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1979年から続く、都議会自民党と公明党の連立に終止符。知事提出議案は全議案が可決され閉会へ

都議会の話

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

本日は都議会最終日、私は採決前の「討論」に登壇し、本定例会を振り返っての総括意見を述べました(最下部に全文を記載)。

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都議会自民党に対してかなり手厳しい意見を述べたので、また荒々しいヤジが飛んでくるかと思いきや、議場は終始完全に静まり返り「シーン」とした雰囲気…。

自民党の討論も、知事に対して手厳しいことを述べるものの、味方からの声援が少ないのも相まってあまり勢いはなく、昨日の報道による影響の大きさを感じさせました(おそらく組織的に、「ヤジ禁止令」が出ていたものと推察されます)。

中央卸売市場会計の決算認定については、都議会自民党と公明党で採決の賛否が分かれ、自民党のみが立ち上がって「起立少数」として否決される歴史的瞬間が眼前に…。

各種報道でも出ている通り、都議会において自民党と公明党の連携がスタートしたのは、自公が相乗りして鈴木俊一知事を応援した1979年からです。国政での連立が正式にスタートする20年も前から、同盟関係を堅持し続けてきました。

都議会というのは不思議なところで、時にどこよりも先んじて政変が起こり、それが国政まで伝播してくことがあります。

卑近な例で言えば、私がかつて所属していた「みんなの党」も、都議会における会派分裂から国政政党の解体がスタートしました。

「準国政」とも言われる都議会での動きを試金石や観測気球にして、世論の動きを見ながら時に政界の流れができていくわけですね。

今回は自民党都連という特別なファクターがあるので、この動きが国政の自公連立に直接的な動きを与えるかどうかは不透明です。

それでも、既存の枠組みを超えた改革勢力の動きは、日本政治に大きな影響をもたらすことは間違いありません。

政治家の端くれの一人として、そんな政治のダイナミズムをひしひしと感じながら、鳥肌の立つ思いで歴史的な議決に加わっておりました。

なお、「知事与党」であるかがやけTokyoですが、対立勢力の都議会自民党が全議案に賛成する中で(?!)、職員給与の増額に関連する一連の条例案については今年も反対いたしました。

理由については例年の通り、人事委員会勧告に従って公務員給与が機械的に増額されることには問題が多く、また費用対効果の面からも極めて合理性が疑われることが大きな理由です。

詳しくは過去ログもご参照をば。

一昨年:東京都職員の給与、2年連続で引き上げ方向…。消費税増税を控えて、世間に「納得感」はあるか?
http://otokitashun.com/blog/daily/9190/
昨年:臨時国会がなかったせいで、全国の地方議会で公務員給与に関する矛盾が爆発中…
http://otokitashun.com/blog/togikai/9801/

小池知事も就任したばかりで、改革の優先順位をつけて着手していかなければなりませんから、人事制度の根幹に直結する公務員給与の問題にまで手をつけられないことは理解できます。

この制度については、中長期的な課題として取り組んでいただきたい旨も期待しまして、是々非々の立場から判断をした次第です。

もちろん、新たに集まりつつある改革の仲間たちとともに、小池都政の「東京大改革」を支えていく姿勢に変わりはありません。

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本会議終了後の挨拶まわり。いつも慌ただしくてロクな写真は撮れず(苦笑)。

議員報酬など一連の議会改革に対する考えは、会派「かがやけTokyo」の幹事長談話にも記載されておりますので、こちらもぜひご一読くださいませ。

【平成28年第4回定例会】定例会を終えて[幹事長談話]
http://your-party-tokyo.jp/activity/754/

年明けの定例会では、議員報酬削減などの条例案が提出できると思います。宣言通り、しっかりと結果を出していく所存です。

そして都議会は閉会しましたが、オリパラ特別委員会などは26日まで続いていきます…。引き続き、ご注目と叱咤激励をいただければ幸いです。

それでは、また明日。

■以下、討論全文■

かがやけTokyoを代表し、知事提出議案第180号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」ほか2件に反対、その他の知事提出議案すべてに賛成。議員提出議案第十九号に賛成、同第二十号に反対立場から、討論を行います。

初めに、個別の条例案について申し上げます。第180号議案ほか2件は、職員給与の増額にかかわるものです。本件は毎年指摘を繰り返していることになりますが、こちらの職員給与の見直しの基準となっている人事委員会勧告では、その比較調査対象として五十人以上の事業規模をもつ民間企業の給与平均値を算出し、民間給与と公務員給与の差を増額調整するとされています。

しかしながらこの算定方法では、金融や商社など給与水準の高い企業が多く含まれ、また平均値の場合、ある一部の高所得者が値を大きく引き上げることになります。実際に民間の実態を反映させるという前提であれば、平均値ではなく最頻値の導入を検討することが必要です。

2020年東京五輪大会の予算の膨張や、また豊洲市場移転問題において、都政が著しく信頼を失う中で、人事委員会勧告に従って機械的に給与を引き上げることに対して、都民理解を得ることは、決して容易ではないように思えます。以上の理由から、今回の職員の給与に関連する一連の条例案には反対するものです。

また、追加条例案として提出されました211号議案、都知事のさらなる給与削減については、賛成の立場から一言、申し上げます。いわゆる「盛土問題」を巡って発覚した都の不作為に対して、退職OBも含む多数の都庁職員に厳格な処分が下されました。盛土問題の原因が生じたと考えられている時期の都政のトップは、小池知事ではなかったにもかかわらず、不祥事と真摯に向き合い、都民への理解を求めるために、知事自ら給与削減を申し出たことについては、政治的リーダーのあるべき姿として高く評価し、条例案に賛成するものです。

