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PCR急進拡大派VS穏健派?PCR検査と政治思想(保守・リベラル)に感じる親和性

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

PCR検査について、今日も「急進拡大派VS穏健派」ともいうべき議論・対立構図が続いています。

【以下、私の定義】

PCR急進拡大派:
とにかくPCR検査を諸外国並(?)に1日数万~数十万件に引き上げることを優先する。感染拡大が止まらないのはPCR検査を拡充しないことが主な原因であると考えている

PCR穏健派:
PCR検査を拡充していくことは重要ではあるが、無差別に拡充することは限界やデメリットもあり、あくまで感染拡大防止策の一つとして捉えている

私はPCR穏健派の考えを取る人間ですが、周りの議論を見ているといわゆる左派・リベラルと呼ばれる方には急進拡大派が多く、右派・保守と目される方に穏健派が多い印象です(なお私も中道右派を自認する立場)。

右・左、保守・リベラルという区分けは時代遅れという声はあるものの、私はまだ考え方を整理・分類する上で一定程度の意味はあると思っています。

それはエドモンド・バークから始まる保守思想、変革というのは現実や歴史に立脚しながら暫時的に・徐々に行われるものであるという考え方と、観念的な理想を追い求めそれが実現可能だとするリベラル思想の違いというのは、PCR検査一つにしても現れていると感じられるからです。

左派・リベラルと言われる方々は、安全保障においても古くは「非武装中立」を唱え、戦力や安保法制などはなくても平和は保てると主張をしてきました。

そりゃ、武力を持たずに国土の安全を守れて、さらには世界平和にまで貢献できるのだとすれば、これほど理想的なことはありません。

しかし「現実には」そういうことがあるはずもなく、日本も一定のリスクやコストをとって安全保障政策を実施していく他はありません

PCR検査も、検査拡充のためのリソースが無限にあって、陽性と判断された人を確実に隔離・監視ができればコロナの封じ込めは可能かもしれません。

しかし「現実には」医療資源も財源(特に地方自治体)も有限であり、人権を制限できる諸外国と違い我が国には陽性者を確実に隔離・監視をする仕組みは存在しないわけです。

「単に検査拡充と言っているわけではない。もちろん検査と隔離はセットだ!」

と口ではいうものの、ではその隔離や監視をするために人権を制限する法改正に彼らは賛成してくださるのでしょうか?また、本当にそれをやるべきだと思っているのでしょうか?

あるいは逆に、指定感染症を外して隔離の必要はなくせば単純な検査拡充は可能かもしれませんが、それも選択肢として検討しているのでしょうか。

そこまで覚悟をもって踏み込むことなく、ただ「検査拡充で感染拡大は防げる」と主張するのであれば、やはりそれは安全保障と同様の「理想論」に過ぎないと私は感じます。

私は政府与党のコロナ対策を積極的に支持する立場にはありませんが、PCR検査ついては極端な拡充に舵を切らなかったことは間違っていなかったと思います(必要と判断されたものへの段階的な拡充はもちろん必要)。

人権を制限せずにアプリを普及させようとする姿勢も肯定するものです。

あたかも検査を拡充すれば解決するかのような聞こえの良い言説は、コロナに怯える人にとっては救いに聞こえてしまいますし、それらの声が大きくなれば政治に一定の影響力があるでしょう。

一方で、中国のように強権を発動することはまた、権力者にとっては魅力的にうつることでしょう。

無邪気に検査と隔離の拡充を叫んだ結果が、中国のような監視社会への道をひらくとしたら…?

まさに地獄への道は善意で舗装されています。為政者はこうした声に惑わされることなく、現実と自由主義に立脚しながら地道に解決策を進めていくしかありません。

我々も地方自治体や医療現場が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、週明けは現実的な特措法改正案などを積極的に提案をしていきます。


(本件は動画でも解説しました)

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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