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自らの能力低下を証明する「多選自粛破り」政治家は、個人的にはやっぱりダメだと思う

日々のこと

真夏の選挙というのは本当に見てるだけでも辛い過酷なイベントなのですが、
7月23日(木)から17日間に渡る埼玉県知事選挙がスタートしました。

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17日間の選挙戦スタート!告示日第一声全文掲載(埼玉県知事選特集)
http://article.go2senkyo.com/2015/07/23/7338.html

私の住んでいる&選出されている東京都北区は

「ほぼ埼玉」
「埼玉の植民地」
「え、北区赤羽って埼玉じゃなかったんですか?!

などと言われるだけあって(オイ!)埼玉県民の知り合いも多く、
誰に投票すればいいのか聞かれることも多くなっています。
なので本日はこの点について、筆を取りたいと思います。

自ら制定の多選自粛条例、破る形で4選出馬意向
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/20150524-OYT1T50085.html

もちろん政策論争も大事ですが、今回の埼玉県知事選挙の
最大の争点は、現職である上田候補が11年前に自ら制定した
「多選自粛条例」を破って(無視して)4選目の出馬を決めたことです。

「多選による実害を聞いたことがない。心構えの問題だ」

と言い切る上田候補ですが、そもそも埼玉県知事選挙がこんな時期はずれに行われているのは、
長期政権を築いた前知事の土建絡みの汚職が判明し、失職に追い込まれたことにあります。

その後の選挙で上田氏は「多選による県政停滞と腐敗を防ぐ」との
クリーンなイメージと公約を掲げて当選し、今までの実績を残してきたわけですね。

上田氏といえば、どちらかといえば改革派のイメージを持たれる、実績十分の首長です。
信頼できる何人かの埼玉県内の地方議員に連絡を取って聞きましたが、

「多選自粛破りについて思うところはあるが、上田氏しかない」

と言う方が多く、実際に彼の陣営に入って選挙活動を行っています。
そんな仲間たちに申し訳ないのですけど、結論から言えばやはり私は、
政治家による「多選自粛破り(公約破り)」はナシだと思います。

よって、上田知事に投票すべきではないと考えます。
以下、その理由についてです。

上田前知事は、極めて優秀な政治家です。
そして優秀がゆえ、未来に起こりうる事態を冷静に見抜いていたのだと思います。
すなわち、

「人間は、権力に執着し、腐敗するのだ」
「自分ですら、どのように心変わりするかわからない」

そのように考えていたからこそ、
未来の自分への「贈り物」として、多選自粛条例を仕掛けておいたのです。

後人が育っていないから、支援者に求められたから、
最後は有権者が決めることだから…甘い誘惑はいくらでも襲いかかってきます。

その時に彼は、この「贈り物」によって、そのすべての誘惑を跳ね除けられるはずでした。
この先見の明は、本当に素晴らしいものだったと思います。

ところがあろうことか彼が跳ね除けたのはなんと、そうした誘惑の数々ではなく、
過去の自分がわざわざ残してくれていた「贈り物」の方だったのです。

この一点において、彼の政治家としての判断能力は、
11年前より確実に低下していることが証明されたと言えるでしょう。

政治の最も大事な仕事の一つは、決断をすることです。
その時その時の判断能力は極めて重要になります。

高齢ということもありますが、自ら「判断能力が低下している」ことを示している政治家に、
次の大切な県政4年間を預けられるのでしょうか…

私が県民なら、その判断はできないし、しないと思います。

加えて政治情勢的に申し上げれば、多選自粛条例を改正せずに上田氏が立候補したことは、
議会軽視とも取られかねず、当選後も議会と対立関係が生じる可能性が指摘されています。
まさに「多選の弊害によって県政が停滞する」かもしれないわけですね。

何よりやはり政治家は、言葉で生きている存在です。
自分との約束を守れない人間に、果たして他人との約束が守れるのか?
というのが、皆さまが一番重く感じている点ではないでしょうか。

以上は、あくまでお隣の都道府県のいち地方議員の所見です。
長い県知事選、これからは政策論争が深まろうかと思います。

様々な選挙サイトや候補者陣営が発信する情報を参考にしながら、
ぜひ埼玉県民の皆さまには選挙に足を運んでいただきたいと思います。

全国最低投票率の返上なるか!?投票率と上田知事の得票推移(2015埼玉県知事選特集②)
http://article.go2senkyo.com/2015/07/21/7228.html

目指せ、全国最低投票率の返上!!
それでは、また次回。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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