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都議会議員だけど、HIV検査(性病検査)に行ってきた ※7/10 10:00追記あり

日々のこと

なんて破天荒なタイトル!!
こんなことを未だかつて、公人(政治家)が書いたことがあっただろうかっ?!

…とまあテンション高く始まりましたが、一通り体験してきましたので、
せっかくなので皆さまにレポートを共有しようと筆を取った次第です。
(後半に真面目な話もあります)(というか、すべて真面目です)

きっかけはですね、何もやましいことがあったのではなくて…。
政治家・議員をやっていると様々な難病の支援・啓発団体と意見交換するわけです。
その中にはもちろん、HIV患者の支援や病気の啓発活動をしている方々もいらっしゃいます。

そうした方々の話を聞き、勉強するうちに、

「これは自分自身の検査もしておくべきではないか?」
「身近でできることくらい、実際に身を持って知っておかねば!」

と思い立ち、検査に行こうと思ったわけですね。

ご承知の通り私は独身ですけど、人並みに恋愛体験はしておりますし、
俗な話で大変恐縮ですが、性行為の途中に避妊具がアレしてコレしたこともあります。
(そういうミスは100%は防げません…)

HIVは発症するまで、自分が感染したことに気づくことはまずありません。
いつの間にか感染し、感染ルートの加害者側になることもありうるわけですね。

そんなわけで、「まさか自分が…」とは思いつつも、
思い当たるアレコレに考えを馳せながら、まずは検査方法を調べ始めました。

検査と言えばまず一般的には病院が思い当りますが、

「HIV・性病の検査は、保健所で無料でやってくれるよ」

という話を聞いたり、学校でならった方もいらっしゃると思います。
その通りで、多くの自治体の保健所で検査は無料で受けることができます。

例:検査を受けてみよう 東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/aids/kensa/

保健所での検査は「無料」「匿名」「行政なので、安心感がある」
などのメリットがある一方で、平日日中、しかも月2回程度しか行っていないため、
会社員などの勤め人が利用するのはなかなか厳しいかもしれません。

※7/10 10:30追記
場所によっては毎日、夜間の時間帯もやっている場所もあるそうです(南新宿など)。
詳しくは上記ホームページよりご確認ください。
(不正確な情報だと福祉保健局に突っ込まれました。苦笑)

私はそれなりに行動の自由が効くので、
職場(都庁)に近い新宿保健所で検査を受けることに致しました。

HIV検査相談マップ 新宿保健所
http://www.hivkensa.com/search/?enc=%E3%81%82&mode=detail&id=116

おおむね毎月、第一木曜日の13:30~15:30で行っているようです。
電話(匿名で、番号のみが言い渡される)で前日に予約を入れて、検査会場へGo!

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「健診会場」とぼかした書き方にしてあるのは、きっとやさしさでしょう…

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国籍は問わず、外国人の方でも受けられるということで、
待合室には西洋人を中心とした外国人が多く溢れていました。カップルの姿も。
日本人:外国人=3:7くらいですかね…。

匿名なので、在留外国人かツーリストなのかは不明です。
観光客に税金使って検査するのはどうなんだろうと思いましたが、
匿名性を担保するためには仕方のないことかもしれません。

どうも西洋人のガイドブックかネットサイトに

「日本ならタダで性病検査が受けられるぜ!」

って書いてあるようですね…。
普通にバックパック持ってる人たくさんいたし。

検査は英語・スペイン語・ポルトガル語対応(さすがに新宿や都心だけ?)。
なぜか中国人やアジア人の姿は見られないことが印象的でした。

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待合室で、検査の説明書きを読みながら待ちます。
掲示板には様々な啓発キャンペーンの告知も。

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保健所や自治体によって異なるのかもしれませんが、
ここではHIVに加えて「梅毒」「クラミジア」の検査も行ってもらえます。

