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文書質問全文>オープンデータとシェアハウス施策

都議会の話

本日・明日と防災議員連盟の視察で岩手と宮城に来ております。
復興支援ボランティアで何十回と訪れている東北ですが、
スーツで来ることになるとは感慨深いものがあります…。

視察の詳しい内容につきましては、

「議員連盟で正式なレポートを出してから」

とのことですので、また後日ご報告させていただきたいと思います。

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さて、というわけで新幹線の中でブログを書いているわけですが、
先週提出した文書質問のお話などをば。

前定例会の際、身内に刃を向けようとして
文書質問の提出に失敗したワタクシですが、

初めての失敗… -文書質問編-
http://otokitashun.com/blog/togikai/1736/

今回はきちんと、執行機関に対して質問し、
無事に受理をされたようです!(締め切りギリギリだったけどね…ボソッ)

今回は大きく2点、

「東京都のオープンデータ施策」
「寄宿舎基準とされたシェアハウスへの対応」

について質問を提出しました。

前者は、急速なIT技術の発展により、行政が保有する信頼性の高いデータを
民間の方々が二次利用可能な形で公開しようという動きが世界的に広まっています。

これをオープンデータといい、その先にはオープンガバメント(開かれた行政)
という概念があります。当然、「情報公開野郎」の私はこの流れに賛同するものです。

『オープンデータ』は「二次利用可能な形」というのがポイントで、
これまでのように行政がいくらデータをPDF形式で公開したところで
それはオープンデータではありません(データ形式的にも、ライセンス的にも)。

データの正確性や改ざんのリスクも含めて、日本ではまだまだ
オープンデータ化に消極的な自治体が多く、東京都も例外ではないように思えますが、
その現状や見解についての質問を提出しました。

後者は、9月6日に国土交通省より「シェアハウスには、寄宿舎基準を当てはめる」
という驚愕の通知が出された件についてです。

国が規定する寄宿舎基準と東京都建築安全条例を順守すると、
狭く危険ないわゆる「脱法シェアハウス」だけでなく、4LDKを4人でシェアするような
一般的な形式のシェアハウスまで取り締まらなければならなくなります

シェアハウス業界で「9・6ショック」とも言われたこの国からの通知ですが、
果たして東京都としてはどのように受け止めているのか。現状に則した
法改正を求めるべきではないのか、現時点での見解を伺いました。

【シェアハウス関連書籍】

今後、答弁などの調整で多少の修正は入るかもしれませんが、
以下に文書質問の全文を掲載しておきます。

回答が返ってくるのは来年2月になりますが、
もちろん答弁されたら終わりではありません。

本件につき何かご意見やご指摘がありましたら、
ぜひとも皆さまのお声を寄せていただければ幸いです。

それでは、張り切って視察に行ってきます!

■以下、文書質問全文

【1】オープンデータへの取り組みについて

東京都のオープンデータへの取り組みについてお伺い致します。近年の情報技術の急速な発展を受けて、行政データを電子的に二次利用可能な手法で公開していくオープンデータという概念が注目されています。我が国でも本年4月に初めて総務省により、行政が保有する情報のオープンデータ化のテストケースとして、情報通信白書のオープンデータ化が行われました。また6月に閣議決定された『世界最先端IT国家宣言』の中では、「行政が保有するデータは信頼性の高い基礎データとして、民間での利用ニーズが高いが、現状は公開データの二次利用に制約があり、機械判読(ソフトウェアによる解析・処理)が困難なデータが多い、目的のデータの有無や所在が分かりにくい、ビジネス等に活用できる多くのデータが公開されないままになっている等の要因から、公共データが十分に利用されていない。公共データの民間開放(オープンデータ)及び公共データを自由に組み合わせて利活用可能な環境の整備を早急に推進する必要がある」と明確に指針が述べられています。

こうした流れを受けて、オープンデータの先進自治体として注目されている千葉市では、すでに「推計人口、年齢別人口・町丁別年齢別人口、町丁別人口及び世帯数」や「千葉市保健統計(出生、死亡、婚姻、離婚、死産に関する統計情報)」などが加工しやすいエクセル形式かつ、二次利用可能なライセンスで公開されており、民間による新たな価値の創造が期待されています。日本の首都である東京都においても、このオープンデータ化の流れは避けて通れるものではなく、むしろその見本として強くオープンデータ化を進めていくべきと考えます。そこで、以下4点についてお伺いいたします。

