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豊洲市場の「環境アセス」やり直しは不要でも、移転延期は妥当な決断だった理由

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日は臨時議会の初日。知事発言があり、小池百合子知事から今回の議案や経緯についての説明がありました。

そして、豊洲市場への移転時期についてでありますが、追加対策工事は、この補正予算案を可決いただければ速やかに契約手続きを進め、着工することといたしております。

工事の終了後、専門家会議による確認も経て、現時点では来年6月上旬に完了するものと見込んでおりまして、具体的な移転時期はそれ以降となります。市場業者の皆様には、今回の補正予算や追加対策工事の詳細等も含めまして丁寧にご説明をし、早急に移転時期について調整を進めてまいりたいと考えております。

引用元


(画像は「知事の部屋」より。8月8日臨時議会のもの)

この具体的な時期が発表された背景には、28日午前に行われた環境評価審議会にて、正式に豊洲市場における「盛土」がなかった問題で、環境アセスメントの再評価が「不要」と判断されたからです。

豊洲環境アセスやり直し「不要」
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170828/3216591.html

早期移転に向けて前向きな結論ではありますが、これをもって

「なんだ、やはり移転を延期する必要などなかったではないか」
「正当な理由もなく移転を決断した、小池知事の責任問題だ!」

とする声も上がっています。しかしながら、ここはシンプルにそう断定できるものではありません。

今回は審議会が「軽微な変更」と判断し、1年以上かかる再評価こそやり直す必要がなかったものの、明確に当初の手続きに瑕疵があり、修正した事実に間違いはありません

ちょっと長いですが、環境評価法(環境アセス法)における、国や地方公共団体の責務を示した条文を引用します。

第三条

国、地方公共団体、事業者及び国民は、事業の実施前における環境影響評価の重要性を深く認識して、この法律の規定による環境影響評価その他の手続が適切かつ円滑に行われ、事業の実施による環境への負荷をできる限り回避し、又は低減することその他の環境の保全についての配慮が適正になされるようにそれぞれの立場で努めなければならない。

今回、内容を大幅に変更して(盛土→地下ピット)環境審議会の再審議を受ける必要が出たことは、とても適切かつ円滑な手続きによって行われた状態とは言えず、間違った環境アセスのまま豊洲市場を開設していてこれが事後に発覚した場合、法令違反になった可能性が充分にあります

私自身は一貫して豊洲市場への移転を是とする立場でありますが、やはり「盛土がなかった」「その状態で環境アセスを行っていた」という都政の杜撰なガバナンスについては重く受け止める必要があり、延期決断の時期として結果論であったとしても、延期の妥当性については疑いないものと考えています。

むしろ、再度の繰り返しになりますが、こうした杜撰なガバナンスを見過ごしてきたかつての都議会にも責任の一端があります。もちろん、私自身を含めて。

この事実は何度でも、深く反省しなければなりません。

いずれにせよ、環境アセスの再評価が不要となったことで、来年春~秋とされていた目標から一歩踏み込んで、6月上旬以降という具体的な時期が示されました。

そのスケジュールの詳細や狙い、また実現可能性などにつきましては、臨時議会中の常任委員会等でしっかりと確認し、速やかな豊洲市場への移転を実現していきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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