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小泉純一郎はなぜ傑物だったのか

政治コラム

2011年の国会が閉会しました。

色々と理由はあるのでしょうが、結局民主党政権は
公務員の給料も国会議員の数も削減できず、国民IDも導入できず、
増税も歳出削減の方策も打ち出すことはできませんでした。

「政権は少なくとも2年くらい見てから判断するべき」

という僕も少々…いや、かなりの先行き不安と不満を感じざるを得ません。
結局、将来にツケの回ることはそのまま放置されて新たな年を迎えることになりそうです。
そんな中、年の暮れにふと思いだしたのが、とある政治家です。

そう、第87~89代内閣総理大臣 小泉純一郎

僕ら若者世代が生きてきた中で唯一、日本に可能性が見えた時期。
そのとき国のリーダーシップを取っていたのは、言わずと知れた彼でした。

僕の周囲の所謂若者世代には、彼はいまだにもっとも人気のある政治家と断言できるでしょう。
もちろん単に景気が良かった、決断力があった、演説がうまかったなど
漠然とした理由で好感を持っている方も多いと思います。

しかし我々若者世代は、特に政治に関心が高い者でなくても、
彼が強く持っていた信念をなんとなく感じ取っていたのではないでしょうか。
そう、

将来世代にツケを回さない

という、当たり前のようでこれまで誰もできなかった、
そしてまた今ふたたび誰もできていないことです。

僕はこれまで数多くの政治演説を聞いてきましたが、
彼の総理大臣就任演説を超えるものを寡聞にして知りません。
その中でもっとも印象的なのは、「米百俵」と言われるエピソードを引用した締めの部分です。

全文をそのまま引用しましょう。

明治初期、厳しい窮乏の中にあった長岡藩に、救援のための米百俵が届けられました。
米百俵は、当座をしのぐために使ったのでは数日でなくなってしまいます。

しかし、当時の指導者は、百俵を将来の千俵、万俵として活かすため、
明日の人づくりのための学校設立資金に使いました。その結果、設立された国漢学校は、
後に多くの人材を育て上げることとなったのです。

今の痛みに耐えて明日を良くしようという『米百俵の精神』こそ、
改革を進めようとする今日の我々に必要ではないでしょうか。

新世紀を迎え、日本が希望に満ち溢れた未来を創造できるか否かは、
国民一人ひとりの、改革に立ち向かう志と決意にかかっています。

そして彼はこの言葉の通り、明日のために今の痛みに耐える施策を、
郵政民営化や多くの規制緩和案、そして聖域と言われる社会保障費の抑制に乗り出しました。

「格差が拡大した」

などの(僕から見れば的外れな)批判を浴びながら
それでも彼が若者世代を中心に彼が圧倒的な支持を得たのは、
本物の理念とそれを断行する覚悟に、我々がどこか惹かれていたからではないでしょうか

翻って、今の為政者たちはどうでしょう。

同じく「大物」と称される小沢一郎氏。
消費税増税に断固として反対し、民主党内で署名を集める動きもあるそうです。

彼の行動に、考えに、小泉元首相のような「将来を思う」気持ちが感じられるでしょうか?
増税に反対する名目で持ち出される「国民」「民意」は、いったい誰のことをさしているのでしょうか?

その中に、選挙権のない子供たちが入っているとは、僕にはどうしても思えません。

今の痛みに耐えて明日を良くしようという『米百俵の精神』。
少なくとも今まだ若い我々だけは、いつまでも失わないで保ち続けたいものですね。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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