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月々60万円、「政務活動費」の実態を追え!

都議会の話

都議着任から一か月と経っておりませんが、
すっかり

「ブロガー議員」

としての地位を確立し、
役人の方からレクチャーを受ける度に

「先生!ここの部分は、まだブログには書かないでくださいね!

と注意を受けるオトキタです。
こんにちは!一体なんなんですか、僕の存在は。

開き直ってどんどん期待に応えていきたいと思います^^

さて、今日は皆さまの関心が高いお金関連。

政務活動費(旧政務調査費)

についてお伝えします。
都議会議員には、月々の議員報酬の他に

「調査研究その他の活動に資するため」

の費用として「政務活動費」が支給されます。
その額、月々60万円。つまり、議員一人当たり年間720万円になります。

なお「政務活動費」は地方自治法で定められており、東京都だけでなく
県議会議員、区市町村の地方議員も支給されています。金額は自治体によって異なりますが
区市町村の場合は月々数万単位、県議会は20万~ということが多いようです。

その中で、東京都の月々60万円は最高額です。

この金額が妥当かどうかは正直、まだ自分の活動が本格化していないので
なんとも判断できないところなのですが、きちんとした政策立案のために
使われる調査費用であれば、納得できるものではあると思います。

では、その使用実態はどうなっているのでしょう?

第一義が「調査研究のため」となっているとはいえ、
その使用用途は人件費、交通費、研修費、会議費、広報費まで多岐にわたります。

その使用基準は厳しく取り決められており、領収書を提出する段階で
担当部局によって精査され、また発表後は市民オンブズマンによっても
猛烈な追求が入りますが、

何をもって『調査研究のため』とするのか?

は非常に難しい問題です。

たとえば昨年の読売新聞記事内の
「主な内訳」によると支出用途のトップ3は

1.人件費
2.広報紙発行費
3.事務所費

となっております。

まず人件費がトップに来るのは、地方議員は国会議員と違い
公費で秘書がつくわけではないので、自ら雇う秘書の人件費を
この政務活動費から補てんしているケースが多いことが理由にあげられます。

ただ議員個人が秘書として雇う場合、
当然「都政のための調査研究」にフルタイムで従事するわけではありません。
その議員さんの地域活動や党務に時間を割く場合も多いでしょう。

こういった事情を鑑み、「その他の議員活動が混在する」人件費については
政務活動費が充てられるのは二分の一までとなることが定められています。

三位に来ている事務所費も同様、地方議員には議員会館がありませんので
個人事務所を構えることになります。ここが調査研究の拠点となる場合に
政務活動費からの支出が認められます。

ただし、こちらも人件費と同様、
その他の議員活動が混在する場合は半額まで。

二位にある広報誌発行費。
これは

「都民に対して、都政に関することを発信し」
「都民から意見を募るための受付先を必ず明記すること」

を条件に政務活動費を活用されることが許されます。
ただ、これも広報紙にその他の議員活動が書かれている場合には
充てられる金額が半分になったり四分の一になったりします。

うーーーん。。

なかなか難しいのですが、確かに秘書がいないと
議員が調査研究活動に専念できませんし、地域の拠点に事務所も必要ですから
人件費、事務所費が半額までというのは合理的だと思います。

広報費。これはともすると選挙対策にも使われるかもしれませんが、
「都政で何が行われているか」を発信し、世論を醸成していくのも
議員の務めだと考えれば、まあ納得できなくもない…かなと。


なお、以前に選挙費用の話しに書いた通り
チラシ代というのは本当にお金がかかります。

とまあ、トップ3に本来の(?)使用用途である
調査委託費や資料代が来ないことに違和感はありますが、
細かい部分を見ていくともっと噴飯ものの使用用途が出てきます。

政務活動費は毎年1円単位まですべて公開されるため、
公開時期になると各種新聞を賑わすことになるのですが

政調費 疑問の支出
image (2)

