次の世代に希望をつくる

予算委員会初日、高市総理の答弁に変化。農水大臣問題は「ただのスキャンダル」ではない

• 日々のこと

10月13日から、衆議院で予算委員会がスタートしました。

一問一答で総理を含む閣僚と与野党の論戦が始まったわけですが、やはり大きな焦点の一つになっているのが、農林水産大臣をめぐる問題です。

選挙で自分を応援しなかった自治体に対して「予算をカットさせていただいた」と断言する音声が複数出てきており、世間からは大きな批判が起きています。

先週の代表質問でも、野党を中心に厳しい追及の声が上がりました。

■

まず、私の基本的なスタンスから整理しておきます。

週刊誌報道を片手に、予算委員会でスキャンダルを追及する。私はこれには原則として否定的です。

不倫などの女性問題や、政治とお金の問題の一部。確かに問題ではありますが、国会の場でやるべきことなのかという疑問は以前から持っています。

ただ、今回の件は次元が違います。

国の予算をどこにつけるか。これはまさに国会、とりわけ予算委員会で審議すべきことのど真ん中です。

与党議員が、自分を選挙で応援しなかった首長の自治体の予算を削れと省庁に命じた。そして本当に予算が削られた。

もしこれが事実なら、この国の政府はどういう基準で予算を差配しているのか、という話になります。

ただのスキャンダルではありません。

野党が国会で追及する価値は十分にありますし、政府・与党としてもしっかり答えなければいけない案件だと、私は当初から考えていました。

■

報道が出て以降、高市総理は基本的に一貫して大臣を守る姿勢を見せてきました。

「しっかり説明責任を果たし、仕事で返してほしい」。更迭をうかがわせるそぶりは、これまで一切ありませんでした。

ところが13日の予算委員会、午後2時半ごろの答弁で、そのラインが変わります。

質問に立ったのは公明党の中野議員です。予算をめぐる問題が円滑な農政の支障になっているとして、適性を持った方に代わっていただくべきではないかと迫りました。

これに対し総理は、大臣の任命責任は自分にあると述べたうえで、選挙での支援に関係なく公平・公正に予算を配分するのは当たり前であり、大臣はそれを取り仕切る責任者だと答弁しました。

そして冒頭に引用した通り、発言が事実なら「本当にダサい」とまで述べ、行政運営を任せてよいのかどうかを「しっかり考えさせていただく」と踏み込みました。

一方で、現時点ではまず自らの口で説明責任を果たしてもらいたい、ともフォローしています。

それでも「ダサい」という言葉まで使って糾弾し、更迭の検討にまで言及した。これは先週までの答弁の防衛ラインからは、明らかな変化です。

私も今、議員会館にいますが、永田町はかなりざわついています。

三連休の間に各種世論調査も出て、官邸として守り切るのは難しいと考え始めたのかもしれません。

■

この件については先週、ReHacQ(リハック)に呼ばれた際にも話題になりました。

高橋プロデューサーらからは、「維新は奥歯に物が挟まったような言い方だ。野党時代なら『辞めろ』と言ったのではないか」という趣旨の指摘をいただきました。

お気持ちはよく分かります。ただ、ここは少し違うと思っています。

維新は野党時代から、不祥事が起きた際に「すぐ辞めろ」とはあまり言ってこなかった政党です。

まず追及して事実関係を明らかにする。仕事で返せるものは仕事で返す。それでもダメなら辞任する。すべてのケースとは言いませんが、そうした対応を取ってきたことが多い政党です。

私自身も、今回すぐに辞めさせることに賛成はしていません。

ABEMA Primeに出演した有識者の渡瀬裕哉さんが、こんな趣旨のことをおっしゃっていました。

大臣の発言はもちろん最低だが、すぐに辞めさせると、それで禊が済んだことになり責任追及が終わってしまう、と。

首を取ってハッピーエンド、では次の話題へ。これでは何も解決しません。

本当に予算をねじ曲げる働きかけがあったのか。その働きかけによって、省庁は実際に予算を減らしたのか。

これを明らかにするには、本人を含む関係者を国会に呼び、答弁させ、調査させる必要があります。そのうえで再発防止策を講じるべきです。

私も、まったくその通りだと思います。

予算配分という国会審議の肝の部分ですから、予算委員会でこれを取り上げることに、国民の誰も文句はないはずです。

■

もちろん、高市総理が世論の動向や今後の行政運営の円滑さを考え、どのタイミングでどう判断されるのかは分かりません。その判断は尊重されるべきだと思います。

ただ、省庁側に詳細なメモが残っていないなど、まだ曖昧な部分も多く残っています。

不信任だ、問責決議だと引きずり下ろす前に、何が起きたのか、なぜ起きたのか、どうすれば防げるのか。

まずはそこを徹底的に詰める。責任を取るなら取る、仕事で返すなら返す。その決断は、その後でよいのではないでしょうか。

個人献金のお願い
ボランティアスタッフご登録のお願い
音喜多駿

おときた駿
前参議院議員(東京都選挙区) 43歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」

友だち追加
twitter @otokita
Facebook おときた駿
Instagram @otokitashun

ページトップへ