こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
本日は外交防衛委員会、防衛省職員(自衛隊・自衛官などを含む)給与法案について審議が行われ、本年はこの改正案に維新としては「賛成」いたしました。
例年、我々は給与改定法案には、「引き上げ」「引き下げ」にかかわらず一貫して「反対」をしてきました。
公務員給与増減の基準となっている「人事委員会勧告」の官民給与比較の調査方法が恣意的であること。なかでも公務員給与の引き上げ改定の場合、十分な行政改革を行うべきであること等がその理由です。
とりわけ自衛官の給与については、他の公務員と同様に、基本的に民間給与との比較に基づいた人事委員会勧告によって定められていますが、特殊な任務を持つ自衛官の待遇が民間給与や経済状況で左右されるシステムは大きな問題です。
委員会の質疑でも述べさせていただいたように、自衛官の役割が一切変わらないにもかかわらず、民間の経済状況によっては待遇が下がるという自衛隊の給与のあり方は、根本から見直しをする必要があります。
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さらに、自衛官の手当については、安全保障法制の整備に伴い、自衛隊に新たな任務が追加されたことを受けて、正当な処遇のために新たな手当を導入すべきであるところ、そもそも防衛出動手当が導入されて十九年経過した今も、手当額にかかわる政令が未制定という現状です。
これは政府の怠慢であり、一刻も早く対応をするべきです。
そこで日本維新の会は、政府に自衛官の給与の体系その他の給与の在り方について検討し必要な措置を講ずること、及び防衛出動手当の額を定める政令を制定することを主旨とする議員立法をこれまでも参議院に提出してきました。
防衛出動の手当額決定を 維新、給与法改正案提出
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA26AU60W2A021C2000000/
そして本年は、政府案への対案として独自の議員立法を先議である衆議院に提出し、同時に審議入りしていただく手続を進めてきた経緯があります。
残念ながら維新案については審議していただくことは叶いませんでしたが、維新案の骨格である
「政府は自衛官の給与体系、処遇改善、その他質の高い人材の確保のための給与の在り方などの検討を加え、もって自衛官がさらに意欲と誇りをもって職務に従事できるよう、早急に必要な措置を講ずること。」
という文言が衆議院の附帯決議に入ったことは一歩前進です。
北朝鮮による度重なるミサイル発射やウクライナ危機、中国共産党の為政者による、「台湾の統一に武力の選択肢を放棄しない」旨の宣言等、日本を取り巻く安全保障環境が激変してきたという経緯。自衛隊のなり手不足の深刻化。
抜本改革が不十分という点ではなお懸念は残るものの、自衛隊員の処遇改善に資するものとして、党内における活発な議論を経て、本年は「賛成」票を投じることにしたものです。
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以上をまとめますと、
・政府法案への対案を、審議に入る事前のタイミングで提出した
・審議入りはならなかったが、結果、附帯決議を獲得することができた
・安全保障環境や自衛隊待遇を取り巻く状況は切迫度合いが高まっており、本年は内容としては処遇改善に資する内容であった
等が反対→賛成に転じた主な理由になります。もちろん、党内には対案を出した上で、原理原則を重視して反対票を投じるべきだという意見もありましたが、政治判断としてはどちらもありえたと思います。
いずれにいたしましても、自衛隊・自衛官の待遇改善を推めることが最重要です。自衛官の防衛出動手当については
「検討を深化させている」
などの答弁が浜田防衛大臣からもありましたが(…)、検討ではなく実行を引き続き強く政府与党には求めてまいります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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