次の世代に希望をつくる

「無人タクシーに元運転手が同乗」する未来を防げ。自動運転とライドシェアはセットで

• 日々のこと

>私は将来、”既存タクシー会社のみによる自動運転タクシー”が普及する際に、タクシードライバーだった人たちは「(種々の規制により利益がしっかりと出ていて自動運転タクシーに投資ができる)タクシー会社は自動運転車のみになってしまったので、ライドシェア事業者の新規参入を認めて、我々人間はライドシェアのドライバーとなって収入を得たい」の様な運動に展開を迎える可能性は十分にあると思っています😅

>他方、それがない場合は、全自交労連などのタクシードライバー労組の力が思った以上に強くて、「自動運転だけど、安全確認の為に元ドライバーの人を車両に乗せておかねばならない(あるいはリモート監視をしておいてもらわねばならない)」と言った労使妥協の産物、供給制限のボトルネックになる様な謎制度が元タクシードライバーの方が全員退任、退職されるまで過渡期的に採用される事を、”日本版ライドシェア”の形成過程をつぶさに見て来た私としては、けっこうマジで想像したりします。

LINEヤフー前会長で、規制改革推進会議の委員としてライドシェア議論の最前線にいた川邊健太郎さんのnoteの一節です。

永江一石さんのブログ「日本はライドシェアはもう諦めて自動運転に行くべきだが、なんでこんなに進まないのかめちゃ掘りしてみた」に、当事者として補足を加えた記事になっています。

笑い話のように書かれていますが、うん、笑えませんでした…。私もこの「予言」、けっこうな確率で当たると思うからです。

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まず、永江さんのブログの論旨を公平にご紹介します。

タクシー業界の政治力は強く、ライドシェア新法の成立は現実的に難しい。ならばライドシェアはパスして、自動運転タクシーに期待をかけるべきだ、というものです。

これには一定の説得力があります。

実際、タクシー業界はライドシェアには強く反対してきましたが、自動運転には明確な反対をしていません。会社から見れば人件費がなくなるわけですから、当然といえば当然です。

川邊さんのnoteには、印象的なエピソードが紹介されています。

国交省の会議の場で、全自交労連の幹部に「ライドシェアには反対するのに、なぜ自動運転には反対しないのか」と尋ねたところ、川邊さんの記憶では「そこまで行けば諦める」という趣旨の答えだったそうです。

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では、「ライドシェアを飛ばして自動運転へ」で本当にうまくいくのか。

問題は、自動運転タクシーを「誰が」走らせるのかです。

いまのタクシー業界は、タクシー特措法などにより、地域によっては新規参入や増車が厳しく制限されています。この構造を変えないまま自動運転が来れば、担い手は既存のタクシー会社になります。

つまり、クルマは無人になっても、市場は閉じたままです。

ここで一つ、歴史の話をします。

蒸気機関車の時代、運転席には石炭をくべる「機関助士」が乗っていました。ディーゼル機関車や電気機関車に替わり、石炭をくべる必要がなくなった後も、助士の乗務はしばらく続きました。

アメリカの鉄道でも、日本の国鉄でも、この「一人乗務化」は労使対立の大きな争点になった歴史があります。

仕事がなくなった後も、雇用を守るために人を乗せ続ける。

川邊さんが想像する「自動運転なのに元運転手が同乗する制度」は、決して突飛な妄想ではないのです。

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しかも、その土台はすでに存在します。

現行のレベル4自動運転の制度では、遠隔監視などを担う人員の配置が求められています。安全のために必要な仕組みであることは言うまでもありません。

問題は、その「比率」です。

1人のオペレーターが何十台も見られる技術があるのに、「1台につき1人」のような運用が労使妥協で固定されたらどうなるか。

自動運転の最大のメリットである「供給の拡大」が、制度によって封じ込められます。

そうなった時の日本を想像してみてください。

運転手は職を失う。でも、ライドシェアは解禁されていないので、他で稼ぐ道がない。

利用者は相変わらずタクシーがつかまらない。地方の移動難民も救われない。

そして、既存事業者の自動運転車両の導入には補助金が投じられる。

川邊さんが指摘する「金は出すが、制度は変えない」の完成形です。

誰も得をしないディストピアです。

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だからこそ、順番が大事です。

ライドシェアの解禁は、自動運転と対立するものではありません。むしろ自動運転を活かすために同時に成立しうるものです。

一つ目に、市場を開くこと。新規参入者がいて初めて、自動運転でも価格やサービスの競争が起きます。

アメリカの主要な自動運転タクシー企業は新規参入組で、そもそも既存ドライバーの雇用維持という問題を抱えていません。

二つ目に、移行期の受け皿になること。自動運転が広がる過程で、人間のドライバーが柔軟に働ける場があれば、「無理やり人を乗せ続ける制度」を作る必要がなくなります。

三つ目に、いま困っている人に今すぐ効くこと。自動運転の本格普及を待つ間にも、終電後の駅や地方の病院で移動に困っている人がいます。

米国では、ライドシェアのアプリの中で人間のドライバーと自動運転車が一緒に配車される動きも出ています。

人から機械へ、同じ市場の中でなめらかに移行していく。これが本来あるべき姿です。

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日本維新の会は、2025年4月に、運営主体の限定を撤廃する「ライドシェア事業に係る制度の導入に関する法律案」を衆議院に提出しています。

また、2026年6月に政府へ提出した規制改革提言「日本再起への次なる一手」でも、ライドシェアの本格導入と自動運転レベル4の推進を、移動交通分野の柱としてセットで掲げました。

ここからは連立与党の一角として、これを実現に移せる立場にいます。

自動運転はもちろん大事です。でも、閉じた市場に自動運転車を走らせても、開かれた明るい未来は簡単にやってきません。

今こそ規制改革で、扉をこじ開けよう。

川邊さんのnoteは、当時の議論の空気がよくわかる内容ですので、ぜひ元の永江さんのブログとあわせてご一読ください。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 43歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」

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