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受動喫煙防止法・条例ができる前にやっておくべきは、屋根・囲い尽き喫煙所を増やしておくことである

都議会の話

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

本会議初日の知事所信表明演説から本日は、受動喫煙対策について取り上げたいと思います。

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(画像は知事の部屋より)

受動喫煙防止へ罰則付きで法整備へ 厚労省がたたき台:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJBF2HN1JBFUBQU001.html

今秋に入って国の方でも、罰則付きの受動喫煙防止対策が検討されていることを受けて、小池百合子知事も自身の公約に掲げている本件に対して

「(国の)こうした動きも十分に見極めながら、都としてのさらなる対応を検討してまいりたい」

と踏み込んだ発言をするに至りました。

都政においてはかつて、元厚労大臣でもあった舛添前都知事が独自の受動喫煙防止条例に意欲を示したものの、即座に都議会自民党の猛反発を受けてあっさりと頓挫。

都議会自民党がこの対策に極めて後ろ向きなのは、

「そもそも大物議員たちが喫煙者ばかりで、都庁と都議会議事堂が喫煙者天国になっているから」

であることは、以前のブログ記事で詳細にレポートしたところです(もちろん、業界団体のしがらみなどの理由もありますけれど)。

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都庁・都議会議事堂が喫煙天国なのに、禁煙(受動喫煙防止)条例ができるわけもない
http://otokitashun.com/blog/togikai/5631/

このブログで糾弾&厚生委員会で取り上げた後、上記画像のドアすらない開放的な喫煙所にはさすがに扉がつきましたが、いまだに喫煙所は建物内の至るところにあり、都議会議事堂側の喫煙所は相変わらずドアもなくタバコの臭いが充満しています。

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何度も書いてますけど、都議会の委員会室、灰皿がこれだけ用意してあって普通にタバコが吸えますからね!

さすがに最近では最初の理事会で「禁煙」を取り決めることが多く、実際に委員会中にタバコを吸っている姿は見たことはありませんが、議員連盟の打ち合わせや勉強会では喫煙している議員をチラホラ見かけたことがあります。

話を戻しまして、受動喫煙対策。

近年の五輪開催都市はすべて「屋内完全禁煙」を定めた罰則付きの法律または条例が定められており、2020年までに東京都でもなんらかの対策が必要になることは間違いありません。

しかしながら東京都において、この対応には高いハードルがあります。

屋内禁煙が基本となっている海外都市の場合、路上やテラス席での喫煙には非常に寛容です。

以前に欧州視察に行った際にレポートした通り、街のいたるところにゴミ箱兼灰皿を見かけますし、一昔前の日本のように信号待ちでタバコを吸っている人も大勢います。駅のホームにも喫煙所完備です。

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参考:実はタバコの煙がすんごく多い、ヨーロッパの「受動喫煙防止先進都市」たち
http://otokitashun.com/blog/daily/9075/

ところが上記記事の中でも述べている通り、我が国は

「歩きたばこの取り締まり」
「路上喫煙の禁止」

という側面から受動喫煙防止対策がスタートしたため、この上で屋内禁煙を徹底してしまうと、もはや喫煙者にはタバコを吸えるところが自宅以外にほぼなくなってしまうわけですね。

これが喫煙者サイドの根強い抵抗の理由となっており、法令整備のボトルネックとなってしまっています。

国の法整備が遅々として進まない場合、都が先駆けて条例制定を試みることになりますが、それを見越して今のうちにできることがあるとすれば、徹底的に屋根付き or 囲い付きの屋外喫煙所を増やしておくことです。

残念ながら今、この状態から路上での喫煙に寛容になりましょうといっても、政治的ハードルは極めて高いでしょう。

一方で喫煙者が現に一定数存在する以上、そちらに対しての配慮も欠かすことができないのが政治の現実であり、民主主義社会です。

この落とし所となるのが、屋外喫煙所の整備です。

「喫煙小屋」のような屋根付きであれば、全天候型になって利用者にとってもっとも望ましい形ですが、それなりの建設コストがかかりますし設置場所も限定されます。

受動喫煙防止の観点から見ますと、必ずしも密閉型の個室になっていなくても、人の顔以上の高さの壁に囲われていれば基本的に煙は上から下に流れることはありません。

そこで、囲いを作ってその上に煙が抜けていく、簡易的な喫煙所を量産することが現実的な路線ではないでしょうか。

というわけで東京都は来るべき条例制定の際にハードルを乗り越えるため、今から都内に積極的に囲い付き喫煙所を増やしていく政策を取るべきだと思います。

設置主体は基礎自治体になるケースも多いと思いますが、屋外喫煙所の設置に対して補助金を出すなど、インセンティブを設定して設置を促す方法はいくらでも取れるはずです。

0か100かになるのではなく、現実的な路線で課題解決への歩を進めていくこともまた重要です。

スモークフリーオリンピックの実現に向けて、一刻も早い法整備・条例制定を働きかけつつ、喫煙者の方々への配慮が同時に行われる政策提案を続けていきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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