こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
社会的養護・児童養護は私のメイン政策の一つなのはご案内の通りですが、
関連の過去記事はコチラから↓
http://otokitashun.com/tag/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E9%A4%8A%E8%AD%B7/
これを見た逗子市議会議員の長島有里さんにお声がけいただきまして、
とある都外の児童養護施設の視察に伺いました。
彼女が月1で訪問している児童養護施設「鎌倉児童ホーム」は、
非常にオープンに訪問者を受け入れてくれるので、ぜひその取り組みを色々と見て欲しい!
子どもたちと一緒に夕ご飯を食べて、寝るまで一緒に遊んでみて欲しい!
とのことで、議員に対してそんなに開放的な児童養護施設なんてあるの…?
と疑問に思いながらも、一路鎌倉へ。
ありました、ありました!
※写真OKな子どもたちと撮影
総勢9名の子どもたちとわいわいキムチ鍋をつつき、
就寝時間まで2時間たっぷり一緒に遊ばせてもらいました。
小学4年生の女子、はるみちゃんにオセロで惨敗する都議会議員(32)。
マジで強かった。。でも、UNOでは勝ったぞ!(大人気ない)
中学生の女の子たちも人見知りせずに色々なことを話してくれて、
学校で流行っていることや恋愛事情なんかを教えてくれました。
最近の中学生男子は下ネタばっかりで、女子たちはドン引きしているそうです。
まったくどうしようもないですね!(私もそうでした)
■
訪問を受け入れてくれたのは、施設長の秦さん。
「ブログ読みましたよ。オトキタさんは脱施設派みたいですから、
とことん闘うつもりで待ち構えていました(笑)」
とにこやかに(?!)出迎えてくださいまして、
施設や社会的養護の現状・課題について真剣ディスカッション。
「施設の実態が見えないから、色々な誤解や偏見を招く」
「うちはいつでもフルオープン。ご飯くらい一緒に食べなきゃ、何もわからない」
ということで、議員などの部外者が訪問される際でも
積極的に子どもたちとコミュニケーションを促しているそうです。
これは本当に珍しいことで、行政視察というと受け入れ側は非常に身構えますし、
必要最小限の部分しか見せてくれないという場合が大半です。
情報発信に関しても、厳しくチェックが入ります。
子どもたちへの影響やプライバシー的に仕方のない面はありますが、
やや過敏になりすぎているのも確かであり、そうした対応の積み重ねが
実際に施設への疑念やイメージダウンにつながりかねません。
かたや鎌倉児童ホームはFacebookページなどでも、
積極的に普段の子どもたちの様子や活動内容を紹介しています。
鎌倉児童ホーム
https://www.facebook.com/kamakura.jidou.home
SNS発信をしている児童養護施設は、極めて異例なのでは…?
また同様に、
「施設の子ども達に○○(バンドの演奏など)をしてあげたい!」
という申し入れに関しても、積極的に受け入れているというお話が印象的でした。
児童養護施設にエンタメ等の一時支援を提供するのはけっこうハードルが高く、
「なんらかの実績や信頼関係がないとダメ」
「公平に全員に対して便益が行き渡るものでないとダメ」
という理由で断られるケースが多かったりします。
そうしたことに縛られずに、なるべく受け入れていこうと。
「ただし、子どもが参加するか、楽しんでくれるかは自己責任」
「『掴み』で失敗するような企画は、たいていダメだね(笑)」
なんておっしゃっておりました。
企画を提供してくれるのは良いけれど、
子どもたちには強制参加はさせれませんよーという方針なわけですね。
「確かに施設は万能ではない。施設内暴力など、歴史的にはあったこともある」
「しかし、施設が必要な子どもは必ずいる。より良い環境のために、政治の力も必要」
と力強く語る施設長の秦さんの目には、
人生をその職務に賭けた人だけに宿る信念がしっかりと見えました。
■
私は確かに里親委託・特別養子縁組の促進を主張する立場ですが、
何も「施設のすべてを廃止セヨ!」と言っているわけありません。
だから家庭養護派の方々に中途半端と言われたりするわけですが(苦笑)、
スペシャルニーズへの対応や高年齢児童の受け入れ、本人の希望などで
施設の方が望ましい場合というのも一定数、必ず存在します。
その一方で、課題は多くあります。
鎌倉児童ホームのキラキラした子どもたちの姿を見れば、
この施設は素晴らしい運営をされていることがわかります。
しかし現時点では、施設によって環境に大きな落差があり、
残念ながら子どもは施設を選ぶことができないのです。
福祉先進国では子どもが複数の施設を見学し、テスト滞在をしたりして
自分によりマッチした施設を選ぶ(または福祉司が判断する)ことが
できる場合もある一方で、我が国はそのような潤沢な状況にありません。
里親でも同様の選択に関する問題はもちろん発生しますが、
要保護児童たちのより一層の福祉増進のためには、
里親・施設を含めた多様な選択肢を用意する必要があります。
■
ちなみに昨今話題になっている保育士の低賃金・低待遇は、
児童養護施設での人員不足問題にも密接に関連します。
スタッフのキャリアを育み、子どもたちへの対応スキルを上げるためには、
ここに対して早急な公的支援が欠かせません。
軽減税率で一部の業界やお金持ちを優遇したり、
低所得の年金者に一律3万円も支給している余裕があるならば、
我が国の政治は先にやるべきことがあるはずです。
目先のバラマキより、未来の子どもたちへ投資を。
微力かもしれませんが、私は引き続きこのことを
都政・国政で強く主張し続けていきたいと思います。
(何故か夢の国のキャラクターと、秦施設長と)
訪問を受け入れてくれた秦施設長、鎌倉児童ホームの皆さま、
そしてお声がけいただいた長島市議、ありがとうございました!
また長島市議は、要保護児童たちと経験豊かなシニアたちをつなぐ
NPO法人を立ち上げられて実際に活動しています。議会での政策提言だけでなく、
我々もこうした活動をして目に見える貢献をできるようになりたいものですね。
ボランティアなど、何か協力できることを探したい!
という方は、下記のページもご参考にしてみてください。
NPO法人KANTAN
http://yurinagashima.wix.com/kanatan
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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