もっと、新しい日本をつくろう

「ビジネスマン出身なんだから、経済・産業政策で目玉はないんですか?」ってよく言われるけど…

日々のこと,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
私が情報発信する政策は児童養護や障がい者、子育て支援などの
福祉政策関連のボリュームが比較的多いため、

「せっかく民間・ビジネスマン出身なんだから、経済政策も語ってくださいよ」
「産業振興でなにか、打つ手はないの?」

という指摘・ご意見をいただくことがあります。

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ちなみにこれは私が気鋭のビジネスマンであった時代のデスクであるが、
コメントは控えておく。若気の至りだったと思って欲しい。←

うちの政党は国会議員に上場企業経営者であった松田代表・山田政調会長がおり、
地方議員にもベンチャー企業家のいとう陽平新宿区議を擁するなど、
ビジネスや経済・経営に明るい議員が多いのですが、いつも議論をしていると

「結局、政府や行政は『何もしない』のが一番なんだよね

という結論に行き着きます(苦笑)。
いやもちろん、細かいことを言えばあるにはあるんですけど、
大きな方向性としてはとにかく、市場に介入しないことです。

何度も繰り返し述べてきている通り、
行政には行政の得意分野・強みがあるものの、日々のイノベーションの連続や
強い競争意識が求められる経済・産業方面は極めて苦手な分野です。

東京都の事例で言えば「新銀行東京」を始めとして、
行政が自ら運営する事業の多くは失敗するのは勿論のこと、

「気鋭のベンチャー企業を選び、補助金を出してサポートします!」

なんていう政策についても、
そんな目利きをする能力自体が行政にはありません
(さらに言えば、投資に失敗したらヤバイ!という危機感もない)

もちろん、補助金をうまく活用して世に出るベンチャーも皆無ではありませんが、
そのような力のあるベンチャーは民間の投資機関でも成功した可能性が高いですし、
多くの場合、行政の補助金は「バラまき」になっているのが実態と言えます。

このような政府・行政の役割については、
山田太郎参議院議員が以前に書いたことが秀逸ですので、一部を引用します。
一部企業上場の経営者だからこそ、説得力を持つ言葉です(強調部分は筆者追加)。

経営は、順調な時も困難な時もありました。多くの良き社員やクライアントに恵まれ会社は大きくなってきました。途中、国の政策変更で減損会計見直しがあり、その影響で会社は債務超過に陥りました。しかし、支援者も現れ会社は再生することができました。

15年程前に一人で起業して以来、会社は、国からあらゆる補助金や援助ももらわず、私が一人で借金をし、すべての責任を負って維持、運営してきました。

私が参議院議員となって国政に入り、最初に驚いたことは、多くの国会議員に「国は国民や企業に対して施すものだ」という発想が根強いことです。国のお金を使ってあらゆる補助金を配布する。国会で目にしたのは、議員が国会での質疑を通じて大臣や政府に何かと理由をつけて「施し」を迫っていく姿でした。

「施し」のお金の源泉は税金です。その税金は、元々国民のお金です。多くの施しのために多額の税金が投入され、税金が足りない分は国債を発行することで賄っていくのです。

「施し」をもたらした議員は、きっと地元ではヒーローになれます。驚いたことに多くの地域では、この施しで数々の企業運営が成り立っているのです。まさに「バラマキ」です。この「バラマキ」は選挙の時にお世話になった団体へのお礼の意味もあるのです。

「施し」つまり、財政投資や公共投資は、経済再生のカンフル剤としては一時的にはいいのかも知れません。しかし、この注射を打ちすぎると経済も企業も依存症になってしまいます。まさに、経済の麻薬です。

国のお金が無尽蔵にあるならいいかも知れません。しかし、この麻薬の原資は国債という国の借金です。そして、この借金を返済していくのは次の世代なのです。

「施し」を受けていい思いをした我々の世代が国の借金で破綻してしまうのなら、それは「自業自得」かもしれません。しかし、この多額に積み上げられた借金は確実に次の世代へのつけとなるのです。

(中略)

「将来不安」と「世代間格差」の解消は、「施し」をやめ、今の世代が自立、自活していくことが基本原則だと考えています。経営も国の補助金だけで生き延びているとしたら、それはゾンビ企業ということになります。それでは、国も経済も強くなりません。

国や政府の介入は極力控え、民間が主役で社会、経済を動かしていく。政治は、非常事態にのみ活躍するという原則を打ち出すことが必要だと思っています。これは、私の政治の原点、いや経営をしているときからの原則でもありました

全文はコチラから→
基本理念と原点に立ち戻って~みんなの党の解党にあたり、守るべきこと~
http://taroyamada.jp/?p=6090

というわけで、今後政府や行政が行っていく政策としては、

・参入障壁を取り除き、規制緩和を行うこと
・起業などの手続きを簡素化し、サポートすること
・何より税金を安くすること

などが適切であると思います。
それと、道路や港湾などのインフラを整備していくこと等は、
間接的には経済・産業政策になりますね。

商店街振興のための◯◯金、××券!
ベンチャー活性化のための△△補助金・支援金!

…などのわかりやすい、派手な政策がなくて申し訳ないのですが、
掲題の質問に対する答えはやっぱり

「行政が余計なこと(規制含む)をしなければ、経済は今より良くなると思いますよ」

という回答に行き着くのです。
そしてまた新自由主義者と罵られ、地場の商店街には嫌われるのである…。

「何かをする」より「何もしない」勇気が必要な場面もあります。
今後も軸を保ちながら、しっかりと政策提言をしていく所存です。

そうこうしているうちに、議会日程も残り1日!
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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