さて、間が空いてしまった定例会の「討論」シリーズ。
(討論全文はコチラから)
本定例会では、東京都における
「幼保連携型認定こども園」
の設置基準を示す条例案が可決されました。
待機児童対策の一つとしても、比較的定員数に余力のある
幼稚園が、保育園としての機能を持つことに期待がされている本制度。
この度の定例会において激論となったのは、その保育室の「設置階」についてです。
東京都の条例案では、認定こども園の保育室の設置階について、
「原則1階とはするものの、例外は認める」
ということになっていました。つまり理論的には(条件さえ満たせば)、
タワーマンションの50階にでも保育室を作ることが可能になります。
ですが、大震災などの災害が発生した際、乳幼児を含む
大勢の子どもたちを保育士が安全に高層階から避難させることが
できるかと考えると、やはり難しい場合があると言わざるを得ません。
この点につきましては、当会派の
塩村あやか議員が委員会で追及しましたし、
厚生委員会質問終了(塩村あやか公式HPより)
http://shiomura-ayaka.com/2014/09/29/report-788.html
また、議決に先立つ「東京都子供子育て会議」においては、
有識者の中でも意見が分かれて激しい論争が行われました。
駒崎弘樹氏による第4回東京都子供・子育て会議計画策定・推進部会/本会 実況+皆さんの感想
http://togetter.com/li/688652?page=2
確かに、子供たちの安心・安全を考えれば、
保育室は地上階にあるに越したことはありません。
しかしながら、待機児童がのっぴきならない状態なのも確かで…
とにかく東京都においては、保育所をつくる「土地が足りない」と言われています。
実際、保育所の開設に当たっては、その立地に関して非常に繊細な検討が必要とされます。
特に最近では、大変残念なことに保育施設はその騒音から
「迷惑施設」と見なされる場合もあり、子供子育てに対する理解を
国民的・地域的に広めていく必要があります。
こんな例外を認めなければならないほど、
待機児童の問題が切迫していること事態がなんだかな…と思いつつ、
「1階を原則とし、例外の場合は避難経路の策定などを厳しく義務づける」
との答弁もあり、
この度の条例案には賛成の立場を表明しました。
高層階に保育室を設置するような事態を招く前に、
待機児童対策で今すぐできる政策はたくさんあります。
(参入の規制緩和、小規模保育の推進、保育士の拡充・待遇改善などなど)
引き続き、必要なところに財源が行きわたるような
政策提言を続けて参りたいと思います。
いつも通り、下記には討論分の掲載をば。
それでは、また明日。
■
それでは、第160号議案東京都幼保連携型認定こども園の学級編成、
職員、設備及び運営の基準に関する条例について申し上げます。
本条例案における東京都の設置基準は、全体として「保育の質」を追求するものであると捉えられます。
子どもたちの健やかな成長と安心・安全のために、厳しい設置基準が設けられることは当然でありますが、
従事する職員に幼稚園教諭と保育士の両方の免許取得が必要となるなど、ハードルの高い基準が、
事業者の認定こども園移行への負担となる可能性がありますし、新規参入を妨げることからも、
東京として、これまで以上のサポート体制を整えていく必要があります。
また、この条例案策定に先立つ東京都子ども子育て会議においても、
保育室の設置階についての激しい議論が行われました。
都の基準は、国の府省令を基本的に採用し、原則的に1階に設置を求めていますが、例外も認めています。
高層階に設置される保育室については、防災計画など、認可に当たってとくに
細心の運用が行われるよう、強く要望するものであります。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: 子育て支援