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政治家(地方議員)は「勤務先」を記入するのにけっこう困る不思議な話

日々のこと,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本日は全国都道府県議会議長会が主催の

「新任議員研修会」

に半日間に渡って参加をして参りました。
「新人議員」じゃなくて「新任議員」なところにこだわりを感じますね!

私はすでに任期も半分以上が経過していますが、なぜこんな時期に
新人研修があるかというと、今年4月に行われた統一地方選挙に合わせているため、
選挙がずれている都議会は中途半端な時期に当たってしまうわけですね…。

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研修の内容としては

「地方公共団体とは」
「地方議会における二元代表制とは」
「地方自治・財政制度とは」

等など、まるで大学の授業みたいだなあ…と思いながら受けましたけど、
講師の方が大学教授なのでそれも当然でした。えへへ。

その中で聞いていて、改めて面白いと思ったお話を一つご紹介。
実は「地方議員」って、法律上すんごいふわっとした曖昧な存在なんですよね。

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地方自治法・地方公務員法では「公選職(議員職)」という位置づけはなく、
我々の存在は公務員の「特別職」という分野にカテゴライズされてきました。

細かいことをいうと複雑なのですが、要は行政審議会に委員として参加するような
有識者の先生方などと変わらない位置づけなわけですね。
(こういうのを非常勤の「任命職」といいます)

これで具体的に何が困るかと言いますと、
例えば我々地方議員は、契約書や申込書などで
「勤務先」を記入するときにハタと困り果てることになります。

確かに給料は所属する地方自治体からもらっているけど、
雇用契約があって常勤勤務しているわけではない。実際、非常勤の任命職に過ぎない。
となると、一般的な意味での勤務先が存在しないわけです。

そうなると、例えば女性議員が子どもを保育所に入れるときに必要な
「就労証明書」は誰が発行するんだ、という話になります。

法律的な裏付けがないので、自治体によって議会局が発行してくれるところもあれば、
所属している会派や政党が発行するものを使用する議員さんもいるそうです。

ちなみに私自身、これまで色々な書類で勤務先には

「みんなの党本部」
「東京都議会 議会局」

とか色々書いてきましたが、
現在は「東京都議会議員おときた駿事務所」にしています。

が、これで正しいのかは、正直イマイチわかりません。。
役職とか聞かれると、さらに困りますし…。
(そりゃあローンの審査も落ちるわ)(別に出してないけど)

そして、これは私も本日初耳でしたが、平成21年から開始された
「裁判員制度」では、国会議員は裁判員になれないと定められているのに対して、

「地方議員は、議会の会期中を除いて辞退ができない(辞退するのに理由が必要)」

など、国会議員と地方議員でも明らかな法的差別待遇があるそうです。

こうした地方議員の位置づけの不明瞭さは、
地方議員のアイデンティティを薄めさせ、地方自治の軽視につながるものとして、
様々な学識団体が国へ申し入れを行っているものの、現在のところは改善されていないとのこと。

我が身のことながら、法律とか政界って不思議だよなあ…
と改めて思った新任議員研修の一日でした。

もし皆さまも身近に政治家・地方議員がいらっしゃったら、

「あなたの職業(勤務先)って、厳密には一体なんなんですか?」

と聞いてみてください。
案外と皆さん、答えられないかもしれませんね?!

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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