(1)
現時点で、東京都が取り組んでいるオープンデータ化の施策や、実際に公開されているデータがあるのか教えてください。

(2)
情報公開にあたり、行政機関内のみで利用されるクローズドなデータと異なり、公開データについてはより慎重な対応が求められます。また、行政機関がデータを公開する際は二次加工の難しいPDF形式であることが一般的ですが、これを他者が利用しやすいフォーマットに転換すれば民間が創意工夫できる余地が生まれるとともに、情報改ざんなどのリスクが高まることが予想されます。こうした理由から、情報公開に積極的ではない自治体も多いのが現状ですが、東京都の現時点でのデータ開示に対する見解をお聞かせ下さい。なおデータ開示については、「これまで公開されてこなかった情報を公開すること」と「現在公開されているデータを、二次利用が可能な形式・ライセンスで公開すること」の二点が考えられますが、それぞれについてのお考えを教えてください。

(3)
今後、更なる情報技術の発展により、行政にはさらなる情報開示、オープンデータ化が求められることが容易に予想されます。今後の行政のオープンデータ化について、全庁横断的に検討を行っていく組織が不可欠であると考えますが、そうしたシステムは現時点であるのか教えて下さい。また、オープンデータ化への今後の展望を、具体的な施策があればそれとともに合わせてお聞かせ下さい。

(4)
最後に建設局に対し個別の事案についてお伺い致します。建設局が先月11月から取り組まれている「工事設計書の情報提供」は、民間からの需要が高いデータを公開する、素晴らしい取組です。全庁においても、このような「民間企業や住民から情報請求の多いデータ」を公開していくことが経済活性化に繋がると考えます。一方、素晴らしい本取り組みではありますが、オープンデータの観点では課題も残っています。

1.情報を閲覧するために都庁まで出向かなければいけないこと
2.提供データがPDF形式なため、データ加工が困難なこと
3.これらのデータを二次利用することについて触れていないこと

これらの課題に対しては、例えば下記のような取組が考えられます。

1.情報をインターネットを通じて公開する
2.データを加工可能なエクセルやシェイプなどの形式で公開する
3.クリエイティブ・コモンズ「CC-BY」を明記し、二次利用を認める

実際に、今年の総務省の実証では佐賀県・福岡市にて、社会インフラや工事情報をインターネットを通じて公開し、建設会社のマーケティングや住民の安全情報として活用する実験が行われています。建設局として、この「工事設計書の情報提供」についてどう取り組んでいくか、今後の展望とお考えをお聞かせ下さい。

【2】シェアハウスについて

東京都内におけるシェアハウスについてお伺い致します。近年、新しい居住形態として急速に注目を集めているシェアハウスですが、防災や安全面において不安のある「脱法シェアハウス」の横行に伴い、国土交通省は本年9月に「事業者が入居者を募集し、自ら管理する物件に住まわせるものは建築基準法上の寄宿舎」とする通知を行いました。これを東京都の建築安全条例に当てはめると、狭く危険な脱法シェアハウスだけでなく、URが提供する団地の4LDKを4人でシェアするといった一般的なシェアハウスまでも規制の対象となる可能性があり、多くの居住者が住まいを失うことになりかねません。実際にシェアハウスに対して行政指導を行うのは基礎自治体ですが、現場からは「業者が仲介するシェアハウスと、血縁家族が暮らす住まいに明確な線引きは難しい」「一戸建てを転用したシェアハウスに空地などないし、作れというのも困難だろう」と言った声もあると聞きます。そこで、以下の3点をお伺い致します。

(1)
国土交通省の通知に基づき、東京都建築安全条例を満たさないシェアハウスがいくつ都内に存在するのか、実態を把握されているのか教えて下さい。把握していない場合、今後の調査予定や進捗状況をお聞かせ下さい。

(2)
厳格に国からの通知と東京都建築安全条例を現状に当てはめることはほとんど現実的ではなく、東京都が独自に適切な条例改正を行うことや、国に対してシェアハウスの基準を改めて定めてもらうための働きかけが必要になるかと思います。狭く危険な脱法シェアハウスとは異なり、家族が数人で暮らしているのと同様の環境下で行われているシェアハウスには一定の配慮が必要かと思いますが、これに対する法整備について東京都の現時点での見解を教えてください。

(3)
仮に現状に則した法整備が行われない場合、現実に存在するシェアハウス用の住居や住人に対して基礎自治体と連携して今後どのような対応を行っていくのか、指針をお聞かせ下さい。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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