こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
白紙に戻った新国立競技場、盗作疑惑のエンブレム、
1着25万で炎上したボランティアユニフォーム(デマのようです)…
何かと(負の話題に)事欠かない東京五輪ですが、
新国立競技場の2,520億という数字ばかりがひとり歩きしておりまして、
結局のところ最新の予測ではいくらかかるんでしょう??
そのあたりをもろもろ整理するために、
本日AMに上田都議とともに東京都の担当部局からレクチャーを受けて参りました。
「何をもって五輪の予算・経費とするのか?」
というのは諸説あるところですが、
あくまで行政オフィシャル的に認められているのは
立候補ファイルでまとめられている数字となります。
立候補ファイル(財務は第二巻テーマ6を参照)
http://tokyo2020.jp/jp/plan/candidature/
P54 組織委員会予算 3,013億
P55 非大会組織委員会 293億円
P57 施設整備にかかる費用 3,831億円
計 7,097億円
これがいわゆる「東京五輪にかかる予算」として
現存している公式な唯一の数値です。もちろんここから、
新国立競技場を含めて色々な金額が上下しているんですけど、
「他にオフィシャルな数字や、変更されたものは現存しないんですか?」
「…ありません」
とのこと。
都の担当者も口には出しませんでしたけど、
「コロコロ数字が変わりすぎて、作ってられないっす」
的なオーラをそこはかとなく感じました…(苦笑)。
当初予算では、新国立競技場は1300億円で組まれていたのは有名なところです。
■
で、私の職責である東京都はこのうちどれくらいを負担するかというと、
当初予算では設備投資の中の1,538億円と計算されていました。
これが資材費や人件費の高騰で一時期は4,584億円にまで膨れ上がり、
見直し機運によって既存の施設の代替などを決定されていき、
現状として2,469億円という数字が公式なものとして発表されています。
これに対して東京都がどのような財源確保をしているかと言いますと、
石原都知事時代に4年間で、4,000億円超の五輪基金を積み立てています。
運用を含めて、最大時に基金は約4,200億円まで達しており、
承知が決定した平成26年度から少しずつその基金の取り崩しが始まっています。
4,200億円の準備基金に対して、2,469億円の支出見込みですから、
財源的な数字だけを見れば東京都の準備は盤石とも言えそうです。
裏を返せば、だからこそ国が新国立競技場の東京都負担を狙っているとも言えます。
(上記の2,469億円に新国立競技場の負担額は入っておりません)
ですが、あくまで東京都民の税金で積み上げた五輪基金は、
「五輪に関わる(東京都の)社会資本整備のため」
に使われるべきものであって、
負担根拠が不明確な社会資本に投資することは不適当です。
新国立競技場の計画は白紙に戻りましたが、余談は許しません。
先達が十分に積み上げた五輪基金がしっかりと活用されるよう、
引き続き注視をしていく必要がありそうです。
■
というわけで、
・東京五輪の予算は7,097億円(立候補ファイルによる)
・この数字以外のものは、今のところ公式には計算されていない
・東京都の費用負担見込みは2,469億円
・そして東京都は、五輪基金として約4,200億円の基金を積んでいる
以上、良い機会なので数字をまとめてみました。
これを見ると改めて、新国立競技場の2,520億円のインパクトがわかりますね…。
また動きがあり次第、ご報告・情報共有をしていきます。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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Tags: オリンピック・パラリンピック