次の世代に希望をつくる

チームみらい「所得連動型給付」への批判は正しいか。給付付き税額控除の本来の姿

日々のこと

チームみらい「所得連動型の給付を」 年収540万円以下を対象に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA221JY0S6A520C2000000/

チームみらいが「所得連動型給付」を発表。消費税減税に反対してきた立場からの対案とのことだが、SNS上では「高齢者優遇では」との批判が殺到しています。

この議論を整理しつつ、給付付き税額控除(EITC型)の本来のあり姿についてお伝えしたいと思います。

チームみらいの発表内容は、いわゆる「所得連動型の現金給付」です。

所得が低いほど手厚く、最大6万円。540万円を超えると給付額がゼロになるという設計で、「なだらかに逓減する」ことでいわゆる働き損・勤労控除のクリフエッジを回避しようという工夫も見られます。

狙いは理解できます。ただ、根本的な問題があります。

現行の「所得で線引き」という仕組みを使う限り、資産を持つ高齢者にも給付が流れてしまいます。

年金暮らしで所得は少ないが金融資産は数千万円、という方々が「低所得者」として対象になってしまうのは、ずっと以前から指摘されてきた課題です。

その結果、540万円以下という基準で見ると、現役世代の共働きカップルより、資産のある高齢者の方が多く対象になるという逆説が生じます。

チームみらいの支持層が期待しているのは「若い現役世代への支援」のはずで、皮肉な話です。

むしろ、同じ財源を使うなら食品消費税の減税の方が、所得540万円超の現役世代にも広く薄く届きます。

子育て家庭は消費額が多い分、恩恵も大きくなります。「高所得者にも行くのは無駄」という批判はありますが、現状の所得把握の限界を考えると、広く薄くの方がまだ整合的です。

そして、もっと重要な話があります。

そもそも給付付き税額控除(EITC)という制度の本来の意義は、「給付と減税の組み合わせ」にあります。

マイナンバーを活用して所得と資産を正確に把握し、持てる人には納税を、持たない人には直接給付を——自治体を介さない、シンプルで持続可能な社会保障の再設計です。

これは確かに2〜3年かかります。だからこそ、その間のつなぎとして食品消費税の一時ゼロを、という整理が当初の議論の筋道でした。

ところが今、国民会議の議論は「時間がかかるから、とりあえず給付だけ先に」という方向に流れつつあります。

これは本末転倒です。時間がかかるから消費税を減税してつなぐ、のであって、時間がかかるから本丸の制度改革を諦める、ではないはずです。

私としては、この「給付付き税額控除という本来の目標」を手放すべきではないと考えています。

目先の給付を急ぐあまり、「今の仕組みで高齢者にばら撒く」構造を温存してしまうことになれば、それは改革とは呼べません。

消費税の議論をまず決着させ、その上で時間をかけてでもしっかりとした税・社会保障の一体改革を実現する。

そのビジョンを維新としても引き続き主張していきたいと思います。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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