い」使い方をされていたわけです。

…ってこれ、公職選挙法に違反しているのでは?!

公職選挙法では、有権者や支援者への「利益提供」は厳しく禁止されています。
金銭はもちろん、飲食物や物品の提供でも抵触する場合があります。
なのに、どうしてこれは大丈夫なの??

なぜなら、東京都の「広報物」を配っているだけだから。

いやはや、色々なロジックが考えられているものです。
むしろ議員たちは、広報物を配って宣伝する行為に
貢献していることになるのですね。

しかしながら、個人的な感覚ではどうにも納得できません。

ウチワもピンバッチも、かなりしっかりした作りのものです。
実際、私も身近な人にあげてみましたが、それなりに喜ばれました。
こうしたものをまとまった数でもらえれば、

「やっぱり、○○先生は流石です」
「次の選挙でも、必ず投票しますね!」

ということになって、要は選挙活動になってしまうわけですよ。
それも、都民の税金で作られた広報物を使って。

ただでさえ選挙は「現職有利」と言われているのに、
こうした行為がまかり通るようでは、ますます既存の政治家たちが
有利になって、政治の世界への新人の参入障壁は高まる一方
です。

純粋に宣伝に貢献したいのであれば、支援者にまとまった数を渡すのではなく、
駅前などで不特定多数に配るべきでしょう。いやそもそも、議員たちに
まとまった数を渡す必要なんてないんじゃないだろうか…。

そんなわけで、今だに大量に余っているオリンピックピンバッヂと、
新しくきたオリンピックうちわを前に途方にくれております。
どうすればいいですかね、これ。返却?駅前配布??

相変わらず、不思議なことが尽きない政界の一幕でした。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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