こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
連日にわたり一般質問・児童虐待防止対策についての話題で恐縮ですが、本日は里親委託・特別養子縁組の促進についてです。
虐待死根絶の件、児相人員強化や警察連携、罰則強化だけでは問題解決しない。親を罰する前に子供を守る仕組が急務。危険な親元に戻る現行の一時的な施設収容は子供の為にならない。親権停止強化か親の再教育は英蘭の仕組みが参考になるが、その為には国民の理解のもと里親や養子縁組制度の充実が必要。
— 山田太郎前参議院議員 (@yamadataro43) 2018年6月7日
欧州にともに視察に行った山田太郎・前参議院議員が主張している通り、児童虐待防止・根絶の仕組みを完成させるためには、実は里親・特別養子縁組の制度を整えることが必要不可欠です。
一見すると児童虐待防止とは遠いところにあるように思えるかもしれませんが、被虐待児を保護したとしても、彼らを適切に保護できる受け入れ環境がなければ、保護そのものを躊躇することになってしまうからです。
また、虐待児童が保護できないのは、もちろん一義的には親権の強さや児童相談所のキャパ不足がある一方で、被虐待児を保護しても
一時保護所や緊急避難できる里親先が十分にない
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結局、保護をしてもすぐに親元に帰さざるを得ない状況になる
という背景が、迅速な対応を妨げている遠因になっているとも考えられます。
何より、里親委託や特別養子縁組がしっかりと社会に根付いて、「血がつながっていなくても、子どもに温かな家庭環境を与えることはできる」ということが当たり前になれば、
「どんな親であっても、子どもは親元にいるのが一番」
という、日本の親権を必要以上に強化し、児童虐待を許してきた日本の悪しき慣習に楔を打つことになります。
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そこで今回の一般質問では、もう前期から数えて何回目になるかわかりませんが(苦笑)、「里親委託・特別養子現組の促進せよ、そのために都が独自に里親委託率に達成目標を設けよ!」という点を取り上げて質問しました。
東京都はこれまで、小規模施設を意味する「家庭的養護」と、里親などのきちんとした「家庭養護」を意図的に混在させ、独立した目標設定をすることを頑なに拒んできました。
参考過去記事:
たかが答弁、されど答弁。舛添知事、「まずは養育家庭(里親)措置を優先」と明言!
厚労省の大失態!「家庭養護」と「家庭的養護」をごっちゃにしたツケが爆発中
しかしながら先般、都は里親認定基準を改正し、同性カップルにも里親認定の門戸を開くなど、画期的な対応を行っています。
国がせっかく設定した「里親委託率75%を目指す」という目標に強い抵抗が起こる中、今こそ東京都がリーダーシップを発揮して独自目標を設定・達成し、児童虐待防止の先頭に立つべきなのです。
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この提案に対しての知事答弁は、
「平成41年度までに家庭的養護の割合を6割という目標を設定している」
という内容は旧来のものに留まりましたが、ここに新たな展開が…!なんと
「都としては、児童福祉審議会において改めて、里親委託の推進の方向性や目標について、有識者の方々にご議論いただく予定である」
との答弁が追加されたのです。
これは実はけっこう大きなことで、先述の里親認定基準の改定・同性カップルへの認定容認についても、議会質問によって
「まずは児童福祉審議会で議論をしていただく」
という答弁・方針が出され、議論の時間はかかったものの、審議会の答申に基づいて改定が決まりました。
少なくとも目標値の設定が議論の俎上に上がることは決定したわけで、審議会での議論・答申内容によっては、ついに東京都も里親委託率の独自目標を持つことになるかもしれません。
一歩踏み込んだ答弁をもらえたことに感謝するとともに、迅速な議論を要望したいと思います。
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私が質問している内容は前期からほとんど変わりませんが、やはり今回の深刻な事態を受けて、頑なだった都側の考え方にも少しずつ変化が起きていることが感じ取れます。
この流れをしっかりと後押しすべく、聞いてる人が「またか…」と思われるほどしつこく!本件については議会内外で引き続き調査提案をして参ります。
それでは、また明日。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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