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東京都にもある「南北問題」、特区が格差を助長する?

政策, 日々のこと

国家戦略特区、東京は9区限定 政府が対象区域の詳細案
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF15012_W4A410C1EAF000/

>東京都は千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区、渋谷区の
>9区だけを特区の範囲とする。他の市区町村や都議会では、雇用や外国人労働者、医療などの
>規制緩和に反発が強く、見送りとなった。

私のブログでも触りだけご紹介させていただいた
国家戦略特区ですが、先週上記のような報道が流れました。

北区(私の地元)、入ってないじゃん…。

だからというわけでもないのですが、対象外となった区部や
そもそも完全にカヤの外になっている市部の方からも
多くのお問い合わせをいただきました。

私自身も納得がいかず、報道以上の情報が入ってこなかったので、
本日担当者の方からレクチャーを受けてきました。
で、9区に限定した説明として…

1.
事業がないところを特区指定をしても仕方がない、非効率的
2.
要望があれば、年に2回の追加指定も検討する。排除しているわけではない

用地基準の緩和など、民間のディベロッパーから具体的な要望が
上がっている地域に関しては指定しているが、そうでないところは意味がない。
文京区は、東大があり医療特区の可能性があるので新たに指定したとのこと。

また民間や区議会から要望があれば、
今後は追加も指定していくそうです。

うーん、あんまり、納得できない。。

再開発や医療に関してはたしかに区域内に
対象事業がない可能性はありますが、先に紹介した
ベンチャー企業の設立支援などは東京中で活用できるはずです。

現時点で事業提案がない地区でも、規制緩和というルールが適用されれば
手を挙げる民間企業は出てくる可能性は高いです。
(まあ、鶏卵の話ではありますけれど)。

ところで、東京都23区にもそれぞれに格差があります。
これを私は「東京都の南北問題」と呼んでいます。

tokyo23

以下は、東京都23区を平均所得順に並べたリストです。
「★」マークが今回、国家戦略特区に指定された部分。

千代田区 788万円★
港区  757万円★
中央区  709万円★
文京区  673万円★
目黒区  673万円
渋谷区  664万円★
世田谷区 649万円
杉並区  607万円
品川区  593万円★
練馬区  585万円
大田区  579万円★
新宿区  573万円★
台東区  571万円
江東区  569万円★
豊島区  542万円
中野区  542万円
江戸川区 531万円
葛飾区  523万円
墨田区  520万円
足立区  517万円
板橋区  514万円
荒川区  474万円
北区  453万円(ギャース!)

だいたい言わんとするところは
わかっていただけるかと思いますが、

・23区には明確な格差があり、北部が有意に貧しい
・特区に指定されているのは、比較的すでに恵まれている区のみ

つまり、今回の「効率的な特区指定」が
すでにある格差をさらに広げていく可能性が高いということです。

こうした現状で

「事業がないから」
「区や民間から提案がないから」

という東京都の消極的な姿勢には、
個人的には大いに疑問符がつくところです。

本件、次回の議会等でも追及していき、
北区の担当部署にも本当にニーズがないのかどうか、
すり合わせをしていきたいと思います。

それでは、また次回。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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