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「選挙の恐怖」に屈した政治家の挽歌

政治コラム

猪瀬都知事の金銭問題がにわかに問題になっております。

猪瀬氏、徳洲会に1億円要請 知事選前虎雄氏判断で提供
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131123/crm13112308510003-n1.htm
(上)徳洲会からの5千万円「個人の借入」「一銭も手をつけていなかった」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131123/lcl13112307000000-n5.htm

この件についてまず率直に思ったのは、

猪瀬さんほどの立場でも、誘惑から逃れられなかったのか

ということでした。

以前に自分のブログにも書きましたが、
選挙には本当にお金がかかりますし、かけた方が有利ですし、
事前活動を含めれば事実上いくらでも使うことができます。

しかしながら、当時の猪瀬候補の状況としては、
政治情勢的にも対抗馬的にも彼が負ける要素はほとんどないように見えました。
実際、フタを開けてみれば歴代最高得票となる圧勝劇です。

「思ったほどお金がかからなかったので、手をつけなかった」

というのはおそらく本当なんでしょうけど、
初めて「選挙」というものに直面した彼は
あれほど恵まれた状況でもその恐怖に屈してしまったわけです。

これはもう選挙に出た人しかわからないと思いますが(←偉そう)、
その時の彼の気持ちはものすごく想像がつきます。
負けたらすべてを失う。怖い。嫌だ。…絶対に勝ちたい!

ただ言うまでもないことですが、ここでお金を受け取ってしまえば
そのしがらみからは永遠に逃れることはできません
「恩返し」をしているうちに、理念も政策もどこかに行ってしまいます。

事程左様にお金と知名度が絶対的に
モノを言う日本の選挙制度においては、

「しがらみのないまま当選する」
「企業団体献金は一切受け取らずに、政治活動を続ける」

というのがどれほど難しいことなのか、
今回の件からも改めて痛感せざるを得ません。

だからこそ、それを実現して政治家になっている
諸先輩方を私は心から尊敬しますし、その理念をあっさり捨てた
なんちゃら維新の会には期待をしていただけに当時とても失望をしたものです。

無色で改革派のイメージが強かった猪瀬知事のスキャンダルは
更なる政治不信を招くでしょうし、真相の追求が待たれるところです。
法で裁くことは難しそうな気がしますが、都民から厳しい審判が下されるでしょう。

しかしまあ。

「徳洲会マネー」については猪瀬さんだけではなく、
今後さまざまな政治家の名前が取り沙汰されてくるかと思うと、
くらーい気分にならざるを得ませんし、

そもそも論でいえば元の徳洲会事件についてだって、
あれが有罪なら組織選挙をやっている政治家は全員 うわ何をするやめr

…組織もお金も持たずに闘っている政治家を見かけましたら、
皆さまぜひとも暖かく声をかけていただき、また彼らを政界に
押し上げるべくご支援をいただきたいと心から願う次第でございます。

それでは、今日はこの辺りで。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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