そして、現在の都知事が自ら責任を取る姿勢を示しているのですから、当然にその政治的責任・道義的責任は当時の石原慎太郎元都知事にも生じるものです。石原元知事には、公的な場での説明責任を果たされることを強く期待するとともに、議会としても必要に応じて特別委員会、場合によっては百条委員会での参考人招致を検討することを提案いたします。

これらの一連の給与条例案に関連して、議員提出議案第十九号について申し上げます。共同提案している本条例案は、職員の給与に連動して議員の期末手当の引き上げが行われてしまう現行制度を是正するため、支給規定割合を据え置くものです。豊洲市場問題を始めとして都政・都議会への信頼が揺らぎ、議員報酬をはじめとする待遇の見直し議論が始められている中で、その流れに逆行して議員の期末手当が増額されるのは、著しく不合理であると言わざるを得ません。他の都道府県では、職員給与と議員報酬は別の条例案で定められているケースも多く存在し、そもそもの制度設計に矛盾をはらむ現状については、抜本的見直しの方向で議論を進めるべきと考えます。

また、以前から共同提出をしている、費用弁償の見直しを行う議員提出条例案については、都議会本会議の場で採決されることすらないまま、棚上げされている状況が続いています。先送りが続く状況については、遺憾の意を表明するものです。

さて、都民ファーストの情報公開、ワイズスペンディングを旨とする小池百合子知事が就任してから2回目となる本定例会を通じて、改革は大きく進展し、また様々なブラックボックスの中身の一端が明らかとなりました。

五輪会場見直しについては、3会場の再検討により、最低でも400億円のコスト削減に成功しました。また、今回の議論を通じて東京都とIOCとの直接のパイプができたこと、さらなるコスト削減の可能性が示唆されたこと、これまで都民目線で極めて不透明であった五輪組織委員会の実態が徐々に明らかになりつつあることは、高く評価をされるところです。もう一つの大きな都政課題である豊洲市場移転についても、専門家会議やプロジェクトチームの会議がすべて公開の場で行われ、安全性に対する懸念などが、慎重ではありながら着実に解消されつつあり、科学的知見に基づいた早期の解決・決着が望まれます。

一方で都議会の対応を見れば、東京五輪・豊洲市場問題を取り扱う両特別委員会の議論は毎回、著しくテーマが制限され、質疑が行われる時期もタイムリーとは思えません。また東京五輪であればオリンピック・パラリンピック調査チームなどの当事者、豊洲市場問題であれば石原元知事や当時の副知事などの責任者を参考人招致して議論を行うべきにもかかわらず、そうした本質的な議論がなされないまま、今に至っているのが現状です。都議会が都民目線に立てていない状況については、強く懸念を表明するとともに、早急な改善を求めるものです。

そして、本定例会で議論になったもう一つの大きな論点が、いわゆる政党復活予算の廃止についてです。これまでの都の予算編成過程では、各種団体や議会・議員からどのような要望があり、それらがいかに扱われたのか、そのプロセスも結果も見えにくい状況にありました。

さらに東京都では、200億円のいわゆる「政党復活予算枠」が慣例化され、毎年1月の各党・各会派の復活要望を踏まえ公表されてきました。しかし、このような復活枠がある道府県は、他にはありません。かがやけTokyoはかねてからこの仕組みには疑念を持ち、200億円は使い切らない、マイナスの復活予算要望を出したこともありました。

復活予算の過去の実績を見ると、毎年、同じ項目に、同程度のシェアで予算付けがされ、制度は行政と一部党派とのなれ合いのセレモニーと化しており、形骸化するとともに、既得権の温床ともなっていた疑念が強く持たれています。こうした状態を改善し、各種団体からの予算要望を受け付ける過程を透明化させ、予算を「見える化」した知事の決断を強く支持するとともに、きたるべき予算編成においても、大胆な改革予算が発表されることを期待いたします。

最後に、本定例会代表質問では、詳細な質疑通告を行わない、長時間にわたる質疑が知事に対して行われました。私どもは、事前調整を行わない真剣勝負のすべてを否定するわけではありません。しかし、そうであるなら、質疑応答のやり方は一問一答形式とし、答弁者にも反問権を与えなければ、健全な議論は成立いたしません。

現行の一括質問・一括答弁というシステムの元、膨大な範囲に及ぶ都政運営について、答弁者が書き取りきれないほどの質問をぶつけるやり方は、健全な議論を阻害するのみで、都民からの議会不信を招く一方ではないでしょうか。都民ファーストで建設的な議論を行うためにも、一問一答形式を導入するなど、状況に見合ったやり方と、都議会の格式にふさわしい議会改革が必要です。

そして、度重なる不祥事で都政・都議会への信頼が失墜し、二度にわたる知事給与削減が実行される中、少数会派を排除し、密室の非公開空間である議会運営理事会および、それに付属する会議体である都議会のあり方検討会で議論をされていた、議員報酬削減などの都議会改革については、遅々として進んでおりません。都民からの信頼を取り戻すためにも、二度にわたる知事給与削減を契機として、議員報酬の削減など議員待遇の見直しについても、早急に進めていくべきと考えます。

我々かがやけTokyoは、改革への志を同じくする選良たる議員の皆さまとともに、機能不全に陥った都議会のあり方検討会を超えた場で、都民ファースト・都政ファーストを前提とした、抜本的な都議会改革に向けて邁進していく旨をお誓いいたしまして、討論を終わります

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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