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中道改革連合の「言論封殺」主張は的外れ――国会ルールを守ることが議会制民主主義の基本だ

日々のこと

今週、国会で少々騒がしい出来事がありました。私もテレビの収録現場でその余波をもろに受けた一人ですが(苦笑)、せっかくなのでこの問題について整理しておきたいと思います。

■ そもそも何があったのか

今週の参議院本会議は、デジタル行政個人情報保護法に関連する法案を審議するものでした。つまり、所管は総務大臣やデジタル庁であり、防衛大臣は本来出席する必要がない場です。

ところが中道改革連合が「防衛装備品の移転(武器輸出)問題について小泉防衛大臣に質問したい」と主張し、大臣の出席を求めてごね続けた結果、本会議の開始が遅延するという事態になりました。

議員運営委員会では、自民党・維新・国民民主・チーム未来など与野党の代表が「さすがに議案と無関係の防衛大臣を呼ぶのはおかしい」と合意していたにもかかわらず、です。

■ 「言論封殺」という主張は成り立つのか

この件を受けて、立憲民主党の重徳国対委員長が「質問権の制約であり、言論の自由を踏みにじるものだ」とコメントを発表しました。

重徳さん個人は良識的な方だと思いますが、今回の件についていえば、この主張は的外れだと言わざるを得ません。

理由は明快です。

①議案との関連性がない デジタル・個人情報保護法を審議する本会議に、なぜ防衛大臣が出席しなければならないのか。質問したいテーマと議案がまったく噛み合っていません。

②与野党合意のプロセスを経ている 一方的に政府側が「答弁しない」と決めたのではなく、議員運営委員会という正式な場で与野党合意のうえで決定したことです。これを「言論封殺」と呼ぶのは、プロセスへの冒涜ではないでしょうか。

③午前中の委員会で質問できた その日の午前中には安全保障委員会が開かれており、小泉防衛大臣も出席していました。武器輸出について大臣に質したいなら、そこで十分できたはずです。

■ 「絵を撮りたい」だけの国会質疑はもう通じない

結局のところ、本会議や予算委員会のようにテレビカメラが入る「目立つ場」に著名な大臣を呼びつけて追い詰める絵を撮る――これが野党の「定跡」だった時代は、正直なところもう終わっていると思います。

そのために国会審議が遅延し、官僚やスタッフに余計な負担をかけ、大臣が本来の公務に集中できなくなる。こうした光景を見て、有権者の気持ちが離れていくのは必然でしょう。

河野太郎議員が「こんなことを続けたら大臣が国会に貼り付けになって他の公務ができなくなる」と強い言葉で批判しているのは、まさにその通りだと思います。

■ 撤回と、建設的な国会運営へ

今回の件については、「質問権の制約」「言論の自由の侵害」という発言は撤回されるべきではないでしょうか。

中道改革連合には、議案と関係のない大臣を呼んで質問するという手法を改め、委員会など本来の場でしっかり政策論争を展開していただきたいと思います。それが結果的に、自分たちの評価にもつながるはずです。

国会改革を進めたいのは維新も同じです。だからこそ、旧来型の「国会劇場」的手法には、与野党を問わずきっぱりノーと言い続けなければならないと考えています。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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