ひらけ、東京!!

ずばり、選挙にはいくらかかるのか? -民主主義のコスト-

日々のこと

「結局、選挙にどれくらいかかったの?」

議員になってからおそらく、一二を争うくらい
聞かれる質問がこれではないでしょうか(苦笑)。

厳密にいうと「選挙期間」と「政治活動期間」の支出は
違ったりするのですが、細かいことをとりあえず置いといて

一介のサラリーマンが議員になるまで、一体いくら使ったのか?

をできる限りで公開したいと思います!

というのもこれから先、議員の給与や政務活動費など
お金に絡むことをたくさん取り上げていきますが、
それらと

「選挙にかかる費用」

は、残念ながら絶対に切っても切り離せないものだからです。

私自身はこれを、「民主主義のコスト」として捉えますが、
果たして金額として妥当なものなのか否かは、皆さまのお考え次第だと思います。

選挙にかかる金額は人ややり方によってまさに千差万別ですが、
一つの事例として以下をお読みいただけると幸いです。

結論から言うと、1月にサラリーマンをやめてから
700~800万程度を使った計算になります。

「選挙にはカネがかかる」

と言われますが、別にお金をばらまいたりしなくても
十分にお金はかかります。

大きめの支出だけ公開しますと、こんな感じになります。

■印刷代 約250万

一番お金がかかったのが、なんといっても印刷代!
特にチラシ代ですね。

私の場合は三種類のチラシを2月から断続的に配布していたのですが、
(こちら→ http://otokitashun.com/agenda/leaflet/

北区には約17万世帯ありますから、各家庭に一枚ずつチラシを投函していくとして
三種類で17万×3=約51万枚のチラシが必要になります。

上記のチラシですが、A4フルカラーで印刷代が1枚あたり約4円です。
単純計算で、チラシだけで200万円がかかったことになります。

同様に、街に貼るポスター代。
あちらはB2サイズだと一枚400円、A1サイズだと一枚800円くらいでした。
これも400枚くらい作ったので、合計で20万円くらいかかりました。

それと案外馬鹿にできない、名刺代。
自分の分を3万枚、スタッフの分を合わせると4万枚近く刷ったでしょうか。
表裏フルカラーPP加工で一枚8円程度ですが、これで30万円近く出費することになります。

他にも事務所で使う封筒など細かい印刷物は色々とありますが、
大きいのはとりあえずこれくらい。では次。

■事務所代 約100万

しばらくは自宅兼事務所という形で活動し、
選挙前の二か月間だけ駅前の一等地に事務所を借りました。

選挙事務所(期間前は政治事務所)は好立地、それなりの広さが求められます。
さらに、「短期貸し」ということで家賃も通常より割高です。

家賃・礼金・仲介手数料・光熱費・ネット代金などなどで
二か月間でざっくり100万円程度の出費だったと思います。
はい、次。

■レンタカー代 約50万

選挙(政治活動)といえば街宣車!荷物を運ぶためにもとにかく車は大事です。
二か月間ほど、選挙業者さんから軽自動車をレンタルしました。

看板のレイアウト代なども含めて、丸二か月間でレンタル料金は約45万円
それに二か月分の駐車場代がかかりますよね。これでしめて50万円程度

■人件費 約30万

基本的にはボランティアスタッフで事務所の作業を手伝ってもらいましたが、
事務作業にどうしても人手が必要になった時は緊急でアルバイトを雇っていました。

チリも積もれば…というもので、半年間でかかった人件費はおよそ30万円

■業者代 約60万

すごいざっくりしたまとめ方ですが(苦笑)、
政治・選挙活動には色々な形でそれをサポートするサービス業者がいます。

自分が使ったのは主にこの二つ。

・ポスティング業者
・ポスター貼り代行業者

前者は、政策チラシを家に投函して下さる業者。
ほとんどボランティアで頑張りましたが、終盤、どうしても手が回らないエリアを
業者さんにお金を払って依頼しました。

ポスティングの相場は、だいたい1枚4円
これを5万世帯お願いしたので、この出費で約20万円

そして、街中によく貼ってある政治家のポスター。
こちらは支援者の方のおうちやお店に一軒一軒、交渉して貼っていただくのですが、
これらを交渉から貼り付けまで代行してくれるサービスが存在します。

