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維新・国民版LGBT法案「性多様性理解増進法案」を提出。懸念を払拭して議論を前へ

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

予算委員会質疑に党政調会と慌ただしい1日でしたが、昼には国民民主党と共同で維新・国民版LGBT法案「性多様性理解増進法案」を提出しました。

維新・国民 LGBT独自法案を提出 与野党で異なる表現を英訳
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230526/k10014079211000.html

性同一性・性自認を「ジェンダーアイデンティティ」に置き換えた点に注目が集まりがちですが、その他も非常に重要な修正点です。


【前提】
自民党・公明党案のLGBT理解増進法案がベース

【修正点①】
法律の定義語を 性同一性の文言を「ジェンダーアイデンティティー」に


性同一性・性自認はどちらも「ジェンダーアイデンティティ」の訳語であり、法的な意味は同じとされているにもかかわらず、これまでの経緯などもあり、それぞれ政治的な意味合いを持ち対立軸になってしまっています。

そこでいっそこの定義語を「ジェンダーアイデンティティ」とそのまま訳さず使うことで、多くの方々から理解・賛同を得る狙いです。

なお、ジェンダーアイデンティティは国際共通語であり、G7サミット等でも公式に日本語訳としてそのまま使われています。

法制局と最後の調整をする中で、これまで前例はないが法技術的には問題ないとの見解を得て、この結論に至りました。

【修正点②】
第一条「目的」の部分に「性多様性への理解が十分ではない」ことを明記し、法案の趣旨をさらにはっきりさせる

「差別の濫用」に焦点があたりがちですが、この法律は理解増進が目的です。そこをよりはっきりさせる。

理解が進んでいないからこそ、何が差別にあたるかも人それぞれとなってしまう。それゆえに後段に出てくる差別は「不当な差別」と表現することで客観性を持たせる。

条文修正を加えたことで、この論理構成が明確になったと思います。浅野議員の発信もご参照ください。

【修正点③】
教育については「保護者の理解・協力を得る」「心身の発達に応じる」ことを追記

性多様性への普及啓発・教育は重要ですが、他の先進国ではそのタイミングや内容について、保護者と摩擦が起きる事例が報告されています。

保護者の理解がないからこそ…という想いは理解しますが、やはりそこは無視して良いものではなく、理解を得ながら丁寧に進めていくことが重要であり、その点を法律に明記しました。

【修正点④】
「民間団体等の自発的な活動を促進」部分を削除

前提、民間団体の活動やご努力を否定するものではまったくありません。連携・協力していくことが必要な場面も多々でてくるでしょう。

ただ、多くの団体は穏健に活動をされている反面、現状からするとあまりにも先鋭的・過激な主張をもって活動している団体もあります。そうした団体にまで「自発的な活動を促進」して良いものかどうか。

元の条文は国や地方公共団体が補助金を民間団体に支給することも前提とされていると思われますが、その選定を適切に行うためにはまずは国・地方公共団体やその職員も理解を深めることが必要で、現段階では時期尚早と判断し、削除をしました。

【修正点⑤】
この法律の措置等にあたっては「すべての国民が安心して生活できるよう留意」する条文を新設して追加

ここが最大のポイントです。男女別トイレや男女別スポーツにおける性多様性のあり方について、懸念の声が多くあがっています。

元よりこの法律は、そうした場面で身体的区別を超えることを容認するような内容ではありませんが、そこをよりはっきりさせる。「すべての国民の安心」に留意するならば、男女別スポーツなどで身体的な区別は必要です。

「少数者が多数者に配慮する内容だ」との批判もありますが、まったくの誤解です。少数者も含めた「すべての国民の安心」が目指すべきものであり、そのための合理的措置が進んでいくことをこの条文をもって明確化しています。

性的少数者や性多様性についての立法措置が早急に必要である点について、我々の姿勢は変わっていません。

しかしながら、人権などの根幹に関わるものについては、できる限り多くの国民の理解を経て立法する必要があります。

そうした観点から、この私たちの維新・国民案はすべての人にとって100点満点とはならないものの、より多くの方に納得していただけるものにできたと自負しています。

来週以降の国会で具体的な審議に入れば、その場で積極的かつ建設的に議論をリードしていきたいと思います。

記者会見の全編もぜひ御覧ください!

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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