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政治家はどこまで、情報発信に慎重になるべきか?-双方向性と集合知の可能性-

日々のこと

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
今日の夜は「勝つ!政治家.com」さま主催のイベントで、

「ブログ・SNSを熱心に使っている地方議員座談会(仮)」

に参加をさせていただきました。
参加議員は水野ゆうき千葉県議、青木かの中央区議、中妻じょうた板橋区議。

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政党も地域もバラバラですが、
それぞれネット活用に長けたメンバーが集まり、
異なる視点からの意見が活発に飛び交い、私自身も大変勉強になりました。

全体の模様は後日、「勝つ!政治家.com」さまに記事が上がると思いますので
そちらをご参照いただくとして、本日話題になったポイントの一つをご紹介。

皆それなりに「ブログ」というメディアを使っているわけですが、
ある方はかなり慎重に内容・文章を作りこむタイプ。
(これはこれで大変すばらしい!)

「ブログを書くときは、最低でも2時間くらいかける」
「中途半端な状態であれば書かない(毎日更新にはこだわらない)」

とのことで、内容はこれで正しいか、間違いはないか、
クオリティは十分かをしっかりと吟味し、納得できるものしか
ブログという形では情報発信をされないそうです。

一方の私はというと、ご案内の通りおそらく真逆のタイプ(笑)。
その日の視察や勉強会で学んだこと、聞いたこと、気づいたことなどを
迅速にアウトプットをして発信することを良しとしています。

もちろん公人という自分の立場は自覚していますので、
まったく誤った情報を記載しないようには注意しておりますし、
完全な間違いを指摘されれば迅速に謝罪・訂正をするように心がけています。

しかしこのスタンスで情報発信をしていると、

「勉強不足で、てんでダメ」
「見方・捉え方が一面的で、誤解を招く」
「そんな中途半端な知識しかないなら、公の場に書くな!」

などのお叱り・ご指摘をいただくことが多々あります。
私の力量不足は事実であり、それは誠に申し訳ない限りです。

しかしそれでも、私が迅速性にこだわって
日々情報発信をするのには、自分なりの理由があります。

まずもって特に意見が分かれる・議論がある政策分野について
しっかりと論じようと思えば、何千文字もの分量が必要になってしまい、
そもそも文章での迅速な情報発信や報告・共有を行うことはできません。

議員・政治家の領域は多岐に渡りますから、
もう少ししっかりと調べてから、慎重に情報発信・政策提言しよう…
と考えている間に、それをどこかに忘れてしまうということになりがちです。

一方で不完全ながらも迅速な情報発信を続けていると、
万が一不適切な知識で書いてしまった部分があれば、
専門家や現場の第一線で活動している方から

「この○○という部分は、厳密には異なる」
「××という考え方もあり、実際には△△が足りない」

などの非常に貴重な、普通には手に入らない情報が得られることがあります。
それをきっかけにさらなる調査研究・情報収集を続け、
政策提言へと具現化することも枚挙に暇がありません。

自分の例を出してお恥ずかしいのですが、私の書き方が悪かったこともあって、
先日触れた発達障害についての記事に対して多くのお叱り・ご指導をいただきました。

おときた駿議員のブログ記事「(現時点で)科学的根拠の薄い「発達障害」を支援することの困難さ」に対するtwitter上の批判まとめ
http://togetter.com/li/874495

現在、この点については寄せられた意見を元に調査研究中であり、
しっかりと固まった時点で再度の情報発信、そして政策提言をしたいと考えています。

こうした

「リアルタイムで政治家の意識・行動を是正できる」

というのは、双方向性を持つネットの強みの一つではないでしょうか。
もちろん、無責任な情報発信によって偏見を助長することには注意を払わねばなりませんが、
あまりにも慎重な姿勢はその可能性を奪うことにもなりかねません。

そして政治家たちの議会活動の現場を見てみれば、

「勉強会や視察で言われたことを、そのまま質問して提言する」
「地域住民から受けた陳情(クレーム)を真に受けて、行政を激しく問い詰める」

という姿は実際に多々散見されるわけです。
それが力のある議員だと、事実と異なったり、一方的な意見だったとしても、
そのまま通ってしまったりします。

それがその前に、

「ネットで情報発信し、集合知の洗礼を浴びる」

というプロセスを経ることで、
誤った政策提言が行われるのを防ぐことができるのではないでしょうか。

…と、長々と書いてさらに誤解を招いたような気もします。。

繰り返しになりますが、迅速かつ正確で十分な情報発信をできることがベストですし、
完全に誤った情報を発信して、誤解を招いてはいけないことは大前提です。

適切な範囲内で、有権者の代表である議員がリアルタイムに感じたこと、
次の議会で提言しようと考えていること、あるいは実際にしたことを共有し、
常にフィードバックを受けて改善ができる議員でありたいと考える次第です。

今後とも様々なご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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