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喫煙に甘~い都議会自民党では、禁煙条例制定は不可能。受動喫煙防止対策は、都議選の重要争点になりえる

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日はBSフジ「プライムニュース」に小池百合子知事が生出演し、約2時間たっぷりと都政課題についての議論が放送されました。

話題は市場移転問題から東京五輪、都議選の展望まで多岐に渡りましたが、都民ファーストの会の都議選公約に関連して、受動喫煙防止条例の制定についての重要な発言が知事からありました。

「都民ファーストの会としての公約をつくっているところだが、基本的には厚労省案に近い。明確に、分煙では不十分で、屋内禁煙を原則としていく(ことを考えている)」

私自身もまさに、屋内禁煙を原則とする受動喫煙防止条例(禁煙条例)を都議選公約に掲げることを提案した1人ですが、これは明確に立場が別れる都議選の最大の争点の一つになりえます。

というのも国政自民党同様、都議会自民党は「分煙で十分」と強く主張している立場であり、屋内を原則禁煙とする条例制定を主導することは確実に不可能だからです。

暗黒時代来たる!! 驕れる自民党、まさかの「全ての飲食店で喫煙可能に」方針に!!
https://www.landerblue.co.jp/blog/?p=32770

受動喫煙防止派の論客・永江一石さんが取り上げているように、国政では自民党が受動喫煙防止法を骨抜きにするべく強い抵抗を示しています

具体的には、厚労省案では屋内が「原則禁煙」なのを、自民党案では「分煙も選択」できるようにしているのです。え、それってぜんぜん意味ないのでは…?!

では、都議会自民党のスタンスはどうでしょうか。

すでに2015年の段階で私がブログで取り上げた通り、厚労大臣であった舛添要一知事(当時)が受動喫煙防止条例に意欲を示した際、素早く「分煙」を求める緊急要望を突きつけ、舛添知事の意向を叩き潰したのが都議会自民党でした。

都庁・都議会議事堂が喫煙天国なのに、禁煙(受動喫煙防止)条例ができるわけもない
http://otokitashun.com/blog/togikai/5631/

そして上記の中にあるように、都議会の中は未だに全面的に「喫煙可能」で、委員会室には大量の灰皿が用意されています。

各階に密閉されていない喫煙室があったり、タバコの自販機まで設置されているその光景は、まさに「喫煙天国」というのにふさわしい状況と言えるでしょう。


(委員会室の角にズラリと並ぶ灰皿)

さすがに傍聴人が入れる委員会中に吸っている議員は見たことがありませんが、議員連盟の会議などでは、美味しそうにタバコをふかす先輩議員たちの姿を頻繁に目にしたものです。

議会の中のルールは議員たちが決めますから、まさにこのような「喫煙者に甘~い」環境は、多くが喫煙者である大物議員を擁する最大会派・自民党が主導してきたわけです。

これまで何度も指摘している通り、議員たち自身がこの体たらくでは、屋内禁煙を原則とする禁煙条例など制定できるはずがありません。

受動喫煙が致命的な健康被害を引き起こすことはもはや科学的見地から明白であり、屋内禁煙を始めとする受動喫煙防止対策はすでに世界のスタンダードです。

国政での議論が後退している今、特に東京五輪を控える東京都がイニシアチブを取って進めていかなければなりません。

仮に都議会自民党が最大会派を維持し続ければ、都議会の中は喫煙天国のまま、受動喫煙防止条例も前に進むことはないでしょう。

一方で、番組の中で知事が「(特殊なケースでは)例外があっても良いのではないか」と述べた通り、喫煙者の権利や環境にも一定の配慮をしていかなければなりません。

また、こちらも以前から私が触れてきた通り、日本は屋外喫煙が諸外国に比べて厳しいため、屋根付き・囲い付きの喫煙所整備を推進していくなどの方策も検討が必要です。

実はタバコの煙がすんごく多い、ヨーロッパの「受動喫煙防止先進都市」たち
http://otokitashun.com/blog/daily/9075/
受動喫煙防止法・条例ができる前にやっておくべきは、屋根・囲い尽き喫煙所を増やしておくことである
http://otokitashun.com/blog/togikai/13475/

こうした点を含めて、公約にどのような内容を盛り込むのか、具体的な党内議論を進めていくことになるでしょう。

公明党や民進党など、「非自民」と言われる改革勢力も、こぞって受動喫煙防止条例の制定に意欲を見せる公約を発表しています。

都民の命と健康を、タバコの煙から守れるのはどの勢力か、どの議員か。

こうした点もぜひ、都議会の争点としてご注目をいただければ幸いです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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