私はたった一人の新人候補で、もっとも公認が遅かったこともあり
ポスターの数が圧倒的に少なく、認知度を向上させるため100枚ほど貼り付けを依頼しました。

この業者さんの代金は千差万別のようですが、自分の依頼した業者は一枚4000円。
100枚×4000円=40万円の出費でした。

選挙における「代行サービス」に合計60万ほど使ったわけですね。

■新聞広告代 20万円

これは選挙期間中の出費になりますが、候補者は任意の新聞に2回まで
自分を売り込む選挙広告を出稿することができます(選挙期間の公費負担の対象外)。

東京新聞と毎日新聞に出稿しましたが、二つ合わせて20万円ほどかかりました。

…とまあ、本当に色んな種類の出費がありまして、
だんだん書いているのが嫌になってきました(苦笑)。

上記の大きな出費を合計すると、約510万円になります。
これらに加えて、

・選挙用具一式の購入代(スピーカーやのぼりなど)
・コピー機のリース代、日々の印刷代
・各種会合に出席するための会費
・講演会などイベント開催時の費用
・スタッフのユニフォーム代
・ホームページの管理費
・電話代

などなどございまして、

純粋な政治活動+選挙で700万強、生活費を含めると800万弱

というのが出費になるかと思います。

正直、これが多いのか少ないのかはよくわかりません!
候補者同士でも、いくら使ったかという生々しい話はあまりしませんし(苦笑)、
組織のない政党と大政党ではまったく選挙のやり方が違うからです。

私の場合、貯金+退職金+皆様からの個人献金でなんとか乗り切った…
と言いたいところですが、まだ支払が終わっていないものもあるので、
正直いって現在はまだ借金を抱えているような状態です。。

ほんと、当選してなければ今頃どうなっていたことやら。

700~800万という金額をどう感じるかは人によると思いますが、
個人的には

「上場企業クラスのサラリーマンなら貯金+退職金+カンパでなんとか捻出できるかもしれないけど、
 普通に考えたらリスクが高すぎてやろうと思わないし家庭なんて持ってたら絶対無理」

みたいな金額じゃないかと思ってます。苦笑

以上がイチ候補者が政治活動・選挙に使ったお金ですが、ここからが確信です。

議員たちは再選するために、どうしたってこの費用を4年間のうちに貯めておかねばならない

これは、揺るぎない事実です。
選挙費用がなければ、再選はほぼ100%ありえません。

議員たちの給料(議員報酬)は一見するととんでもなく高く見えますが、
上記のようなまとまった出費が必ず4年に一度発生します。

しかも、当選しなかった場合に備えて、幾ばくかの貯蓄をしておくことも必要でしょう。
(家庭がある議員の場合なら、なおさらです)

「国民(都民)からの税金で選挙費用を出したり貯金するなんて、けしからん!」

と感じる方が多いのは心情的に理解できます。
しかしながら、民主的な「選挙」という形を取り続ける限り
これらは市民が負担せざる得ない「コスト」であることもまた事実ではないでしょうか。

とはいえ、この「コスト」を軽減させる余地がまだまだたくさんあると
自分自身が選挙を行って感じたことは確かです。

ネット選挙解禁・活用をはじめ、理不尽な公職選挙法を改正していけば
今よりはもうちょっと「お金がかからない選挙」を実現することができるでしょう。

有権者が候補者をよく見極めて、本来の政策実現のためではなく
選挙にばかりお金を使っている候補者を落とすようになれば、
少しずつ選挙のやり方も変わるかもしれません。

また、個人献金の風習が定着していくことも重要です。
個人献金を自らの魅力で集めることが政治家の一つの指標になれば、
議員報酬に手を付けずに選挙を勝ち抜く政治家が生まれてくるかもしれません。

こうした小さなことの積み重ねで、「お金と政治」「お金と選挙」の関係を
少しずつ変えていく。そうしてだんだんと、政治家の議員報酬を削減できたり
普通のサラリーマンが議員になれる世の中が実現していくかもしれません。

残念ながら民主主義において、ドラスティックに物事が変わることはあまり期待できません。
それもまた、「民主主義のコスト」なのですから…。

私は自分にできること、情報公開に努めて世論を喚起することで

「お金のかからない政治(選挙)」
「ふつうの人が、明日から政治家になれる世の中」

を目指して、牛歩の歩みでも努力を続けていく所存です。
でもまずは、借金を返さなきゃなあ(苦笑)。

今日も長くなりました。3600文字!
それでは、また明日。

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おときた駿

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 34歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員2期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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