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年金制度の擁護根拠となっている「財政検証」は疑問だらけの代物である

日々のこと

本年3月に国会に法案が提出される見込みとなっている年金改革関連法案。徐々にその全容が明らかになりつつあり、SNS上でも大きな議論となっています。

政府与党や厚労省側の言い分については、たかまつななさんが平易な言葉でまとめて下さっており参考になります。たかまつななさんの真摯な態度には心より敬意を表します。

たかまつななさんは彼女なりの視点からしっかりと考え方を述べており、意見は異なれど過度に強い言葉で批判を浴びせることは慎むべきです(Xは過激…)。

そのうえで、私の考えの一端をいくつか以下に述べておきます。

・そもそもの厚労省による年金財政検証への強い違和感

たまかつ氏に限らず厚労省の方針や今の年金の強度を擁護する人たちは、昨年発表された厚労省による年金財政検証のデータを論拠にしているのですが、この財政検証は信用に足らないと考えています。

出生率が今より上がる想定になっていたり、外国人比率が10%を超える試算がされていたり…「結論ありき」と言われても仕方ないデータの作り方です。

また5年前とシナリオフォーマットの統一がされておらず、敢えて比較されにくくしている・お手盛りシナリオに誘導しようとしていると勘ぐりたくもなります。

年金財政の未来は、厚労省が公表しているものよりずっとシビアになるものと考えられます。

・標準報酬月額を「健康保険に合わせる」論への違和感

今回の保険料引き上げは、健康保険料に比べて等級設定が緩やかだったものを是正するだけだという主張は首肯しかねる部分です。

現在の厚生年金の設定は「高額所得者・事業主の保険料負担に配慮する」とされてきたもので、これまで現役世代や事業主の負担を抑えるために「敢えて」配慮して設定してきたわけですよね。

その配慮を年金財政維持のために捨てるということは、いずれにしても負担増にほかならず、これまでの自分たちのロジックを捨てて現役世代への負荷に転嫁することにほかなりません。

結局、お金が足りなくなれば今の制度に手を入れて、ロジックを変えて現役世代の負担を増やすのだという印象がどうしても拭えません。

他にも多様な論点はありますが、飛行機の時間が迫っているのでいったんここで筆をおきます。

春にも国会に提出されると言われている年金改革法案について大きく世間の注目が集まり、現役世代を中心として建設的な議論が行われ、社会保障制度改革の口火が切られることを期待したいと思います。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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