「地方議員のくせに、海外視察なんて行く必要ありません」
「もちろん自腹ですよね?税金で海外なんて、ありえない!」
今回の海外視察につきまして、このような厳しいご意見も複数いただきましたので、
これについての私の見解を今日は述べておきたいと思います。
欧州視察についての過去記事はコチラから。
http://otokitashun.com/tag/2015%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E8%A6%96%E5%AF%9F/
まず前提として今回の視察ですが、「議会公務」ではなく政党の「党務」です。
なので、お金の出処は政党および私の持ち出しということになります。
とはいえ政党の活動費として国会議員が拠出している歳費も、政党助成金も、
そして私自身の議員報酬も元をたどれば税金であり、そういう意味では
「税金で海外視察に行った」という事実に間違いはありません。
都議会議員が税金で海外視察に行った。これが果たして適切なのかどうかは、
結論から言えば、皆さまの審判を仰ぐしかないものです。
私自身はもちろん、今回の視察は必要性が十分にあり、
皆さまにその学びや経験を共有することで還元が可能で、
また自分自身の今後の政治活動・議会活動に反映していけるものと確信しています。
■
「政治」というのは、非常に多岐に渡る分野です。
何一つとして無関係なものなどない、と言ってしまってもいいでしょう。
「地方議員ごときが、海外に行く必要はない」
とは単純に言い切れませんし、実際に活かせる部分が多々あります。
しかしその一方で、「何でもアリ」がゆえに適当な口実をつけて、
ほとんど観光旅行のような視察に出かけてしまう議員がいることも事実です。
以前には都議会でも議会公務で海外視察に言った都議たちが
「コピペ報告書」を提出したことがあり、こうした事実の積み重ねによって
海外視察に厳しい目が注がれるのは仕方がないことでしょう。
民主都議「パクリ」報告書 その「苦しい釈明」
http://www.j-cast.com/tv/2008/09/05026302.html
>この旅行、10日間で765万円、1人あたり191万円で、ツアー関係者に聞くと「かなり高い。エコノミーで10人のツアーなら40万円」。大沢都議は「幹事長におしかりをうけまして、ほうれんそう―報告、連絡、相談をしっかりさせたい」
※
議会公務で海外視察に言った場合、議会に報告書の提出が義務付けられています。
もちろんこれに関わる費用は全額、議会局予算=都民の皆さまの税金です。
我々は今回ほとんどありませんでしたが、特に「市内視察」などの予定表だけを見ると、
観光ツアーで巡る場所と大差がないことは事実かもしれません。しかしながら、
市内視察であっても議員が「政治・行政的な視点」を持って現地スタッフやガイドに、
「上下水道などのインフラ整備はどうなっているのか」
「建物を建てる際、容積基準や制限などはあるのか」
「再開発に対する住民感情と、その対応策は」
などの質問・リサーチをしっかりと行えば、
単なる物味遊山ではなくきちんとした「視察」に変化します。
それがなければ、本当に単なる観光旅行です。
そして勿論、なにより大事なのはそうして持ち帰った知識や経験を
議会での質問や討論に活かして政策実現を推し進めていくことでしょう。
予定表や上辺の報告書を見るだけではその視察の意義は判断できず、
どこまでいっても議員の資質と行動によって価値が左右されるものなのです。
■
その判断を有権者の皆さまにしていただくために、
絶対に欠かせないものが「情報公開」です。材料が十分になければ判断の前提すら満たせず、
皆さまの政治不信、海外視察=税金の無駄遣いという意識は払拭することができません。
そこで私は今回、まだまだ不十分かもしれませんがブログは毎日更新し、
元気会の公式TwitterアカウントではPC&ネット環境のある会談すべてで
リアルタイムに文字起こしをして中継を行いました。
国政のみならず、直接民主主義の仕組みは都民の政治参加を促進する政策に、
また電子行政の取り組みはさらに直接的に都議会の質問に繋げられると考えています。
発信した情報それ自体が、都民にとっても少なからぬ価値があったとも自負しています。
繰り返しになりますがあとは、有権者の皆さまのご判断です。
それでも私の行動が「税金の無駄遣いだった」というご意見はあるでしょうし、
そうした批判は甘んじて受け入れ、次回の選挙で審判を受けるしかありません。
地方議員の海外視察って意味あるの?と感じることは多いけれど、こうして分かりやすくオープンに報告してくれると、非常に勉強になり意義深いです。: スウェーデン人「我が国でも低投票率は問題です。若者は70%しか選挙にいきません」我々「」 http://t.co/L70No9R6M7
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 5月 6
厳しい意見の一方で、
このように評価していただけるのは本当に嬉しいことです。
皆さまを代表して、貴重な財源を使って海外視察に送り出していただいた。
その気持ちを忘れずに、政治や東京都がより良くなるように
今回の経験を議会質問・政策実現に活かしていく所存です。
以上、海外視察に対する私のスタンスについてご参考まで。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
twitter @otokita
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Tags: 2015欧州視察