次の世代に希望をつくる

「議員年金を復活させよう」という立憲議員からのトンデモ提案について

日々のこと

>立憲民主党・吉田忠智議員(参院決算委員会):「国会議員の年金は2007年に廃止していますね。小泉内閣の時に勢いで廃止したんじゃないかと思って、今みんな後悔しているんじゃないかと思うんですね。私は国会議員の年金も是非復活すべきだと思っています」——そう呼びかけると議場内には笑いが起きた。

5月13日、参議院の決算委員会で、立憲民主党の吉田忠智議員がこんな発言をしたことがニュースで取り上げられています。

決算委員会は時に総理大臣も出席する格式の高い委員会です。その公的な場で、こんな発言・政策提言が飛び出したことに、私は率直に言って怒りを覚えています。

私の結論から申し上げます。国会議員の議員年金復活は、論外です。

かつて存在した国会議員互助年金がどれほど特権的な制度だったか、改めて数字で確認しましょう。

  • 受給資格:在職10年
  • 掛金:年間約126万円(月約10万円強)
  • 受給額:10年在職で年額412万円。さらに在職1年ごとに年額約8万2千円ずつ増額(上限は在職50年)
  • 公費負担:給付費の約70%が税金で補填

月約10万円の掛金を10年払い込むと、年間412万円が受け取れる。約3年で元が取れる計算です。サラリーマンの平均年収がそのまま毎年振り込まれてくる、と言えばその異常さが伝わるでしょうか。

そんな制度が成り立つわけがない。当然ながら、約70%を税金で補填しなければ維持できなかったわけです。

この制度は2006年4月、第3次小泉内閣のもとで廃止が決まりました。

「勢いで廃止した」とおっしゃっていましたが、私の認識はまったく逆です。議員特権として長年批判を浴び続けた制度を、ようやく廃止した——それだけのことです。

そもそも、国会議員は年収ベースで歳費・諸手当を合わせると2,000万円を超える待遇です。将来に備えて計画的に貯蓄する、NISAやiDeCoを活用する、そうした手段はいくらでもあります。

なぜ税金で70%も補填した、極めて有利な年金制度を提供しなければならないのか。

今この瞬間、インフレと社会保険料の重さに苦しんでいる現役世代がいます。国民年金で老後を迎える自営業者や農家の方々も大勢います。

そうした方々と同じ土俵で努力もせず、「議員年金を復活させよう」などという議論を国会の場で持ち出すことが、いかにセンスのないことでしょうか。

地方議員の年金についても少し触れておきます。

成り手不足解消のために地方議員に年金をという議論は、国会議員の議員年金復活論よりはまだしも理解できます。ただ、こちらも厚生年金的な制度を設ければ、事業主負担にあたる半分は当然ながら自治体=税金です。

国民年金で老後を送っている自営業者は全国にたくさんいます。年金がないから成り手が集まらないという論理は単純すぎますし、年金を復活させれば成り手不足が解消するという根拠もありません。

原因と解決策がずれているのではないでしょうか。

今、国会議員がやるべきことは何か。

年金制度そのものの抜本改革であり、現役世代が苦しんでいる社会保険料負担の引き下げです。

その議論をそっちのけにして、自分たちの年金復活を国会の質疑で取り上げる。私はこの発言と、それを許容している立憲民主党の姿勢を、強く批判したいと思います。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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