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共産主義の「生存戦略」

政治コラム

今年に入ってからの都議選、参院選で共産党さんが
躍進を遂げたのは記憶に新しいところですし、昨今の世論調査では
共産党の支持率が野党No1を取る場合すらあります。

「どうしてですか?」

とよく聞かれるので、今日はこれに関連した小話をば。

都議会議員に着任し、
委員会の配属が決まる際、

「文教委員会(教育分野を専門とする委員会)は、伝統的に共産党の力が強いですよ」

と言われ、ああここでもやっぱりそうなのか、と思った覚えがあります。
共産主義や社会的主義なイデオロギーを持ついわゆる「サヨクっぽい人」は
知識人に多いのですが、特に教育界やマスコミに多数存在します。

教員の労働組合である「日教組」なんてその象徴ですし、
朝日新聞、毎日新聞なども左掛かった思想を反映している大新聞です。

これにはちゃんとした理由と、彼らの「生存戦略」が背景にあります。

共産主義が台頭してきた時、まだまだこれを支持する人数は少なく、
民主主義の議会において過半数を取ることは当面不可能であると
賢明な彼らは早くから看過していました。

そこで彼らは、こう考えました。

「今は多数派になれないかもしれない。
しかし四半世紀後、半世紀後に勢力図を逆転すればいい。
そのためには思想を司る職業に、多くの人材を送り込むことが必要だ!」

こうして彼らが目をつけたのが
そのものずばり「教育」の世界と、
大衆の思想に大きな影響を与える「マスコミ」でした。

後のインテリ左翼と呼ばれる知識人候補の大学生たちは、
積極的に教育関係や報道関係機関などを就職先として選びました。

政界でも、政権与党がお金になりそうな経済方面にばかり根を張る間に、
彼らはお金にならず、目に見える成果が出にくいため人気のない
「教育」分野に注力し、確固たるポジションを築いてきました

こうして、日本の教育現場では反日教育が堂々と行われ、
日本の大新聞は靖国問題や慰安婦問題などを積極的に創りだし、
議会の場で共産主義・社会主義が後退を続ける中でも一定の存在感を保ちます。

ソ連が崩壊し、東西冷戦が集結して

「共産主義は終わった」

と言われてからも、彼らは粘り強くチャンスを待ちました。

「議会で勝てないならば、他の場所で勝負すればいい」

議会に依らない市民運動や住民直接投票に
左系の方々が熱心なのも、こうした考えによるものです。
彼らは現時点では、議会で勝つことはハナから諦めていたのです。

議席がどれだけ少なくなり、「確かな野党(笑)」などと小馬鹿にされても、
彼らは戦略に忠実に人材を創りだし、存在感を保ち、静かに時を待っていたのです。

そして今…

圧倒的な勢力を持つ与党を前に、太刀打ちできない既存の野党。
増税、原発促進の流れに、国民の気持ちは一つではない。

50年以上前から彼らが巻いてきた「タネ」が、
静かにその芽をもたげ始めた…

なんてね。

僕個人としては共産党さんの考えに共感するところはありませんが、
確固たる政治思想と組織を築いている稀有な存在だとは思います。

時代の要請によって、求められる政治思想は変わるもの。
共産主義がもう一度台頭するとは考えづらいと思っていますが、
彼らの戦略と世論の流れには注意を払っていたいと考えています。

それでは、また次回。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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