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選挙管理委員会は、足立区議選の「投票無効」を防げなかったのだろうか?

日々のこと

昨日投票日だった足立区議選の開票結果が出まして、私が個人応援していた「くちいし竜三」候補はわずかな差で落選となりました…。

ご支援いただいた皆さまに、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

さてこの足立区議選では、5,548票もの有権者の票が無効になるという信じがたい事態が発生してしまいました。

「NHKから守る党」候補、投票無効=住所要件満たさず-東京都足立区議選
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019052701028&g=pol

この候補者を擁立した政治団体は、その当該候補者が住所要件を満たしていない(足立区内に三ヶ月以上住んでいない)ことを知っていた確信犯であり、その行動については選挙戦初日にも疑問を呈しました。

私が代表を務める地域政党「あたらしい党」は、いくつかの地方議会でこの政治団体所属議員と同一会派を組んでいるケースもありますが、あくまで地方議会の「会派」は共通政策を実現するために、一定の条件等を合意した上で形成されるもの

「あたらしい党」は会派を組む上で、

・法に抵触する主張には決して賛同しないこと
・ゆえに、会派名に政治団体名を出さないこと

などを条件として会派を形成しており、今回の足立区議選のような行為はまったく容認していないことを改めて申し上げます。

住所要件を満たしていない候補者を擁立した政治団体の問題はさることながら、個人的には今回の選挙管理委員会(選管)の対応にも疑問が残ります。

選挙戦の初日にTweetした通り、いったんは選管もこの候補者からの立候補届を「受理できない」と拒否しようとしています。

ところが押し問答の末、書類上の住所を墨田区→足立区としたことで「少なくとも書類上の不備はない」として、押し切られる形で立候補を容認してしまったようです。

そして選挙期間中に調査をした結果、住所はカプセルホテルのもので、「やはり住所要件を満たしていなかった」として、1週間後の開票日には得票をカウントすらせずに無効票とする判断に…。

これ、どう考えても初日の段階で立候補届を受理するべきではなかったと思います。

確かに最後に書類が形式的に整ったとしても、その前に押し問答している事実があるわけですよね。大勢の行政職員が見ている前で(ネット中継もされてた)。

であればその時点ですでに、「住所要件がない」「書類上の住所は虚偽記載の可能性が高い」として受理を拒否する客観的な事実は十分だったのではないでしょうか。もしくはその場で、書かれた住所に何があるのか調べるくらいはするべきでした。

行政・公務員として「書類上は少なくとも法的不備がない」として対応してしまったのは、仕方のない面があったとしても、いかにもお役所的な対応に思えてしまいます。

今回、当選ラインに達する得票を得ていた候補者および政治団体は、訴訟を起こすことを宣言しています。

いずれにしてもこの団体と法的係争に至ることは避けられなかったでしょうから、水際で毅然とした対応を取っていれば、有権者の貴重な一票が無効になることもなかったのに…と非常に残念な気持ちでいっぱいです。

大選挙区である地方選挙は、文字通り1票差が明暗を分けます。今回も最下位当選者と次点の票差は、わずか50票でした。

法に抵触しかねない悪質な行為によって、有権者の貴重な一票が無駄にされることのないよう、再発防止に向けて公選法およびその運用ルールに適切な改善がなされることを強く望むものです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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