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シルバーデモクラシーの黄昏

政治コラム

石原都知事が辞任表明…比例東京から出馬の意向
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121025-OYT1T00905.htm

本当に今月(2012年10月)はむちゃくちゃな内閣改造はあるわ、
政治は停滞してまったく進まないわ、あっという間に閣僚が不祥事で辞任するわ、

近年でも屈指の「政治的に最低の月」だと思っていたのですが、
最後の最後に上記のようなオマケまで付いてきましたとさ。

なので、今日はさらりとその感想的なものを。

twitterなどのSNSや周囲の評判に耳を傾けてみると、

「辞任して衆院選に出ることよりも、もう80歳という年齢を知って驚いた」

という声が多くて、なんだか可笑しくて笑ってしまいました。
だって、2年前の都知事選の時にすでに78歳ですからね。
そういえば、その時に丁度このコラムの連載が始まったのでした。

4/10 東京都知事選挙 -リベンジせよ、若者-
http://www.junkstage.com/syun/?p=10

若者が選挙に行かずに、78歳の高齢者が他の候補者を
鎧袖一触で当選した当時の選挙に対して警鐘を鳴らした記事でしたが、
その状況はあいも変わらず、というより20年前からあまり変わっていません。

なお、石原さんが公言している通り「たちあがれ日本」と合流を果たして
新党を結成すると、最年少69歳、平均年齢75.3歳の政党が誕生します

民主主義の最大・最悪の欠陥は、
これほど老人が多くなる社会を想定していなかったことに尽きます。

民主主義の原理を提唱したモンテスキュー、ロック、ルソーといった思想家たちも。
近代民主主義の中で活躍したワシントン、チャーチルといった如何なる偉大な政治家たちも。

先進諸国がこぞって未曾有の少子高齢化に突き進んでいくなど、
想像だにしていなかったことでしょう。民主主義はその成り立ちから、
制度設計の中にシルバー・デモクラシーへの対応策を内包していないのです。

大橋巨泉さんがラジオ番組で紹介したといわれる、
とある特攻隊の舞台の台詞。

「戦争とは、じいさんが始めて、おっさんが命令して、若者が死ぬもの」

また、以前にも一度引用した、
英国王立委員会の有名な報告書の一文。

「若者が減る社会は危険なほど革新的でなくなり、
技術や豊かさ、知識や芸術面でも遅れを取る」

少子高齢化は、日本だけの問題ではありません。
ほとんどの先進諸国が同じ危機に直面しており、経済成長を続ける
中国やシンガポールも近い将来は日本を超える超高齢化社会に突入します。

しかしながら、どの国もそれに対する処方箋を持たず、
相変わらず財政赤字は次世代へのツケとして垂れ流しにされ、
高齢者が将来世代を圧迫する状態を放置しています。

リーマンショックのような、壊滅的な「システムクラッシュ」が起きない限り、
政治の世界は今の状態から目が覚めないのかもしれません。

しかし、その「システムクラッシュ」が起きるとすれば、いま一番その先頭を
走っている国こそ我が日本だということを、私たちは決して忘れてはいけません。

暗い話で終わるものなんなので明るい材料もお出しすると、
日本の国会議員の平均年齢自体は、1996年から一貫して若年化しています

1996年:54.8歳
2005年:52.3歳
2009年:52.0歳

小泉チルドレンや小沢チルドレンといった、「風」で当選した
若く未熟な議員が増えたこともその一因ですが、どんな形であれ
若い世代が政治の世界に増えていることは寿ぎたいと思います。

オバマやブレアのような、40代、50代前半のニューリーダーを排出できるか。
日本の次のステップはそこになるでしょう。

80歳のリーダー候補が舞台に踊り出たこと。
これがシルバーデモクラシーの「終わりの始まり」になることを
僕は信じてやみません。

未来を決める選挙は、きっと「近い将来」に。
年内…いやたぶん、年明けかなぁ。。

 

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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