復帰第一回目のコラムは消費税について書こうと思っていたのですが、
その前に消費税増税の根拠である財政状況について述べておきたいと思います。
ついに今年の8月、財務省が公式に「国の借金」が
1000兆円を突破したと発表したのは記憶に新しいところです。
増税の根拠の一つにこの「財政危機」があるわけですが、
果たして日本は財政破綻が目前に迫るほどヤバイ状態なのでしょうか?
個人的な結論を申し上げると、だいたい1500兆円くらいまで
借金が膨らむまで何も起きないと思いますし、タイムスパンとしては
あと20年~30年くらいは大丈夫なんじゃないかと思います。
もちろんこれは、あくまでも「個人的な予測」です。
根拠は色々とありますが、最終的には『感覚』といってもいいでしょう。
国が破綻するのに、明確な基準があるわけではありません。
みんなが「日本がヤバイ」と思えばその瞬間に破綻するし、
逆に「日本は大丈夫だろう」と思っている限り、いくら借金が膨らんでも破綻しません。
「借金がGDPの二倍以上に膨らんだからもうヤバイ」
「いや、ほとんどの借金は国内で賄っているから大丈夫」
「負債は1000兆だが、資産もたくさんあるので問題ない」
など、識者・知識人によっても意見が割れるのはそのためで、
結局は国の財政は周りからの信頼によって担保されているのです。
オリンピック・パラリンピックの招致が決まったことからもわかる通り、
額面上は世界最大の借金大国である日本ですが、様々な内的外的要因から
まだまだその経済力への国際的な信用度は高いといって差し支えないと思います。
ではこの20~30年は大丈夫というのは、幸せなことなのでしょうか?
もちろん、幸せな世代もいます(団塊の世代なんて最高です)。
しかしながら、われわれ将来世代にとってこれは
むしろ最悪のタイミングなのではないかと思う時があります。
今すぐに国の財政が破綻すれば、若い世代にとってはゼロからのスタートです。
このグローバルな時代ですから、割りきって海外に行けばいいですし
「オトナたちは一体、なにをやっていたんだ!」
「団塊の世代がこの国をダメにしたんだ!」
なんて口々に言いながら、新しい生活を始めればいいでしょう。
なに、まだまだ体力も、語学を身につける学習能力もあります。
若いんだから。
でも、20、30年後に日本が破綻するとしたら??
新しい生活を始めるには、気力・体力ともに十分とは言えない年齢になっているでしょう。
そして、自分たちの息子や孫の世代から
「お父さんたちは、こうなるとわかって何をしてたの?」
「あなたたちが、この国をダメにしたんだ!」
と口々に避難され、若者たちは国を後にします。
残されるのは、新天地に行くことができなかった年寄りだけ…
そんな未来があるかもしれません。
それどころか僕はこのストーリーを「非常にありうる話」だと思っています。
20年、30年後に国が破綻するとわかっていたら?
今すぐ猛勉強をして、日本を捨てて世界で暮らすか。
破綻を回避するために、あらゆる手を尽くしてこの国で踏みとどまるか。
この2つのどちらかしか、取る道はないと思います。
最悪なのは「何もしない」ことなのです。
僕はこの「ありうる未来」からタイムスリップして戻ってきたつもりで、
20年後、30年後の日本を変えるために、踏みとどまることを決めました。
そして幸運にも、政治の世界で働くチャンスをもらうことができました。
僕はこれから、政治の世界で闘いを始めます。
みんなは、どうする??
それでは、今日はこのへんで。
おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 41歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)」
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