およそ都政には関連がない(と周りに思われる)書籍を買ってしまったり、
(ナショナルジオグラフィックが防災対策とかの参考になるのかもしれませんけど)
都外に不可解な出張を繰り返す方もいらっしゃるようです。

多額「新年会費」変わらず
都議、政調費で何回もはしご

image (3)

「新年会」などの会合への出席も調査研究活動??
地域の声を聴くことも大事ですけど、ね。

とまあ長々と書いてきましたが、私としてはやはり
政務活動費は第一義である調査費を中心に使われるべきだと思います。

個人的に予定している調査として、各種SNSに流れる
ビッグデータを「東京」「都政」などのキーワードで抽出して、
都民の問題意識がどこにあるかなどを毎月分析して公表したいと思っているのですが、

「こういうのこそ、専門業者に頼んだら調査費が使えますよね?」
「いや、そういうのはあまり前例がないので現段階ではなんとも…」
「( ゜Д゜)」

みたいな展開に衝撃を受けました(苦笑)。

調査委託費を政務活動費から捻出する場合、もちろんその調査結果を
担当局に提出して政務活動にふさわしいかどうか精査が入るのですが、
前例のない調査を行う場合は使えない(持ち出しになる)リスクもありそうです。

なお政務活動費の公式ガイドラインは市民オンブズマンによって公表されておりますので、
興味のある方は下記リンクからご覧いただけますし、

政務活動費の手引き
http://www.ombudsman.jp/13seimu/13tokyo.pdf

前述の通り、政務活動費の使用用途はプライバシーで黒塗りされている部分を除き
すべての領収書の写しを閲覧することができます

ちょうど平成24年度分は今週日曜日、8月26日(日)から
議事堂二階の議会局管理部にて開示が始まりますので、
気になる都議会議員の使用用途をチェックしてみてはいかがでしょうか。

平成24年度分の政務調査費・政務活動費に係る領収書等の写しの閲覧開始
及び東京都議会政務活動費調査等協議会の「提言・意見」について

http://www.gikai.metro.tokyo.jp/info/research.html

なお、この政務活動費は平成23年3月以前は「政務調査費」という名称でした。
地方自治法の改正によりその名称が変わったのですが、
何が変わったのかと言いますと使用用途の範囲です。

(旧)「議員の調査研究に資するため」
(新)「議員の調査研究その他の活動に資するため」

とまあ、「その他の活動」が加えられたのですね。
これはどういうことかといいますと、兼ねてから

「調査研究に利するとは思えない用途(新年会の会費など)に政務調査費が使われるのはおかしい!」

という意見が強くありました。
これを受けて政府は、その使用用途を厳しく限定した…

のではなく、逆に現状を追認する形で

「地域の会合とかに出るのも、広義の意味で『政策調査』ですよね。
 誤解を招かないように、『その他の活動』もOKだってきちんと定めておきましょ」

という方向に舵を切ったわけです。
あらまあ…

というわけで、おそらく今週日曜日の情報開示を受けて
今年も新年会に多額の支出をする会派・議員の名前が報道されると思いますが、
別に彼らは(法的には)悪いことをしているわけではありません。

「そんな税金の使い方、おかしい!」

と感じるのであれば、そういった世論を醸成し、
また新年会をはしごするような議員には選挙で厳しい審判を突き付けていくしかありません。

一方で、真面目に政治活動をすればお金はいくらあっても足りないのも事実。
しっかりとした活動をされている議員さんもたくさんいるはずです。

私としてはまず1年間、実際にこの政務活動費を活用してみて
できる限りその使用用途を本ブログで公開し(都庁にまで領収書を見にこないでしょうし。笑)、
その金額や用途の適正については皆さまの審判を仰ぎたいと思います。

現時点では

・データ解析などの調査費
・人件費の半分
・事務所費用の半分
・年4回発行予定の都政レポート費用の半分または四分の一

がその主な使用用途となる予定でして、
余った分は無理に使い切らずに返却しようと考えております。
(余るのかな?)

長くなりましたが、本日はこれにて。
それでは、また次回!

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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