都知事選挙の真っただ中でございます。
選挙戦の初日には、とある大物候補が街頭演説で
「脱成長」
というフレーズをうっかり使ってしまったことから、
ネット界隈で大きな話題になっておりました。
特定の候補について云々言うのが目的ではないので
その点は掘り返しませんが(たぶん口が滑ったんでしょう)、
ときどき現れる
「もう日本(東京)は充分豊かになったのだから、成長を目指すのはやめよう」
という政治思想は、果たしてありえるのでしょうか?
結論から言えば、私にはまったく共感も理解もできません。
なんか以前にもどこかで書いたような気もしますが、その理由を再度掲載します。
1.
経済成長が止まった時、真っ先に沈むのは下の方からだから
まず何より、これに尽きます。
経済成長が必要なのは何も、豊かな人がより豊かになるためではなく、
社会的弱者の人たちに最低限度のセーフティネットを整えるためです。
その「再配分」が上手くいってないのは確かであり、
共産主義ですら失敗したその方法については我々にとって永遠の
課題かもしれませんが、とにかく成長を捨てることはできないのです。
いくら「東京は財政が豊かだ」と言っても、苦しんでいる障がい者団体、
介護団体、難病の患者団体の陳情は議員の元にいくらでも訪れます。
引退した方々が晴耕雨読の充分な生活をしているからといって
成長を諦めてしまえば、真っ先に沈むのは彼らなのは明らかです。
成長したときに真っ先に資源が富裕層に行きわたり、
停滞すると貧困層など政治力が弱いところから財源がカットされる
政治体質は重大な問題であっても、我々に成長を捨てることは許されません。
2.
政府の借金が1000兆円を超える今、成長を諦めることは
将来世代への壮大なツケの先送りを認めることに他ならないから
そして今や、社会的弱者には「将来世代」「若者」が含まれます。
成長期の若者は、いつだって貪欲で腹ペコなのです。それなのに
すでに充分に成熟した世代から「腹八分目」を押し付けられた挙句、
「最近の若者は覇気がない」
「私たちの若い頃は…」
と説教をされることに対して、
私たちの世代はもっと怒っていいと思います。
いや実は、すでにみんな心の底ではわかっているはずです。
反原発・脱原発運動が一定以上の広がりを見せないのは、
あの反原発デモ参加者の多くがリタイア世代で、
「原発はもういらない≒成長はもういらない」
というメッセージを発信していることに、
本質的な嫌悪感を覚えている若者は少なくないからではないでしょうか。
「後世に放射性廃棄物を残すな!」
というのはありがたいのですが、借金の方はどうなるんでしょう。
成長ビジョンのない脱原発活動は、こうした意味で決して認めることはできないのです。
後世にツケを残すのは、政治の失敗に他なりません。
政治家は決して、成長を諦めてはいけないのです。
–
そんなわけで、日本の成長をけん引する東京をつくれる
首長を選ぶことこそが大事な東京都議事選挙なのですが、
かといって
「東京世界一!」
なんて言ってる候補者が良いかというとそうでもないわけで、
まことに投票先が悩ましい状態が今も続いているのであります。
初動でうっかり「脱成長」と口を滑らせてしまった候補者も
若者世代の候補者との対談ではけっこう良いことを言っていたので、
今後の公開討論会を初めとした要素を引き続きじっくりと検討していきます。
私の公式ブログの方で、全候補者との対談企画なども
アップしておりますので、そちらも参考にしてみて下さいね!
・【都知事候補×現職都議】すべての候補に、政策対談を申し込みます!
・突撃!おときた駿がゆく!都知事候補者に全員会いますプロジェクト~第1回家入かずまさん~
・突撃!おときた駿がゆく!都知事候補者に全員会いますプロジェクト~第2回ドクター・中松さん~
それでは、本日はこんなところで。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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