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男性議員だけど、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を接種してきた

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

今月初め、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の安全性を検証してきた医師・ジャーナリストの村中璃子氏が、その功績を認められ英科学誌ネイチャーからジョン・マドックス賞を受賞したことがネットを中心に大きな話題となりました。

●海外の一流科学誌「ネイチャー」 HPVワクチンの安全性を検証してきた医師・ジャーナリストの村中璃子さんを表彰(BuzzFeed)

いやあ本当に良かった、これで「ワクチンにはとんでもない副作用がある!」という科学的根拠のない風評被害も、少しずつ収まっていくだろう…

などと楽観視をしていた私ですが、ちょうどそんな折にごく身近にも

「ワクチン接種は積極的に推奨するべきじゃない。慎重な議論が必要」
「(なぜ?と尋ねると)副作用があるとテレビでやっていた。やはり怖い」

と考えている・感じてる方がいることがわかり、これは想像以上に深刻な状態だ…と改めて痛感しました。

ネット上で大きな話題になっているとはいえ、村中氏の受賞については全国紙・テレビメディアにはほとんどスルーされている状況であり、目下のところ日本人がもっとも信頼するメディアである「テレビ」の影響力は計り知れません。

「なんだか怖い」

と感じている人に、科学的にはこうなんだと説明してもなかなか響かないもので(言い方も悪かった…反省)、どうしたものかと途方にくれていたところ、友人からこんなアドバイスが。

男性も子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)が接種できるので、実践して示してみては?」

??!!!

男性でも接種できるんですね?!しかも、色々な効果があるとのこと。不勉強ながら、まったく存じ上げませんでした…。

かつてO-157によって社会的不安が巻き起こった際に、とある政治家が「カイワレを爆食いする」というパフォーマンスで風評被害の払拭を試みたように、古来から「著名人が率先垂範する」という手法には定評があるところです。

というわけで議会中ですが、登庁前に新宿のクリニックに立ち寄り、早速私も子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を接種してきました^^

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を巡る差し迫った実情

実体験に入る前に、簡単に現状をおさらいしておきます。

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となって発症します。

HPVは主に性交渉などによって感染し、多くは免疫力によって排除されるものの、これが持続的に感染するとがんに進行する場合があります。

HPVには約100種類あると言われていますが、HPVワクチンはこのうち最もガンに進行しやすいいくつかのタイプのHPVの感染を防ぐもので、性交渉が始まる前の思春期に打つことが効果的とされています。

このためわが国では、12歳から16歳の女子に対してはHPVワクチンを公費で摂取する定期接種対象としているのですね。

ところが定期接種が実施されるようになった直後から、ワクチンを原因とした体調不良(副作用)を訴える声が相次ぎます。

改めて後述しますが、そうした症状はワクチン接種とはなんら因果関係がないものです。

ところが国は、公費による定期接種こそ継続するものの、「積極的な推奨を控える」という奇妙な対応を取ったことで、事実上のワクチン接種は頓挫。

ワクチンの副作用で苦しむと「されている」人々の声をメディアが積極的に発信したため、一時期は7割を超えていたワクチン接種率は現在なんと約1%にまで落ち込み、これは当然のことながら先進国では最低レベルです。

この影響もあり、子宮頸がんに罹患される方は年間で1万人、そのうち3,000人もの方が命を落とすと言われています。

日本では毎年、3000の命と1万の子宮が失われている。母校北海道大学で講演をした際、ひとりの若い産婦人科医が私にこう尋ねた。

――僕たちだけあとどのくらい子宮を掘り続ければいいんですか。
子宮を「掘る」、すなわち子宮を摘出するという意味だ。

日本では国家賠償請求訴訟が終わるまでには10年を要すると言われる。また、訴訟が終わるまで、接種再開を決断できる首相や官僚は出ないだろうとも言われる。よって、もし子宮頸がんワクチン接種再開まであと10年を待つ必要があるとすれば、日本人の産婦人科医は、いったいいくつの子宮を掘りだせばいいのだろうか。

答えは「10万個」だ。

掘り出した10万個の子宮を想像してほしい。その持ち主である女性たち、そこから生まれ母を失った子どもたちを。そこから生まれてくるはずだった子どもたちを。

(村中氏の受賞スピーチより抜粋)

そして村中氏が受賞スピーチで述べているように、罹患された方の多くが子宮を摘出することになっているのです。

さらに詳細を知りたい方は、下記の記事をご参照下さい。

●2000年度生まれ以降は子宮頸がんから守られない? HPVワクチン実質ストップの影響
●子宮頸がんワクチン、国内でも予防効果を示す研究報告が続々

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、男性が接種していいの??

一般的に「子宮頸がんワクチン」の名前で知られていますから、当然に「子宮」がある女性のためのワクチンであると考えられています。

ですが、この子宮頸がんの原因となりワクチンで対策する「ヒトパピローマウイルス(HPV)」は男女関係なく感染するウイルスで、喉頭がんなどの原因になります。

参考:
●「子宮頸がんワクチン」男に接種のわけ ウイルスが体内に残るとさまざまながんに

また、いわゆる性病の一つである尖圭コンジローマもHPVが原因で引き起こされることから、こちらにも予防の効果があります。

そうした背景もあって著名AV男優であるしみけんさんが子宮頸がん(HPV)ワクチンを接種し、一部で話題となりました(私は最近知りましたが…)。

よって男性の場合も女性と同様、性交渉が始まる前の男子が打つことが効果的と言えます。

早速、実際のワクチン接種にチャレンジ。筋肉注射だけど怖くない!

