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出産費用「無償化」が前進!ただし今後の制度設計が重要で油断大敵だ

日々のこと

出産費用の「無償化」を盛り込んだ医療改革法案が衆院を通過しました。日本維新の会がかねてから強く求めてきた政策の一つが、ようやく大きく前進したことは率直に歓迎したいと思います。

ただ、「やったね!」と手放しで喜ぶ前に、今後の制度設計をしっかり確認・注視していく必要があります。

産婦人科医の宋美玄先生による詳細な解説記事を参考に、現時点での論点を整理します。

まず、今回の制度の骨格を確認します。

2028年6月ごろまでの開始を目指すこの制度では、正常分娩に全国一律の「基本単価」を設け、健保組合などの医療保険者が医療機関に直接支払う仕組みが導入されます。

妊婦が分娩費用を立て替える必要がなくなる点は、大きな前進です。また別途「定額の現金給付」も設けられる予定です。

一点、正確に理解しておきたいのは、「無償化」=「完全無料」ではないということです。

個室代・差額ベッド代・お祝い膳などのアメニティ費用は引き続き自己負担となり、「定額の現金給付」から各自が支払う形になります。

これは制度の欠点というより、現実的な設計の範囲内とも言えますが、「無料になる」と思い込んでいると混乱が生じかねないため、丁寧な周知が必要です。

より注視すべきは、分娩の形態による扱いの差です。

経腟分娩は「基本単価」部分が保険者持ちとなり、制度の恩恵を最も受けやすい形です。

帝王切開は、手術に対する保険適用の3割負担+アメニティ費用を「定額の現金給付」から支払う構造になるため、給付額の設定次第では実質負担が経腟分娩より重くなる可能性もあります。

無痛分娩については現時点で明確な言及がなく、アメニティ扱いになる可能性もあります。

帝王切開は母子の安全のためにやむを得ず選択されるケースがほとんどです。その方々が制度上「割を食う」構造は避けなければなりません。

「定額の現金給付」の金額設定が極めて重要なポイントになります。

産科医療の供給側への影響も、見落とせない論点です。

今回の制度では分娩費用が「基本単価」として固定されるため、産院は物価・人件費の上昇や分娩数の減少を価格に反映させる裁量を失います。

出生数は年々推計を下回って減少しており、産科医療への実質的な資金投入は縮んでいます。その中で「価格固定」だけが先行すれば、地域の産院の存続が難しくなりかねません。

「無償化」の旗を掲げながら、それを支える産科医療の現場が疲弊するようでは本末転倒です。制度の持続性を確保するためにも、「基本単価」は現場の実態に即した水準で設定されなければなりません

私としては、出産費用の無償化という方向性は正しいと考えています。維新がこの政策を推進してきた立場として、大きな一歩が踏み出されたことは評価します。

その上で、制度の成否を左右するのは「基本単価」と「定額の現金給付」の金額設定です

この数字が決まらなければ、妊婦の実質負担が本当に減るのか、産科医療の持続性が担保されるのか、何も判断できません。

2028年の開始に向けて、国会でもしっかりと中身を問い、「無償化」の名に恥じない制度設計となるよう、引き続き注視・提言していきます。

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音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 42歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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