こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
自民党都連を「造反」し、小池知事を当初から支持していた若狭勝氏が立候補していた衆院10区補選ですが、20時の投票締め切りと同時に当確が出ました。
東京10区補選 自民・若狭氏が当選確実
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161023/k10010741191000.html
一見すると、自民党と小池知事が連携して危なげない選挙を展開した「完勝」であるように見えます。
これをもって同じく都知事選で「造反」し、離党勧告を突きつけられた7人の区議たち(七人の侍)は除名を免れ、小池知事も歩み寄ってきた都議会自民党と矛を収めて和解。自民党内ですべて丸く収まるのではないか?との観測が流れています。
しかしながら、今回の結果から私が感じていることはまったく逆です。
結論から言うと、今回の選挙によって国民・都民が求めているものが、
「小池知事が自民党に歩み寄ること」
「自民党を中から変革していくこと」
ではまったくないことが明確に証明されたと強く思います。
得票数を見ると、若狭氏は対抗馬にダブルスコアをつけることができませんでした。しかしながら若狭氏が自民党の公認を得る前の世論調査では、トリプルスコアに近い数値が出ていたと言われています。
まず風向きが明らかに変わったのは、若狭氏が自民党の公認候補になったときです。ただこの時点では小池知事が支持を表明したことからも、まだ無党派層の期待がありました。
しかしながら選挙のフタを開けてみれば、都知事選の小池陣営とは打って変わった完全な組織選挙。自民党・公明党の要人がズラリと並ぶ光景を見て、何より私自身が
「うわあ、これは流石に出る幕はないな…」
と強く感じましたし、この陣容に対して無党派層は厳しい視線を向けるのではないか?との不安を感じざる得ませんでした。
案の定、安倍首相や山口那津男・公明党代表との街頭演説会などで自民党・公明党が組織選挙を展開すれば展開するほど、都知事選でムーブメントを起こした無党派層の熱狂は急速に冷めていきます。
そして出口調査の結果から「無党派層の半数以上を固めた」と報じられていますが、裏を返せば半数超しか若狭氏に投票しなかったということです。無所属の若狭氏であれば、無党派層から7~8割以上の支持は確実だったと言われています。
何よりその「半数」にしても、投票率は前回衆院選を大幅に下回った(約2割減)状態の半数です。投票率はたったの35%で過去最低、つまり今回は無党派層が選挙に行かない完全な組織選挙に過ぎなかったということになります。
これほどの注目を集めた衆院補選での低投票率こそ、何より一般都民・無党派層の期待感が著しく萎んだことを意味するのではないでしょうか。
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都議会自民党の対応を見ても、最終日にあからさまに擦り寄ってきた光景に面食らった人も多いと思いますし、何より政策提言も行わず相手の「失点待ち」に徹する姿勢を見れば、都議選が終われば改革への抵抗勢力となることは明らかです。
現在の都政への考察については、こちらの記事がかなり的を射ていると思います。
都議会自民党の苦悩「小池を叩くと叩かれる。共感したら村八分」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161023-00020479-president-bus_all
このような都議会自民党と歩み寄れば、都民はどう感じるのか。今後の都政運営の中で、都民が知事に求めている対応や立場はどういうものか。
今回の選挙戦でその最前線にいた小池知事は、誰よりもその空気を感じ取っているのではないでしょうか。
なお、小池知事が若狭候補当確後のインタビューで答えた通り、小池百合子政経塾「希望の塾」の申込者はなんと4000人を超えました。
希望の塾公式HP
https://koikejyuku.tokyo/
申込み者は政治家志望に留まらずビジネスマンや経営者、医師に弁護士から主婦と様々ですが、とにかく政治への「まったく新しい風」の期待をひしひしと痛感するところです。
以上から、あくまで私の個人的な所感にはなりますが、いわゆる「小池新党」の可能性はむしろ高まったと見ています。
ただ繰り返しになりますが、新党(政治勢力)の結集はあくまで手段の一つ。都民の期待に応えて改革を前に進める他の方法があれば、当然手段はこの限りではありません。
今回の選挙結果を冷静に分析しながら、都政・都議会においても引き続き改革の波を前に進めていきます。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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