こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
今日はあさイチで大きなニュースが流れてきました。
東京都 高校授業料の実質無償化で所得制限を来年度から撤廃へ
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20231205/1000099778.html
>東京都は、子育て支援を充実させるため、高校の授業料の実質的な無償化を目指したいとして支援策を拡充する方針を固め、現在、設けられている所得制限を来年度から撤廃する方向で調整しています。
>都内の高校の授業料について、現在、年収910万円未満の世帯年収を目安に、都立では、国の支援で無償化されているほか、私立については、都が、国の支援に上乗せして都内にある高校の授業料の平均にあたる47万円余りを上限に助成するなどの支援を行っています。
高校授業料支援の「所得制限撤廃」の波がついに東京都にも届きました。
選挙を控えての対策という側面は否定できないとはいえ、これは東京都知事・東京都の決断を是々非々で高く評価したいと思います。
政府与党も子育て支援に細かな税制改正を検討しているようですが、大胆に教育を無償化することに勝る策はありません。
この流れをぜひ全国展開すべく、国政からも改めて提案していきたいという思いを強くしています。
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大阪、そして東京と矢継ぎ早に高校授業料支援の所得制限撤廃、東京都で言うところの「実質無償化」が進むわけですが、大阪と東京の手法には違いがあります。
それぞれに一長一短があるもので、簡単にその違いと特性をまとめておきたいと思います。
大阪における政策の特徴は、いわゆる「キャップ制」と言われるものです。
私学側と協定を結び、授業料を助成金の範囲内に収めてもらうことで、保護者側に自己負担を認めない制度設計になっています。
よってすべての私学が協定に参加してくれれば、自己負担の生じない「完全無償化」が実現するわけですが、デメリットもあります。
自己負担を認めずにキャップをかけるわけですから、統制経済になって価格の自由競争が失われ、私学の個性を奪うのではないか・教育の質が低下するのではないかという懸念が指摘されています。
また、大阪府が決める助成金の金額を巡って、激しい政治闘争が行われることも予想されます。
加えて、大阪の高校がすべて協定に参加したとしても、助成金のベース金額が異なる近隣の自治体にある高校がこの制度に加入するかしないかで、同じ大阪府民でも保護者・生徒側に不公平が生じる可能性があり、京都や和歌山で調整が続いています。
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一方で東京都の手法は、単純にいま実施している47万5千円の助成金における所得制限を解除して、すべての都民に支給するというものです。
あくまでこの助成金の金額は都内授業料の平均値から算出されたもので、これですべての私学の授業料を賄えるわけではありませんが、多くの学校の授業料はカバーできるので「実質無償化」と東京都は謳っています。
こちらの制度では、はみ出た分は保護者負担になるため、自由競争が失われるというデメリットは生じません。他の自治体に通う保護者・生徒にも支給されるので、不公平な状態が生じることも回避できます。
一方で、あくまで自己負担が残るので「完全無償化」には至らないこと。
そして何より、出産育児一時金と同様、この助成金が拡充されることで授業料が上がっていくことが予想されます。
授業料が上がった結果、これまでは無償で授業を受けていた低所得者層に負担が生じる可能性もあり、このあたりは制度施行後の実態をよく調査していく必要があります。
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このような一長一短はあるものの、各地域がそれぞれ独自の視点から制度を構築し、切磋琢磨していくことは私は素晴らしい善政競争だと思います。
こうした地方の動きを受けて、国も教育無償化を全国展開する動きをいよいよ始めるべきです。
その際にはこうした先行事例のメリット・デメリットをしっかりと検証し、より100点に近い制度を構築していく必要があります。
まさにいま維新の会・国会議員団の中でそうした制度設計や理念について活発に議論を行い、まとめに入っている最中です。
皆様にできるだけ早くその制度設計図をお見せできるよう、引き続き努力を重ねてまいります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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