東京から、あたらしくしよう

パチンコのいわゆる「グレーゾーン」「既得権」の正体はここにある!-風俗第四号営業と賞品提供-

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

補正予算の審議が始まり、私も金曜日の財政金融委質疑に向けて準備を進めております。

その合間に、Twitterのやり取りからトントン拍子に話が進み、パチンコに関する有識者が集うオンラインサロン「パチンコ未来ラボ」さんと意見交換をオンラインで実施しました。

こうした行動について、

「パチンコ業界の肩を持つ気か!」
「相手の宣伝に利用されているだけではないか」

などのご意見があることは承知しています。しかしながら、何事も当事者・関係者の話を深く聞いていかなければ、正しい政策立案にたどり着くことはできません。

我々も(私も)何も、「パチンコ憎し!絶滅せよ!」という思いで調査に着手したわけではなく、あくまでいわゆる「健全化」が目指すべきところですし、その点では一致できる部分があると考えています。

議論は多岐にわたりましたが、

「確かにいま、要請に応じず営業を続けるパチンコ店は不適切であり、批判が生じることは避けられない。しかし一方で、圧倒的多数(9割以上)の店舗はきちんと自粛に従っていることも知ってほしいし、発信してもらいたい

とのことですので、今後の検討・議論を進める前提として共有したいと思います。

さて、パチンコの未来という大きな話・結論へと考察を進める前に、まず本日はパチンコにおける「不健全さ(グレーゾーン・既得権)」の正体はなにか?について整理してみたいと思います。

「パチンコ業界は、もっと健全化した方がいい」というのは批判側だけではなく、パチンコ業界の当事者や関係者も口にするところです。

ということは、裏を返せば今は「不健全」なグレーゾーンがある、少なくとも世論がグレーだと認識している部分があるということになります。

その最たるものが、世間から悪名高い「三店方式」でしょう。


画像引用元

「三店方式」とは、いわゆるパチンコにおける「換金方法」のことです。

日本では公営ギャンブルを除く賭博は法律で原則禁止とされており、あくまでパチンコは「遊技」ということになっています(もうすぐ認可された賭博として、カジノが誕生する見込みですが)。

よってパチンコで獲得した出玉を現金に換えることは、当然のことながらできません。なので、玉をモノ(賞品)に換えています(※後に重要になる部分)

しかしながら、パチンコで獲得したとある賞品(一般的には景品という)を最寄りの「交換所(換金所)」なるお店に持ち込んで換金することができます。

そして交換所(換金所)はその景品をまた景品問屋(卸売業者)に売ることでお金を得る。景品問屋はそれをまたパチンコホールに卸す。

ということで3点間をぐるぐる回り、事実上の「換金」を行っているとみなされているのが「三店方式」なのですね。

ここまで読んだ多くの人が感じているように、明らかにこれは迂回した「換金」に思えるわけで、

「どうみてもギャンブルだ。警察が捕まえないだけで、実質的には違法だ」

「なのに見逃されている。これこそが『既得権』『警察利権』ではないか!」

という指摘が入ることになるのですが、結論から言うとこれは正確ではありません。

確かに以前には警察官僚が「店外で賞品が換金されていることなど預かり知らぬ」という内容を話していたこともあったようなのですが、さすがにそんな言い分が通るはずもなく、政府は2016年に閣議決定された政府答弁でこの三店方式は「違法ではない」ことを認めています

質.
ぱちんこ屋で景品を得た後、その景品を金銭に交換している現実を政府として把握しているか。

答.
客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。

質.
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定されるぱちんこ屋は、刑法第二編第二十三章における罪の違法性を阻却する必要はないのか。

答.
ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。

(緒方林太郎氏のブログ①ブログ②よりそれぞれ抜粋して構成)

この政府答弁書の解釈を巡って論争はあるものの、答弁としても実態としても政府は「三店方式」を合法として認めています。だから警察は捜査も逮捕もしません。

そもそもこの「三店方式」は、パチンコ屋から景品を抱えて出てきた客に対して、ヤクザが近づいてその景品を買い取り、その買い取った景品を再び店に売るという「シノギ」を防ぐために編み出されました。

仮に景品所を撤廃して現行の「三店方式」を破綻させると、またここにヤクザが登場し、客が獲得した景品を換金するというシノギを復活させてしまうことになります。

話が長くなってきましたが、では問題の根幹はどこにあるのか?何かがおかしいと思いませんか?

