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品川区長選で「羽田新ルート撤回」を公約に掲げる候補を推薦する、小池知事の大いなる矛盾

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日から都議会定例会がスタート致しました。恒例の知事所信表明演説が35分ほど。

めっきり大きな改革が発表されることもなくなってしまった所信表明ですが、人権条例や工業用水道、20日後に迫る市場移転など論点は目白押しです。

約3週間と短い議会ですが、途中経過を含めてしっかりと報告して参りたいと思います。

さて、そんな都議会定例会の真っ只中である23日(日)から品川区長選挙がスタートします。

適当な新聞記事がなかったので、情勢についてはこちらの記事をご参照ください。

【品川区長選挙2018】野党共闘と◯◯がタッグ?激戦の選挙で情勢調査。サポートをお願いします。
https://note.mu/rutaq/n/n5c30a70166a7

現職に対して、新人2名が挑む構図となる模様です。

私はこちらについては特段に推薦できるほど関係のある候補者がいないため、どの陣営にも属さず中立の立場で結果を見守ることになると思います。

しかしながら、都政全体に関わる都議という立場から見ると、どうしても指摘せざるを得ない点があります。

それは小池知事および都民ファーストの会が推薦する予定候補が、「羽田新ルート」撤回を公約の一丁目一番地に掲げていることです。


画像引用元。赤線筆者)

国が推し進めている羽田空港への新飛行ルート拡大は、羽田空港の機能強化のために必要不可欠なものです。

一方で、騒音や落下物の危険性に対する懸念は強く、有識者や新ルートの直下に位置する品川区民からは根強い反対の声が上がっていました。

参考:
羽田空港、東京都心上空新ルートで都民の生命に危険…部品落下や騒音、国は検証せず

https://biz-journal.jp/2018/08/post_24289.html

この「羽田新ルート」について、小池知事および都民ファーストの会は容認・推進の立場を取っているのです。

特に小池知事は都議会本会議の中で、「羽田新ルートの撤回を国に求めるべきだ」とする共産党からの質問に対して、「国と協力して羽田空港の機能強化を図っていく」とはっきりと答弁し、撤回の意思がないことを鮮明にしています

議事録:平成三十年東京都議会会議録第二号
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2018-1/02.html

推薦される候補と政党・推薦者の政策が細かいところまで100%一致することはないかもしれませんが、公約の一丁目一番地に掲げられている政策にこれほど明確なズレがあることは理解に苦しみます。

仮にこの推薦候補が区長に当選し、羽田新ルートの撤回を都に強く求めたら、小池知事はどのように対応するのでしょうか。

羽田新ルート撤回を却下するとしたら公約違反、推薦者として有権者(都民でもある)に対する裏切りになりますし、受け入れるならこれまでの政治姿勢を180度転換することが求められます。

いずれの選択を取るにせよ、都政が一時的に混乱することは避けられそうにありません。


画像引用元

この品川区長選挙における大いなる「ズレ」について、8月末の定例記者会見で指摘された小池知事は

「(推薦予定候補は)今回の選挙で、区民の皆さんに問いかけをするという、そういうチャンスとして捉えておられるのではないか、そう思っております」

などと答えていますが、これは明らかに悪質な誤魔化しです。

参考:
羽田新ルート|品川区長選 小池知事の姿勢

https://1manken.hatenablog.com/entry/2018/09/19/new-haneda-flight-routes

推薦予定候補は区民に問題を「問いかけ」ているのではなく、はっきりと「撤回」を主張して選挙に臨むことを宣言しているのですから、それを推薦する政治家としての説明にまったくなっていないことは明白でしょう。

そして小池知事同様に、この候補を推薦している都政の最大会派・都民ファーストの会からも、この矛盾をどのように考えているのか説明はないままです。

これは品川区のみにとどまる争点ではなく、羽田空港の機能強化という都政課題に密接に関わるものです。

都議会の代表質問・一般質問は選挙戦最中の26日・27日に行われますが、議会質問を通して小池知事の首長として・政治家としての姿勢が明らかにされることを強く望みます。

品川区民の皆さま、都民の皆さまもぜひご注目いただければ幸いです。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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