もっと、新しい日本をつくろう

早稲田祭。ただそこにあり続けて、続いていくことの偉大さを。

日々のこと

※毎年恒例の早稲田祭エッセイです

祭りの翌日。運営スタッフたちが歓喜の感情を爆発させる夜。

達成感と感動で涙を流す幹事代の仲間たちの輪の外で、思い描いていたことが何一つできなかった自分は、悔し涙で号泣した。

拳を床に叩きつけながら、何度も何度も。

あれだけ本気になって、恋焦がれて、追い続けた夢は叶わなかった。嘘だと思いたかった。でも、時間はもう取り戻せない。

今でもあの時の結末と感情を思い出すと、なんだか背筋がヒヤリとする。

「若い時に過ぎたこと」

と忘れていく大人たちが多い中で、今年も失った何かを追い求めてここにきている。17年連続、17回目だ。

それが良いことなのか悪いことなのか、まったくわからないけれど。少なくともそれが原動力の一つになっている自分は嫌いじゃない。

2002年から生まれ変わった早稲田祭。今年はまさにそれを創り上げた、私の先輩代のレジェンドたちが来場して、夜には一席囲む機会がありました。

「今年の現役スタッフに『話が聞きたい』と言われて久しぶりにきたけど、久しぶりすぎて全然わからない」
「むしろ毎年きているオマエみたいなやつに、現役は話を聞きに行くべきなんじゃないの?」

そう、代表にも役員にもなれなかった私は、スタッフ史の中では路傍の石。

私は成仏できなかった地縛霊なんですよと自嘲気味に笑いつつ、また別の先輩のこんな言葉に胸を打たれる。

「久しぶりに早稲田祭にきて、ああ、あるんだなって。どんなに自分が忙しくて、流されていく中でも、早稲田祭はあるんだなって。それってものすごいことじゃないかな」

そう、早稲田祭は毎年やってくる。

不甲斐ない自分に活を入れて、悪意に直面する日々に根本からへし折れそうになる心を充電して、あの時の真っ直ぐだった自分を思い出させてくれる機会が、毎年毎年やってくる。必ず。

こんな素晴らしいものを創り上げてくれた先輩方と、そして継承し続けてくれる後輩たちには、ただただ感謝しかありません。

ありがとうございます。ありがとう。

「好き」に情熱を傾けた学生たちの本気が、誰かの心に火を灯していく。

「そんなもんじゃないだろう」と歯を食いしばりながら、ひたむきにもがいていた当時の自分がそこにいるから、私の気持ちが前へ向く原動力になる。

また来年もこの場所に、永遠に取り戻せない何かを探しに、でもどこか胸を張って来られるよう、私も日々を全力で駆け抜けていきます。

17回目の早稲田祭に、全身全霊の愛を込めて。
音喜多 駿

関連過去記事:

早稲田祭, I love you. / 2013
http://otokitashun.com/blog/daily/1823/

青春のど真ん中にあって、誰にも譲れないもの。早稲田祭 / 2014
http://otokitashun.com/blog/daily/4889/

欠点だらけな私の夢を支えるもの、早稲田祭。 / 2015
http://otokitashun.com/blog/daily/9344/

裏方の美学。何よりも大切なことを教えてくれたのは、やっぱり早稲田祭だった / 2016
http://otokitashun.com/blog/daily/13227/

「夢は叶う」なんてシンプルなことを、やっぱり自分は早稲田祭から学んでいく / 2017
https://otokitashun.com/blog/daily/16467/

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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