検査方法は問診・検尿・血液検査です。
始まれば5分程度であっという間に終了しますが、
最大のクライマックスは最初の問診です。

「本日は、どのようなきっかけで検査にいらしたのですが?」
「…(テンパる)いや、一人の責任ある社会人の責務だと思いましてっ!」
「失礼ですが、同性間での性的接触の経験はありますか?」
「(さらにテンパる)あ、ありませんっ!」

思い出すと泣きたい。

※差別的なものではなく、やはり避妊具をつけない同性間の性交渉でHIV感染が起こりがちなのは事実なので、マニュアル的に聞かれるものだと思われます

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終わったら、名前が一切ない控えをもらって終了。
電話や手紙で結果を知ることはできず、こちらを持って
1週間後の同じ時間帯に保健所を尋ねることになります。

社会人が保健所で検査を使用と思ったら、
有休か半休を2回使わなければいけないわけで、
そういう意味でもやはり厳しいですね…

※7/10 10:30追記
こちらも、即日検査結果がわかる検査場所もあるそうです。
詳しくは各自治体のホームページからご確認ください。

■(1週間後)■

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ソロモンよ、私は帰ってきた!!

ということで、再び外国人で溢れる待合室へ。
もうここで、緊張感MAX&心臓ドッキドキです。

もし陽性だったらどうしよう…まず誰に打ち明ければ。。
と、ネガティブな発想が脳内を駆け巡ります。

「265番の方ー」

部屋の中に呼ばれ、机の上には封筒が。
おもむろに差し出されたその紙には…

HIV (-)
梅毒 (-)
クラミジア (-)

※実際にはもっと難しいことが書いてありました
※-(マイナス)は陰性。陽性だと+と表記されます

よ、良かったーーー!!(全力で安堵)
陰性の場合、紙はもらえないので口頭告知のみになります。

「これからも定期的に検査に来てくださいね!」

と優しくアドバイスされ、1分程度で終了。
しかし正直、こんな身も凍る体験は二度としたくありません…。

きちんと責任を持って細心の行動を心掛けよう、
ていうか早く結婚しようと心から誓った帰り道でした。

ここからは真面目なお話し。

東京都福祉保健局のデータによると、
平成26年のある保健所でのHIV検査の結果で陽性率は0.8%。
なんとおよそ100人に1人がHIVに感染している計算になります。

※7/10 10:30追記
こちらは福祉保健局のHPより転記した「南新宿検査・相談室」の数値です。
一般的な保健所の検査結果だと0.25%~0.4%くらいが平均とのこと(福祉保健局担当者談)。

各種データでもHIVの国内感染数は増え続けており、
これは大変残念ながら先進国では日本だけの現象だそうです。

参考:平成25年3月31日現在の日本国内エイズ患者の推移(男女比・感染経路別)
http://www.karada-navi.com/data/5216/

年間20万件と言われる中絶件数もそうですが、
我が国における性教育は十分なものとは言えません。
特にHIVは一時期のブームが去ってから、認知率が低下していると言われています。

若い人たちの間の性交渉では、

「おれ、避妊具つけない主義なんだよねー」

という男性が多くいるのは事実ですし(主義ってなんだ?!)、
「そうした状況になると断れない」という女性の声も多く聞かれます。

避妊具は文字通りの「避妊」だけでなく(それも超大事ですが)、
こうした性感染を防ぐ、まさしく命の問題なのだと再認識しなければいけません。
…そう考えると、どこぞの地方議員が

穴の開いたコンドームを配ったらどうか

と発言した例の事件って、改めて常軌を逸してますね。。

何はともあれ、百聞は一見に如かず。
これまで自分には縁がないと思っていた(特に独身の)方々、
何らかの機会に保健所or病院で検査を受けられてみるのはいかがでしょうか?

あれほどの恐怖や緊張感を味わえるのはなかなかありませんし(苦笑)、
逆説的に性規範に対する意識が高くなると言う副次的効果もありそうな気がしますよ?!

あー、とにかく、こんな記事が書ける結果でほんと良かった。。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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