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「お母さんがボケた!」その時、周りに頼れる人はいますか?

日々のこと

本日は都議会の委員会視察で、石川県金沢市に来ています。
初めて東北新幹線に乗ったな…。

前にどこかで書いた気がしますが、都議会では所属委員会毎に
年1回の「管外視察」があり、委員会所属メンバー全員で東京都を離れて
全国の先進的な取り組みを視察に行く慣例があります。

まあつまり、公費による出張です。昨年は日帰りでしたが、今年の厚生委員会は一泊二日。

写真 (2)aa

本日の目的地は「医療法人敦賀温泉病院」。

「…委員会視察で温泉だと?!」

という語弊を前回で招くネーミングの視察先ですが、
まだ『認知症』という言葉が世間一般に広がるはるか前から
その啓発や先進的な対応に取り組んできた医療機関です。

「認知症アウトリーチ専門チーム」

なる組織を全国に先駆けて結成し、訪問診療を積極的に行うことで
認知症の早期発見、家族を含めた症状緩和への対応策を考案してきたそうです。

しかし、院長や病院の取組みを聞いていてつくづく思ったのは、
認知症の治療、特に早期発見というのは医療分野だけでなく
地域コミュニティの再生・構築に関わる課題だということです。

これは別の認知症専門家の方に聞いたお話ですが、
認知症はその対象者単独からの聞き取りだけでは発見が難しい時があると。

「昨日、何を食べましたか?」
「ハンバーグです!」
「ここまでどうやってきましたか?」
「バスを乗り換えて、最後は歩いてきました!」

このように瞬時にハキハキと受け答えができる方でも、
実はそれがまったくの記憶違いであるケースがあります
行動を共にしている家族や地域の友人がいれば、

「いえ、昨日の夕飯は焼き魚でしたよ」

という情報を得ること、初めて認知症の症状を確認できるのですが、
当事者からのヒアリングだけでは「正しいか否か」を判別できないわけです。

この点は他の厚生委員の議員からも、

「家族と同居している場合は良いが、単独生活をしている高齢者の方の場合、
 訪問診療でどのように認知症の具合を把握・早期発見するのか?」

という質問が出まして、

「地域住民を巻き込み、互いにサポーターにしてしまう」
「地域組織が出来上がってしまえば、お金も一銭もかからない」

とのことでしたが、これは都会においては
極めて難しい解決策ではないかと思われます。

「地域のコミュニティ再生」

は多くの政治家が公約に掲げ、行政も取り組んでいるところですが、
なかなかその解決の糸口は見えておりません。

既存の町会や自治会は高齢化・加入率の低下が進み、
集合住宅に住む単身世帯にはほとんどリーチできていないのが現状です。

この層が一気に高齢化し、認知症が発症したとき、
果たして東京都はどうなってしまうのでしょうか…。

「世代間交流」

というキーワードは様々な組織が口に出します。
ですが、若い世代から見れば「年配の方の話など聞きたくもない!」
という方が多いのが現状ではないでしょうか。

既存の自治会や町内会にお金を出すだけでは、
今より下の世代を取り込むことが極めて難しい状況の中では、
残念ながらこの敦賀の成功事例をそのまま活用することはできません…

厚生委員会の範疇ではありませんが、
この視察を活かすためには

「比較的都会で、地域コミュニティの活性化に成功した事例」

を学び、東京で実行する必要性があると感じました。
これ、本当に難題なんですよね…何かアイディアがある方、
ぜひとも教えてくださいませ。

明日も引き続き、石川・福井で視察です。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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