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全席有料の東京湾花火大会で考えた、「街の花火」は誰がお金を払うべきか

• 日々のこと

昨日、東京湾大華火祭が11年ぶりに開催されました。2015年を最後に休止していたもので、中央区政80周年・港区政80周年の記念事業としての復活です。 yahoo

今回の最大の特徴は「完全チケット制」です。観覧料金はエリアや見え方によって5000円から1万円で、区民向けの割引制度も設けられました。 yahoo

歩道などで立ち止まって観覧することはできないルールで、無料の穴場は公式には存在しません。 tokyo-hanabi-festival

当日はあいにくの雨でした。SNSでは「雨でほとんど見えない」という声と、「音は大迫力だった」という声が入り混じっていたようです。 yahoo

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なぜ全席有料になったのか。主催者側の事情にも理由があります。

晴海の主会場が選手村を経てマンション群「晴海フラッグ」になったこともあり、収容者数は前回の約16万9千人から約11万人に減っています。以前のように広場に人を流し込むことは、物理的にできなくなりました。 yahoo

そのうえで、全席有料にはきちんとしたメリットがあります。

一つ目は、来場者数を事前に確定できることです。群衆事故は人数が読めないところで起きます。何人来るか分かっていれば、導線も警備も設計できます。

二つ目は、受益者負担の考え方と整合することです。花火を見る人がその費用を払う。税金で全員に負担を求めるより、筋は通っています。

三つ目は、場所取りや居座りといった、毎年のトラブルが原理的になくなることです。

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一方で、デメリットも小さくありません。

まず、見ない人への影響が非常に大きいことです。首都高晴海線・台場線の出入口閉鎖に加え、晴海大橋・豊洲大橋・レインボーブリッジなどの歩道も通行止めになりました。

江東区内では会場や導線に隣接するシェアサイクルのポートまで終日利用停止です。

チケットを買っていない住民も、生活上の制約は等しく受けます。

次に、「見せないためのコスト」がかかることです。花火は空に上がります。見えてしまうものを「立ち止まって見るな」と規制するには、相応の人員が必要です。

全席有料は、警備を減らす仕組みではありません。むしろ警備の質を変える仕組みです。

そして、花火大会の性格そのものが変わることです。浴衣で歩いていたらたまたま見えた、子どもがベランダから見上げた。そういう「街の花火」の良さは、チケット制とは相性がよくありません。

雨天でも開催されれば、高いお金を払って「音だけ」になるリスクもあります。今回、荒天時は中止で順延なしという条件でした。

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では、無料のままで続ければいいのか。そう簡単でもありません。

全国では花火大会の中止が相次いでいます。共同通信の集計では、2026年に中止となった大会は11。5年間で規模を縮小した大会は48にのぼります。 sakigake

理由ははっきりしています。主催団体への調査では、開催費用がこの1年でさらに23%上がり、費用増の要因として最も多かったのは「警備コスト」(70%)でした。 sakigake

多くの大会は地元企業の協賛金で成り立っており、その資金も集まりにくくなっています。 sakigake

その結果、有料席は急速に広がっています。主要106大会のうち約8割が有料席を導入し、その半数超が今年値上げしました。 dime

つまり、地方の町おこし花火は「有料化しなければ続かない」、都市部の花火は「有料化すると街の花火でなくなる」。同じ構造の問題を、違う側から見ているわけです。

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私は、全席有料か全面無料かの二択で考えないほうがいいと思っています。

例えば、収容に余裕がある場所では無料エリアを残す。高額のプレミアム席で収益を稼ぎ、一般席は安く抑える。ふるさと納税やクラウドファンディングで、地域外のファンにも負担してもらう。

実際、入場料を数千円に下げる一方、最も見やすい席ではふるさと納税の活用などで5万円以上のプレミアム席を設ける大会も出てきています。 mynavi

公費を入れるなら、何のための花火かを説明する責任があります。観光客を呼ぶためか、住民の楽しみのためか。目的によって、誰に払ってもらうべきかは変わります。

住民に交通規制という負担をお願いするなら、区民割引などの還元策はセットであるべきでしょう。今回その仕組みがあったのは評価できる点です。

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今回は中央区と港区の共催で再開にこぎ着けたものの、次回以降は未定とのことです。 yahoo

続けるのであれば、来場者数、収支、規制による影響、住民の声。今回のデータを公開して、次の設計に活かしてほしいと思います。

11年待った花火です。一回きりの記念事業で終わらせるのは、もったいないですね。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 43歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」

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