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東京都、医療的ケア児の支援に一歩前進!通学手段(スクールバス等)の確保を検討へ

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日は都議会本会議における代表質問、5つの会派から知事および各執行機関に対する質疑が行われました。

都議会代表質問 小池知事の都政運営の姿勢など質疑(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171206/k10011248551000.html

約7時間に渡る長丁場、論点は非常に多岐に渡りましたが、個人的に特筆すべきは医療的ケア児の支援において大きな前進が見られたことです。

「医療的ケア児」とは、日常的にたんの吸引や経管栄養などの医療的ケア・施術を必要とする障害児のことを指します。

医療的ケアを必要としない障害児よりも手厚い対応が必要となる医療的ケア児は現在、特別支援学校に通うための「スクールバス」を利用することができず、事実上、保護者による送迎が必要な状態です。

その負担が非常に大きいことは想像に固くなく、多くの医療的ケア児を持つ保護者が自分の仕事を諦めたり、あるいは通学を断念して(非常に回数の少ない)訪問教育を選択するなど、様々な機会を制限されてきました。

すでに他の道府県では医療的ケア児がスクールバスを利用できる先進事例もあり、私もかねてから本件については議会内外で問題提起を行ってきたところです。

バラまき福祉を超えて…シルバーパスより、スクールバスの充実を! (2014年9月26日)
http://otokitashun.com/blog/daily/4534/
「医療的ケア児」が法律に明記!まずは東京都から、スクールバス等の障害児対応を充実させよ(2016年5月31日)
http://otokitashun.com/blog/daily/11556/

平成28年度第一回定例会においては、自身の議会質問でこちらを取り上げましたが、東京都の対応はまさしく「ゼロ回答」でした。

質問事項
一の3 現在は医療的ケア児のスクールバス利用不可としている特別支援学校に対して、積極的に利用できる状況となるように都が促していく、具体的にはスクールバスヘの看護師配置支援等を進めるべきだが、見解を伺う。

回答
特別支援学校における医療的ケアは、児童・生徒一人一人の障害の程度や状態に応じて行う必要があるとともに、衛生管理の徹底を図り、安全かつ、適切に実施する必要があります。
スクールバスの車内においては、児童・生徒の安全確保を第一に優先すべきです。また、都内の道路事情を考えるとバスの駐停車は困難な場合が多いこと、さらに、同乗する他の児童・生徒にとっては乗車時間が長くなるなど負担が増すことから、都教育委員会は医療的ケアの実施を考えていません

(質問全文はコチラから)

上記のように、「道路事情的に困難」「同上する他の児童・生徒に負担がかかる」という理由により、検討にすら至らず門前払いになっていたわけですね。

しかしながら今回の代表質問にて、都議会公明党が改めてこのスクールバス利用について求めたところ、教育庁より

「適切な通学手段の確保を検討する」

という、極めて前向きな答弁が出てきました!議場で聞いていた私も率直に言ってびっくりです。

これは行政用語では「やる」と同義ですから、ほぼ満点回答と言っても良いと思います。

ゼロ回答であった昨年の段階から、都の方針転換がどこで行われたのかはわかりかねますが、これも今回代表質問で重点項目として取り上げた都議会公明党や、粘り強く支援を呼びかけてきた当事者・支援者の皆さまの活動の賜物といえるでしょう。

この答弁が来年度の予算に早速反映されるよう注視し、私からも改めて要望を提出していく所存です。

そしてこれをきっかけに、ようやく法律に明記された「医療的ケア児」に対する関心がより高まり、さらなる支援政策が広がっていくことを期待したいと思います。

なお代表質問を通じた議会全体の雰囲気としては、都民ファーストは変わらず知事援護、都議会自民党は舌鋒鋭く知事を批判というのはいつも通りでしたが、やはり注目を集めたのは与党離脱宣言をした都議会公明党への対応でした。

Twitterでも少し触れたように、執行機関側は都議会公明党の質問に対して、前向きな答弁を連発。これまでにちょっと見たことのないレベルで。

もちろん、上記の医療的ケア児の件も含めて、都議会公明党の提案が非常に的確なものだったことが大前提ではあるものの、やはり議会運営を円滑に進める上での「政治的な配慮」を感じます。

都議会公明党が「脱与党」宣言をした際に、これから知事サイドは予算案・条例案などを通すために都議会公明党に相当な配慮をしていくだろうとは予想していました。

どうやらそれが、早くも現実のものとなりつつあるようです。

こうした流れが都政・都民にとってどう働くかはまだ見通すことはできませんが、必然的に都議会公明党の政策実現を優先させれば、都民ファーストが選挙公約に掲げた政策は後回しになる可能性があります。

パイ(予算などのリソース)は有限ですからね…。

もちろん、どこの政党の提案であれ、都民にプラスとなる方向に進むのであれば歓迎すべきことです。

党利党略・政局に政策そのものが左右されないよう、引き続きしがらみのない立場から都政に携わり、また情報発信に努めていきたいと思います。

8日(金)は私も一般質問で登壇予定です。出番はおそらく18時~19時くらい。お時間のある方は、ぜひ都議会議事堂に足をお運びくださいませ。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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