そうです、そもそもなんでパチンコ屋さんは賞品(景品)を出せるのでしょうか?

上記の三店方式も、その誕生のきっかけとなったヤクザの介入も、最初からパチンコ屋さんが換金性のある高額賞品を出さなければまったく生じません。

この「遊技」であるにもかかわらず、事実上ほぼパチンコだけが高額賞品を客に提供できることこそが、グレーゾーンの正体であり既得権です。

だってゲームセンターやダーツバーでは、遊技の結果として高額の賞品がもらえたりしませんよね。

これを規定しているのが風営法による「風俗第四号営業」で、第四号営業に該当する業種については「一定の条件下で賞品の提供が可能」となっています。これが主にパチンコです。

それ以外は「風俗第五号営業」となり、第五号営業は遊技の結果に応じて賞品を提供することは認められません。こちらはゲームセンターなど、まさに我々が認識している「遊技」ですね。

※クレーンゲーム等で、おおむね800円以下の定額商品を提供することだけは例外的に認められています(警察庁通達 55ページ参照

パチンコが賭博ではなく単なる「遊技」であるというのなら、なぜわざわざ「遊技」に二種類の区分を設けて、第四号営業(≒パチンコ)の方では賞品の提供が可能なのでしょうか?どうしてこんな法律があるのでしょうか??

ここについて政府からは、「実態がそうだったから、そういう法律を作った」以外の説明がありません(少なくとも、私は論理的にそのようにしか受け取れません)。

この理屈こそがまさに「既得権」であり、時代に合わせて変えていくべき最たるものと言えるでしょう。

私はこの風俗営業第四号問題、つまり「事実上パチンコだけが、遊技にもかかわらずなぜか高額賞品を提供できる」という問題を解決しない限り、多くの人が納得する形でパチンコが存続していくことは難しいのではないかと感じています。

となれば、大きく考えられる方向性は2つです。

・パチンコは「遊技」ではなく「賭博」と位置づけ、新たな法律を作って運用する
・風俗営業第四号を撤廃し、パチンコも高額賞品が提供できない完全な「遊技」とする

どちらに進むにしても、パチンコ業界にとっては大変な変化になると思います。

遊技ではなく「賭博」となれば、いま以上に厳格な制限が課され、税負担も高くなることが想定されます。その中で生き残っていくことができるのは、カジノ運営業者のように大手だけになる可能性があります。

一方で今のように高額換金ができない「遊技」となれば、パチンコにギャンブル性を求めているユーザーが離れていくことになります。

しかしながら、だからといって「外科手術(抜本解決)」を先延ばしにするだけでは、出血量が多くなるだけだという声は一部の当事者たちからも根強くあるようです。

そしてその「外科手術」を行うとすれば、今回のコロナ禍における出来事は一つの契機となるはずです。

繰り返しになりますが、私としてもパチンコ業界を失くすべしと考えているわけではありませんし、そこで生まれている雇用や文化を守ることは極めて重要です。

どちらの道に・どの道に進むのが、業界として望ましく、また世間の納得が得られるのか。

引き続きしっかりと実態を見極めながら、具体的な政策案・法改正案を策定していきたいと思います。

多くのご意見をいただければ幸いです。

それでは、また明日。

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おときた駿

音喜多駿/おときたしゅん
参議院議員(東京都選挙区) 36歳
1983年東京都北区生まれ。海城中・高校→早稲田大学政治経済学部を卒業後、モエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、都議会議員に(二期)。 地域政党「あたらしい党」代表。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、政治や都政に関するテレビ出演、著書も多数。35歳、二児の父。日本維新の会から公認を受けた参院選にて初当選、参議院議員に。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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