早速とか言いながら、スーパー前置きが長くなりました。なるべく正確な情報をお伝えしなければならない、医療系の記事ゆえ許してください…。

今回接種に向かったのは、新宿駅直結の「ナビタスクリニック新宿」。

担当してくださったのは、ワクチンに関する正しい知識の普及啓発活動にも熱心な久住英二先生。もちろん、ご自身もHPVワクチンを接種されています。

ど文系な私にもわかりやすいように、これまで述べてきたようなワクチンに関する基礎知識を丁寧に説明して下さる久住先生。

「HPVワクチンは筋肉注射ですが、世間で思われているように痛みはありません」

とのこと。筋肉注射をするのは恐らく始めてで、まさに痛いイメージしかないのでめっちゃ心配だったのですが…

…痛くないっ!!

何かが「ググッ」と入ってくる感触はありますが、本当にそれだけ。痛みや痺れも残らずに、ものの数秒で接種は終了です。

安堵のあまり、変顔になる私。(何だこの顔…)

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)に副作用はない?風評被害を払拭するためには?

そして冒頭の話題に戻ってくるわけですが、では、副作用はないのか?

HPVワクチンによる子宮頸がんなどの予防効果を示す研究は多数ある反面、ワクチンが副作用を引き起こす科学的根拠は一切見つかっていません

これまでの研究結果の蓄積に鑑みれば、今後もまず見つかることはないと言って良いと思います。

むしろ子宮頸がんワクチンを接種後に、思春期の女子たちが発症されたとされる全身痙攣や運動障害などは、ワクチン接種の有無に関わらず見られる症状であると報告されています。

●子宮頸がんワクチン後の症状、接種歴ない子にも(朝日新聞)

もちろん、ワクチン云々とは別に、こうした症状に苦しむ方には寄り添い、解決策を考えていかなければなりません。

一方で、科学的な見地からまったく証明ができない以上、ワクチンの副作用と考えることは極めて不適切であると言えます。

しかしながら、テレビを始めとするメディアの影響もあってワクチンの副作用を主張する声は大きく、関係者が絶対に因果関係がないことを示す「悪魔の証明」を求め続けていることから、政府(厚労省)はいまだに子宮頸がんワクチンの接種推奨に踏み切れない状態に置かれています。

政治を動かすには、世論を変えるしかありません。

科学的データでは人の不安は解消されないのは、人間の本能です。これこそが、不安ビジネスが世にはびこる原因です」

そう久住先生が語るように、確かに科学的見地から高い評価を受けた村中氏の受賞は画期的な出来事ですが、それだけでは世論を変えていくことはできません。

だからこそ影響力のある著名人による率先垂範、風評被害の払拭が大きな意味を持ちます。

※サーバリックス
HPVワクチンの一種で、かつては子宮頸がんワクチンの主流だったもの。今現在は、私が今回接種した「ガーダシル」の方が予防範囲が広く、主流になっているそうです。

前述のしみけんさん以外にも、ホリエモンこと堀江貴文さん、社会起業家の駒崎弘樹さんなどが接種したことを公表しています。

例によってパフォーマンス批判はあるかもしれませんが、ワクチン接種推奨を主張する政治家の方たちも、男女・年齢問わず積極的な接種&公表をされるのが効果的ではないでしょうか。

でも、お高いんでしょう?

まあ、これは確かにそうなんですよね…。

定期接種の対象となっている12歳~16歳の女子は公費負担になるものの、それ以外の方はすべて自己負担。

保険が効かず、合計で3回の接種が必要になるため、概算でだいたい5万円程度の費用がかかるようです。

自治体によって、公費負担の対象外となる方にも一部助成を実施しているところもありますが(江戸川区など)、堀江さんが指摘するように、接種の推進しない政府方針を受けてこうした対応をしている自治体は減りつつあります。

一方の先進諸国では、女子のみならず思春期の男子も公費負担の対象としている国もあります。

村中氏の前述の受賞スピーチの中で、国家賠償請求訴訟が終わるまでの約10年は、ワクチン接種再開に踏み切れる首相や官僚は出てこないだろうと述べています。

国が動けないのであれば、自治体から始めるというのも一つの有力な手法です。

私も地方議員の一人として、東京都に子宮頸がん(HPV)ワクチン接種の奨励&公費対象外の人々への積極的な補助を政策提言していく所存です。

そして私が首相になった暁に(?!)まだ子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種奨励が再開されていなければ、すぐに接種再開に踏み切ることをここにお約束したいと思います。

久住先生が勤務しているナビタスクリニック(鉄医会)では、性別・年齢問わず初めてのワクチン接種にも丁寧に対応してくださいます。

説明、接種を含めて15分程度で完了です。ご興味を持たれた方は、受診&接種をしてみるのはいかがでしょうか。

ナビタスクリニック(鉄医会)HP
http://www.navitasclinic.jp

お忙しい中ご対応をいただいた久住先生、ナビタスクリニック新宿の皆さま、誠にありがとうございました!

こちらの村中璃子氏の新刊もぜひご予約をば。私も早速ポチリました!

一人でも多くの命が、正しいワクチンの接種によって救われることを願って。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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