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都営住宅の偏在が、地域間の格差を助長する?!住まいと入居者を巡る悩ましい問題

日々のこと

本日は「東京都住宅政策審議会」に委員として参加してきました。

写真

東京都住宅政策審議会
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_kcs/810-00-0juuseisin.htm

東京都などの行政はこうした有識者が集まる「審議会」をたくさん持っています。
動物愛護審議会や情報公開推進審議会など課題毎に様々な分野があり、
都議会議員はだいたい一人あたり2~4つくらいの審議会にアサインされます。

そしてこちらは文字通り住宅政策を有識者が検討する会議体なのですが、
空き家対策から耐震工事、老朽化したマンションの管理体制まで議題は多岐にわたります。

その中のメイントピックの一つが、
以前から私が政策提言をしている「都営住宅」について。

都営住宅の倍率、数百倍。一方、都内の空家は75万戸以上…
http://otokitashun.com/blog/daily/3230/

上記の記事でも指摘していますが、
都営住宅は極めて流動性が低く、市場原理を歪めるなど非常に問題が多い状態です。

私は本日の審議会でもこの点に言及し、
いわゆる「箱モノ」での住宅補助にはもはや限界があり、
海外の事例なども多角的に研究した上で「住宅バウチャー」導入を検討することを提言しました。

すると、同じく委員として出席していた
渡部東村山市長が、都営住宅の問題点について興味深い指摘を重ねて下さいました。

●都営住宅は23区なら城北・城東エリア、市部なら多摩・国分エリアに集中している
●現実問題として都営住宅の入居者は、生活困窮者・高齢者・障害者が多数を占めている
●こうした都営住宅を多く抱える基礎自治体は、その方々の社会保障対応を負担することになる
●東京都は広域自治体として、基礎自治体の負担も考えて都営住宅の偏在をコントロールする義務がある

なるほど…
確かに「基礎自治体の負担や格差」という観点は、今まで私にはありませんでした。
市長はかなり言葉を選んでいましたが、言いたいことは非常によくわかります。

言い方は難しいのですが、こうした「一定の支援が必要な方」を集積してしまう
都営住宅という存在は、やはり段階的に是正していく必要があります。

基礎自治体として欲しいのはやはり「働き盛りの世代」「消費旺盛な子育て世代」であって、
都営住宅にはそうした人を受け入れる土壌であって欲しいと思っているわけです。

東京都も都営住宅の入居条件として、
年齢制限や家族構成を限定する募集を始めていますが、
現時点で多くの高齢者・生活困窮者が移住している以上、一朝一夕の解消は不可能です。

他の委員からも

「東京都の住居の9割は民間所有。これを活用していく政策を考えるべき」

という意見が出ておりましたし、
やはりこの起爆剤となる選択肢の一つは住宅バウチャーではないでしょうか。

…本日の私の意見に関しては、事務局からスルーされて回答をもらえなかったので(苦笑)、
引き続きこの件は議会などで提言を続けていきたいと考えております。
またこの審議会では他のテーマでも、

「私有財産であるマンションの管理運営に、行政がどこまで指導力を発揮するべきか」

というなかなか政治的に深淵な課題もあって興味深いと思いますので、
こちらも折を見てまた紹介していければと思います。
(ああ、今週は本当にブログを書く時間がない。。)

皆さまにも直結する「住居」「住まい」の問題。
何かご意見がありましたら、ぜひ忌憚のない意見を議員や東京都にお届けください。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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