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歩きタバコは「犯罪」ではない?警察官が、路上喫煙を取り締まらない理由

• 都議会の話 • ,

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「なんで警察官に、もっと歩きタバコを注意させないんだ!」
「地域によっては、罰金が取れるんだろう?きちんと取り締まって払わせろ!」

なかなか減らない路上喫煙(歩きタバコ)に対して、
多くの都民からこのような声が議員である私の元に届きます。

しかしこれ、私も以前は勘違いしていたのですが、
警察官が歩きタバコを捕まえたり、罰金を払わせることはできません。
(警察官によっては注意してくれますが、厳密には彼らの業務対象外)

確かに東京都内には地方自治体の条例によって、
歩きタバコに罰金刑を設定しているところもあります。
しかしこれは「過料」という行政罰であり、刑事罰ではない=犯罪ではないのです。

行政罰である「過料」を取り締まったり徴税するのは行政職員の役割であり、
警察権力がこれにどうこうすることは基本的にはありません。
刑事罰ではないので、実は強制力もそれほどなかったりします。

刑事罰である罰金刑を食らった場合、それを無視しようとすれば、
とっ捕まって「労役場」に留置されることになり、
文字通りの強制労働をすることになります。

ですが行政罰である「過料」の場合、公権力がこうした処罰を下してくれません。
じゃあ、ゴネて払わなかったらどうなるの??
非訟事件手続法の第121条によると、

>過料の裁判の執行は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)
>その他強制執行の手続に関する法令の規定に従ってする。

とのことで、まあ簡単に言いますと税金の滞納のように
民事上の強制執行がされることになるようです。
そして刑事罰と違って、前科がつくこともありません。

■

なぜこのような話がしたかというと、今月の都議会定例会では
先にソーシャルボイスラボでも調査した「危険ドラッグ」についての
条例改正が審議され、新たな過料(行政罰)が設定される見通しだからです。

正式名称「東京都薬物の濫用防止に関する条例」において、
主に

・警察職員の立入調査権限の付与
・知事指定薬物の緊急指定に関する規定整備
・知事指定薬物等の収去権の付与

などが新たに可能になります。

現在、新たに出てきた危険ドラッグを薬事法で刑罰として取り締まれる
「指定薬物」にするためには、最低でも2ヶ月程度の時間を要します。

この条例によって東京都は、薬事法に先駆けて危険ドラッグを緊急指定し、
迅速に調査・押収し、場合によっては罰することが可能になるのですが、
それはあくまで「過料」による行政罰です。

せっかく警察職員を伴って行政職員が強制的に販売店に立入調査、
販売物の押収を強制することが可能になっても、それを拒否した場合に課されるのが
刑罰ではなく行政罰では、その抑止力にどこまで効果があるのかは疑問が残るところです。

危険ドラッグのリスクは歩きタバコの比ではなく、
犯罪行為として取り締まることが適当ではないかと思いますが、上位概念の法律で
犯罪と規定していないものに、条例で刑罰を制定することは憲法上、認められておりません…。

■

この行政罰である「過料」というのはけっこう悩ましい存在で、
例えば日本で初めて罰則付きの受動喫煙防止条例を作った神奈川県でも、
その罰則は「過料」のため、制定から3年間たっても一度も徴収されたことがないそうです。

日本一厳しく歩きタバコを取り締まっている千代田区では、
専門職員を配備して一定の徴収成果を上げているそうですが、そのための人件費コストが
徴収料以上に膨らんだり、支払い滞納への対応が追い付かない等の課題が指摘されています。

とはいえ、なんでもかんでも刑事罰を適用すれば
監視社会へと一直線ですし、このバランスは本当に難しいものです。

危険ドラッグについては、どこまで東京都が行政コストをかけて
「過料」を適用しての取り締まりを徹底するか、本気度が問われることになりそうです。

明日はいよいよ、第三回定例回の告示日。
都議会議員になっての定例会も、いよいよ二週目になりました。
気を引き締めて臨んで参りたいと思います。

それでは、また明日。

※9/10 19時半追記

内容に誤りがあり、訂正記事をアップいたしました↓
行政マンも間違える「行政罰」の違い…危険ドラッグは、警察官により取り締まられます
http://otokitashun.com/blog/togikai/4428/

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 43歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」

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