もっと、新しい日本をつくろう

障がい者に合わせることは、決して健常者の「譲歩」ではない

改めまして、北区議会議員選挙におきまして二人三脚で戦ってきました
斉藤りえが無事6,630名の方から信託をいただき、議席を獲得することができました。

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この場を借りて、皆さまに深く御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!
※インターネット上での御礼は、公選法上で認められています

終わった後だから言えることですけど、(特に体力的に)厳しく辛いながらも、
非常に学びが多く、また楽しく充実した日々を駆け抜けてきました。

何度も繰り返しで恐縮ですが、聴覚障がい者である斉藤りえさんと過ごす日々の中で、
私は本当の意味で「自分と異なる人と一緒に行動する」というのが
どういうことなのか少しずつわかるようになりました。

例えば、昨日の開票速報の時にも、
こんな象徴的なシーンがありました。

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一回目の開票速報が開く瞬間。
文字通り固唾を飲んで見守る二人(笑)。

この開票速報、北区のローカルテレビで放送されていたんですけど、
最初の速報は数字を画面に出すのが間に合わなかったらしく、
アナウンサーによる肉声の読み上げのみ(手話通訳もなし)。

他の候補者が「400票」で横並びスタートする中、
斉藤りえの名前とともに「800票」という倍の数字が読み上げられると、
喜びを爆発させる周囲のメンバーたち。

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でも写真のように、りえさんはワンテンポリアクションが遅れるわけですね。
私なんて超反応して立ち上がってしまってますが…。

周囲のメンバーのリアクションを見て、
ゆっくりと獲得票が2倍もあったことを伝えて、
彼女も初めて感情を表すことになるのです。

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このように、障がいのある人とない人では、ペースが異なることは事実です。
だからこそ有権者の皆さまから、

「障がい者が議員の中にいるなんて迷惑だ」
「議会の進行が彼女一人のために遅れる、そんなことはもってのほかだ!」

という厳しいご意見をいただいくこともありました。
確かに私自身、当初は彼女や聴覚障がいを持つ仲間たちと過ごす時間に

「ああもう、全然計画通りに進まない!」

と感じていたことは事実です。
字幕や筆談など異なる対応が必要なメンバーが一人でもいれば、
その人に合わせてミーティングや作業に時間が倍かかる、効率が悪い…。

しかしそれは、まったくの間違いでした。
単に私たちはペースが「異なる」だけで、それは遅いわけでも悪いわけでもなかったのです。

メンバーに聴覚障がい者がいることに慣れてくれば、

「事前にこの辺りは整理して、紙(文章)にまとめておこう」

というふうに、違うオペレーションが発生するかもしれません。
でもその分、スムーズに打ち合わせが進んだり、後に議事録をつける手間が省けたりします。
最終的には、普段の仕事とまったく変わらないパフォーマンスが出せるようになったのです。

私自身が体験した、これは嘘のようなホントの話。

私たちは時に障がい者の「障がいを乗り越えて活躍すること」を美談として、
障がいを持ちながら健常者と同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮することを期待します。

しかしながら、障がいを持つ人がありのままに過ごせることこそが
真のバリアフリー社会であり、多様性を受け入れる環境のはずです。

そしてそれは決して、健常者側から「譲歩」することとは限らないのです。
私たちはそろそろ、まずは政治家が率先して、その事実に気づくべきではないでしょうか。
彼らに合わせることで見えること、できることも沢山あるはずだから。

時同じくして、兵庫県明石市でも聴覚障がい者の議員が誕生しました。
一気に日本に、言語聴覚障がいをお持ちの議員が2人も存在することになります。

手話演説 明石に全国初の議員
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6158035

>全日本ろうあ連盟(東京都)によると、耳が聞こえず、声も出ない議員は国政も含めて全国で初めてという。

渋谷区では「同性パートナーシップ」を推し進める長谷部氏が区長になるなど、
これらが同時に起こったことは私は決して偶然とは思いません。人々が、時代が、
多様性を受け入れることを強く要請しているのだと思います。

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(当選翌日の朝立ち。二人とも眠そう。笑)

もちろん、大きな問題提起をした彼女の挑戦は素晴らしかったと思う反面、
ここからが本当のスタートです。議員としての職務をいただいた以上、
その存在だけでなくしっかりとした結果を示さねばなりません。

無理だと言われたホステスから、無理だと言われる政治家へ。

障がいのある人も、ない人も、誰もが政治家になれる社会へ。
その挑戦をここ地元北区から支えられることを、私は誇りに思います。

ぜひとも北区議・斉藤りえの活動に今後ともご注目いただき、
厳しいご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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