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それはアウト?!選挙前の合法的「政治活動」と違反になる「事前運動」の線引とは問題

日々のこと

大型国政選挙前になると、街中に街宣車が溢れて賑やかになります。

「まだ選挙が始まってないのに、なんなの?これって『事前運動』にあたる、選挙違反じゃないの?」

ちょっと政治に興味がある人であれば、当然にわきでてくる疑問だと思います。

我が国の公職選挙法では、選挙運動ができるのは選挙期間中のみとなっており、それ以前に運動したら「事前運動」という違反に問われます。

いま各政党・各政治家がやっているのは「政治活動」と称され、一応は選挙活動から切り離されるという建前になっています。あくまで「政策」を訴える活動であるというわけですね。

そのために活動する肩書は「候補」ではなく「●●区支部長」などと呼称し、あくまで政策の訴えなので「1票を宜しくお願いします!」などの投票の呼びかけは一切しないようにしています。

…まあ、政治活動と称して実態としては選挙と地続きの活動ができるのは、かなり変なルール・線引きだとはいつも思います。

選挙本番は様々な上限規制があるので、実は「選挙にカネがかかる」のではなく、この金銭の制限がない政治活動の方にこそお金と労力がかかるのですよね。。

カネがかからない選挙のために、こうした政治活動と選挙運動の線引(2連ポスターなら貼れるとかの謎ルール)は不断の見直しが必要だとは思いますが、それでも当面は現行ルールの中で活動する他ありません。

そうした観点からみると、この立憲民主党さんのネット発信(バナー画像)はかなりワイルドにグレーゾーンに突入しています。アウト説も濃厚です。

・選挙の種類と日付が明記されており、政策ではなく選挙情報がメインであることが明確
・掲載されている人物たちに「●●支部長」など政党役職の記載がなく、選挙の「候補」であることが強く類推される

ので、これは事前活動とみなされる可能性が高いのではないでしょうか…。

所属国会議員はさらに「よろしくおねがいします!」と投票の呼びかけが類推されるコメントを添えて発信していたようですから、そこまでいくとさらに違反色が強まります。

私の同僚議員も以前、ある選挙期間の直前に発行する政策チラシに、投票率向上・普及啓発のために選挙の投開票日を載せようとして、念のために地元の選挙管理委員会に見せたら

「選挙との関連が類推され、事前活動と見なされる可能性があるのでやめた方が良い」

と言われたそうです。

選挙管理委員会はあくまで「アドバイス」しかできませんし(捜査・摘発するのは捜査機関)、事前活動にあたるかどうかは制作物トータルの内容が精査されますが、選挙前に日付と人物を一緒に告知することはいずれにせよハイリスクです。

前述の通り政治活動と事前運動の線引については色々と議論があるところであり、今回の件は

「しゃらくせえ。もう事実上、選挙なんて始まっているんだから、事前運動なんてすべて解禁していまえ!!

という政党としてのメッセージ・挑戦なのかもしれませんが、どうなんでしょうか。※事前運動解禁論者も実際にはいる

いずれにしても当面の政局を分ける衆議院補欠選挙は目前に迫っており、維新は維新として粛々と法の範囲で政策の訴えを続けてまいりたいと存じます。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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