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林外相のG20出席を阻んだ正体は、参議院(特に自民党)の伝統とプライド?

日々のこと

こんばんは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

先の予算委員会質疑、特に林外相のG20欠席について追及した点が多く報じられ、たくさんの問い合わせがありました。ご注目いただいていることに感謝です。

林外相が国会対応でG20欠席…答弁たった“53秒” 「日本の信じられない対応にインド衝撃」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc461d497809a84bcf24c20e8012ab2af2a05973

大きな反響が起きたことで、早くも政府与党と国会側で責任のなすりつけ合いが始まっており、「結局、何が理由なの?」と聞かれます。

私はずばり、最大の理由は参議院、特に参議院自民党のプライドだと思います。こう言うと、

「いや、自民党は自民党でしょ。なんで与党側が足を引っ張って外務大臣に嫌がらせしてるの??」

と思われるでしょうし、それが普通の感覚だと思います。

まず大前提として、自民党に限らず多くの政党で衆議院と参議院はかなり温度差があります。二院制なので、本当にバラバラに動いている場合が多いんですよね。

これは地方議員あがりの私にも驚きでした。お隣の自治体の議会…?くらいの距離感を感じることがあります。

そうした中で与党・自民党において衆議院と参議院は、時に緊張関係になることがあります。理由は参議院側のプライド、もっと言えばコンプレックスかもしれません。

基本的に国会は衆議院中心、閣僚も大半は衆議院。衆議院で予算審議などが通過すれば、なんとなく「終わった」雰囲気が流れてしまう…。

これが参議院自民党には我慢ならないわけですね。俺たちも与党なのに軽視されている。あくまで衆議院と参議院は別々の院で、俺たちが反対に回ったら予算も法案も通らないんだぞ、と。

この気概を常に見せ続けなければ、参議院における与党の存在意義は低下し、文字通りの下駄の雪、おまけ的な存在になってしまう。その焦りがつねに参議院自民党にはあります。

なので今回の件も、衆議院の予算審議はすべて出席した外務大臣が、参議院の予算審議冒頭で不在なんて許せるわけがない、そんなことをしたら予算を簡単には通さない!

というプレッシャーを参議院自民党が真っ先に政府にかけていたことは容易に想像できます。

これは自民党に「参議院のドン」などがいたときから連綿と続く暗闘で、それがわかっているからこそ政府・外務省も「交渉しても無駄だな…」と考え、国会側に欠席要請すらしなかったというのが実情だと考えられます。

いずれにしてもこれらは、諸外国や日本国民にとってはなんら関係のない、永田町のコップの中の嵐です。俺のほうが偉いんだコンチクショー、というメンツとプライドの問題でしかありません。

衆議院には出てたのだから参議院にも、という横並びの意識もくだらないし、そもそも予算審議冒頭の「基本的質疑」には出番のない大臣も含めて全員が終日出席するという慣習もまったく意味のないものです。

今回の不甲斐ない事件を機に、外務大臣に限らず役割のない大臣を国会審議に縛り付ける意味不明な慣習が改められるよう、維新が先頭に立って国会改革を進めていきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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